編集者ほど、「自分のことば」を失いやすい職業はない

編集・ライティングの仕事をしていると、「自分のことば」を失ってしまいそうになる。


2018年7月、学生時代から3年近く働いていたスタートアップを辞め、副業で関わっていた編集・ライティングの仕事にフルベットするようになった。

人生の恩人・長谷川リョーさんの率いる編集ファーム「モメンタム・ホース」にジョインし、半年間、取材・執筆・編集に奔走した。

備忘録がてら実績をまとめていたTumblrから、今朝、「Tumblr で100件投稿しました!この業績をしみじみ噛みしめるべきです。すでに100件は投稿していますよ。」という、少々暑苦しい通知も来た。ニュースメディアの記者さんからすると大した数字ではないかもしれないが、速報記事は一切手がけず、作り込んだインタビュー記事ばかりつくっていることを考えると、まぁまぁ頑張った方なのではないだろうか。


もちろん、だからといって「編集・ライティングは極めた」なんて口が裂けても言えないし、自分なんてまだまだ駆け出しである。「量が質に転化する」と言えるような段階ではない。来年以降も引き続き、編集・ライティングのスキルは貪欲に磨いていきたいと思っている。


だけど、日々さまざまな実践者・思想家たちのお話を伺い、それを分かりやすく面白いテキストコンテンツへと落とし込んでいくことに忙殺されるなかで、「考える」ことが等閑に付されていく感覚も得るようになった。

属性にもよるが、編集者・ライターという仕事は、「だれかの想いを伝える」ことが基本である。もちろん、そこに「書き手の想い」を潜ませることで、さらに良い原稿になることもよくある。ただし、あくまでもコンテンツのメインディッシュは「だれかの想い」だ。

日々、「この人の想いをどう伝えよう」と心を砕いていると、「自分の想い」と向き合う時間が減っていく。「日記とか書くぐらいなら、もったいないから仕事の原稿を進めよう」という現金な思考まで生まれる。

そうしているうちに、「自分の想い」が何なのか、分からなくなってしまう。「自分のことば」が出てこなくなってしまう。


そんなことを薄々感じるようになっていたが、先日、モメンタム・ホースの年末合宿で自分のやりたいことを改めてディスカッションしていく中で、はっきりと危機感を覚えるようになった。「このままだと、自分が何をしたいか、社会にどんなインパクトを及ぼしたいのか、分からなくなってしまうのではないか」と。


ということで、「自分のことば」を書いていくことにした。

日頃からぼんやりと考えていることに輪郭を与え、内省の機会を担保するため、書くことにした。

思い返してみると、優れた編集者は、自身で書く文章も魅力的な人が多い。見城徹さん、若林恵さん、松嶋倫明さん、そして日頃からお世話になっているモリジュンヤさん、長谷川リョーさん。


というわけで、これからは気が向いたらブログを書いていこうかなと思っています。「自分のことば」を失わないようにするために。



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小池真幸

「自分のことば」を入れておく箱

3つのマガジンに含まれています

コメント3件

すごくよくわかります
特にWebだと、記名原稿でも結局自分の言葉にならない気がします。ニーズを考えちゃうから。昔は好き放題書けていたなと思います。それを転がしてくれる編集者もいた。
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