ママはお料理とお掃除が苦手で、たまに叫んじゃったり、いっぱい泣いたりする。
私はママが大好きだから学校の勉強も頑張ってるし、お友達もたくさん作って、いつもママに楽しいお話もする。
元気だと、ママはお話ちゃんと聞いてくれるけど、お酒飲むとまた暴れちゃったりするから、そういう時は次の日とかにお話しする。

ママが、付き合っていた男の人に振られちゃったみたいで、お皿とか鏡とかをたくさん壊しちゃった日があって、そこからママがどんどん痩せちゃったし、私ともお話ししてくれなくなっちゃったからすごく寂しかった。

ママは、しばらくしたらピンク色の服ばっかり着るようになって、ブレスレットを腕にいっぱいつけるようになった。
お出かけするときは、「北はよくない」とか「この道はよくない」とか、いっぱい言うようになった。

学校で仲良くしてたユイちゃんの誕生日を聞かれたから、ママにお話しした。
そしたらユイちゃんとはもう仲良くしちゃいけないって言われた。

ユイちゃんよりも、ママと仲良くしたいから、ユイちゃんとはもう話さないよ。
寂しいけど、ママとお話ししてた方が楽しい。

おうちの中がどんどん、全部ピンク色になっていった。

カーテンもピンクになっちゃったし、ベットもピンクだし、私のお洋服も全部ピンクじゃないとダメなんだって。
ママは、黄色がすごく嫌いらしい。黄色は、不幸を招く色だから、絶対ダメっていってた。ママの言ってることは、いつも正しくて、いつも正直だから、黄色はダメなんだと思う。私も、黄色がだいきらい。

朝起きて学校の準備をしていたら、学校には、もう行っちゃいけないって言われた。
学校は、人がたくさんいて、その分悪い気持ちがたくさん集まってる場所だから、悪い人間になっちゃうってママが言ってた。
先生にも、友達にも、もう会えないっていうことかな。

でも放課後になったら、またみんなで遊べる？

（ストーリーはフィクションです）