ドキドキ⭐️ハプニング物件〜見えないアイツと気になるアタシ〜


わたくしは昔、事故物件に住んでおりました。
当時は事故物件でもなんでも、安ければいいという精神でしたし、
そもそも幽霊が存在していたとしてそれがなんなんだと。

幽霊がいるいない、そんなんじゃない。
屋根があるかないか、そこだろおおおおおおおおおお!!!

という究極に貧困を極めたからこそ至った考えを持っておりました。

事故物件に住んでびっくりしたこと

①電気が消えるとかものが落ちるとかは普通にあった

ホラー映画では、緊張を煽るBGMで再現される電気が消えるシーン…
あれはかなり当たり前にありまして、電気が消えたりとか、
一番嫌だったのはゴミ箱がそのまま倒れたりするのです。

これに関しては、怖いとかではなく、寝ている時に物音を立てるのは本当にやめてほしいと思いました。
恐怖よりも迷惑が勝ち、だんだん「家賃を払ってほしい」と思うようになりました。


②理屈は分からないけれど髪の毛の束が見つかったことがあった

私はその物件の1人目の入居者でした。
そして今と変わらないショートカットでした。


引っ越しをしたいと思うようになったきっかけのひとつですが、
部屋から髪の毛の束が見つかったことがありました。

場所はベットのマットレスの下で、
むしりとったような毛量のままの凄まじい束でした。
興味本位で解いでみると、ロングヘア(多分セミロング)の長さのもので、
髪の毛の質感からも、それは自分の髪の毛ではないことはすぐにわかりました。

とりあえずジップロックにいれ、面白半分で写真を撮りました。

LINEで友達に送りまくったところドン引きされてしまい本物の恐怖を与えてしまい、
やはり怖いのは人間であると自分というフィルターを通して痛感致しました。


③それっぽいものを見たことがあった

わたくしは小さい頃に何もない場所を指さして
「おじいちゃんとおばあちゃんがいる」とケラケラ笑っていたそうです。
(b y母)

霊感があるかどうかはわからないのですが、
その部屋で洗濯機の前を女の子が横切るのを見たことがありました。
それも生きた人間のような彩度でくっきり見えたので、
ちょっと怖くなってしまいました。

それと同時に、絶望をしました。

部屋にもしも霊がいるのなら、
かっこいい霊がいいなという願望を抱いていました。

そうだな、身長はまぁ少し高め…虚な目をしていて、まつ毛が長くて、肌の色は白…

ちょちょちょちょちょロリかーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!
女の子かーーーーーーーい!!!!!!!
じゃあ家賃は払わなくていいよ!!!年上が払うよ!!!!!
そっか…そっか女の子か…まあでも、かわいい雰囲気だったから…
いやでも…膨らめた妄想が一瞬にして壊されてしまった。

とてもショックで、
それっぽいものを見た怖さよりも、自分の妄想が現実にかき消されたのことの悔しさ、切なさと…嘘であって欲しいと思いました。


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ドキドキ⭐️ハプニング物件
〜見えないアイツと気になるアタシ〜


脚本 : 若菜みさ
妄想 : 若菜みさ

私「ねえ!あなたさ、ここアタシの部屋なんだよ!?物倒して…電気も消して、どういうつもり!?(CV.花澤香菜 さん)」

霊「あ?…ああ…うるせえな…(CV.宮野真守 さん)」

私「うるせえなじゃないでしょ。(殴る)!!??
あ、あれ、すり抜けた…あ、そっか、アンタ、死んでるんだった。ご、ごめん。」

霊「なんだよ。今更、生きてるとでも思ってたのかよ。」

私「…」

霊「お前さ、俺がいつもなんで電気つけたり消したりしてるか分かってんの」

私「へ?理由があったの?や…え、何。とにかく、ウザいってことだけは確かよ!
カチカチカチカチ!バカ!」

霊「お前、モールス信号、知らねーのか?」

私「は?まぁ、言葉だけ知ってるけど。」

霊「…なんも気付いてくれて無かったんだな。はは、当たり前か…
もう一回、最後にやってやるよ。ちゃんと見て、後でどういう意味だったかGoogle先生に聞け。」

私「ね、ねぇ最後って何?どういうこと?」

霊「俺を成仏してくれる霊媒師が見つかったんだよ。お前に迷惑かけたよ、俺はここからずっと動けなかったんだ。でもお前と過ごして、こんな生活も悪くねーって思えたよ。死んだ後の方が、楽しかったかもな。」

私「…え…」

霊 カチカチっカチカチカチカチカチかチカチカかカカカカカカカッッッッk
(電気のスイッチを押しまくる)

霊「覚えたか?これが最後に伝えたかったことだよ。お前…元気でな、俺の名前を伝えてなかった。俺の名前は…」

ーーーーー消

私はその後、彼が成仏された悲しみに縛られ、生きる気力を無くしていた。
事故物件に住むと、その人の人格に変化があるって、本当だったんだね。
私、これからどうしたらいいんだろう。
あいつの名前、なんだったんだろう。そうだ…

あいつ、最後になんて言ったんだろう。

咄嗟に思い出した信号を調べてみた。
「ら…い 来世 来世で、いっしょ に 生きたい」

「来世で一緒に生きたい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーEND

まぁこんな感じで私の妄想にも終止符が打たれ、
事故物件ライフもその直後に終わるのでした。

私はどうやら妄想をすることによってネガティブな状況を打破し、
怪奇現象だのなんだのという一見怖い状況下も潜り抜けることができたっぽいです。

また住みたいとは正直思わないのですが、
体験として非常に面白かったと感じます。

ではでは。

若菜みさ

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