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枯れ枝と財布【短歌10首】  ~『未来』2019年7月号

枯れ枝と財布   工藤吉生



におい付きの風がでてきて春になる虫も変態たちも目覚めて

微笑んで穴掘る人はいないのだ「のだ」なんて言うから土になる

オレ、飛沫、わりと見るかも だいたいは透明なのが多かったかな

ピンクの雲いいなさわってみたいなあ財布にいくら入ってたかな

魔王と言い枯れ枝と言う子と父で馬の手綱を握るのは父

筆くわえアシカが新元号を書くみたいな・でかい白紙みたいな

体液を拭くため置いた一箱のティッシュボックスからっぽ 祭

虹色の花火はじけてたんだよと告げてよく寝た一方的に

ゴミ箱のたったひとつのゴミなので見えたねじれてくちゃくちゃになり

持ったまま眠ってしまい目が覚めてふたたび使い始めるスマホ

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工藤吉生(短歌をやっている人)

工藤吉生(くどうよしお)。歌人。 第61回 短歌研究新人賞受賞。 塔短歌会→未来短歌会。 宮城県。男。 ブログ「存在しない何かへの憧れ」http://blog.livedoor.jp/mk7911/ ツイッター @mk7911 枡野浩一のbot @masunobot

工藤吉生の『未来』の短歌

歌誌『未来』に掲載された短歌のまとめ。2016年1月号から。彗星集。 投げ銭方式なので、無料ですべて読めます。
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