焼肉4G
最近よく一人で行く焼肉屋がある。
値段は一皿500円くらいで、いつも合計で1500円くらい。
通い続けた結果、店員さんに「今日もハラミでいいすか?」と注文を予測されるようになった。
こういう“常連”っていう感じにはずっと憧れていて、ゲームで言うところのAランクから微・Sランクに繰り上がったような謎の嬉しさが肉の鮮度を2倍に上げてくれる…
お客さんの層もユニークで、この前はHIPHOPがいかに最高なのかを語るおじ様がいた。
「エドシーランとか、やべーから!」
とずっと繰り返し、他のアーティストの名前が出てくることはなかった。
そこはハラミが売りだそうで、試しに食べてみたところ美味しすぎて2皿注文してしまった。
他にも全てのラインナップが完璧で、「焼肉」ではなく正しくは「天国」であると確信せざるを得ない、ファンタスティックな焼肉屋なのである。
そのお店の魅力の一つに「絶望的に電波が悪い」という特徴がある。
どれくらい悪いかというと、何も繋がらない。
ネット廃人である私はそれがどうしても辛くて、最初はできるだけ早く食べてできるだけ早く家に帰ろうと思っていた。
しかしお肉が美味しすぎるので、なかなか早く帰ろうという気持ちにもなれず、つい長居して外を出る事が増えた。
すると不思議なことに脳が少しだけスッキリしているのだ。
4Gと焼肉の旨みのコラボレーションが私のSNSに侵された脳を癒してくれることに気付いたその日から、デジタルデトックスしたい日は必ずその焼肉屋に行くようになった。
今日もこの文章を打ち終わり、いくつかのメールを返したら焼肉屋に駆け込もうと思っている。
今日はハラミと、タンがいいな…
2024/02/20
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