グラフィックな日々 神谷昌彦

文学・哲学・音楽・絵画・写真など多種多様なフィールドを軽やかに駆け抜ける知の虚人。こち…

グラフィックな日々 神谷昌彦

文学・哲学・音楽・絵画・写真など多種多様なフィールドを軽やかに駆け抜ける知の虚人。こちらでは、従来の書評中心のスタンス(http://mkamiya.jugem.jp/)から、写真、絵画やイラスト、コミックへとシフトします。

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落合陽一『ズームバック×オチアイ 過去を「巨視」して未来を考える』

落合陽一、NHK「ズームバック×オチアイ」制作班による『ズームバック×オチアイ 過去を「巨視」して未来を考える』 (NHK出版)は、NHKの番組「ズームバック×オチアイ」の書籍化である。 書店で手に取った人も、Amazonなどで取り寄せた人も、思っていたのより一回り大きいサイズと重さに驚くはずだ。 落合陽一の近著『半歩先を読む思考法』(新潮社)や『落合陽一 34歳、「老い」と向き合う』(中央法規出版)と比べると、その違いは

    • 『坂口恭平論』Kindle版発売開始!

      10月26日よりAmazonで『坂口恭平論 書評集1』Kindle版を発売開始しました。定価は350円ですが、Kindle Unlimitedでもお読みになれます。よろしくお願いします。 『坂口恭平論 書評集1』は、拙ブログおよびこのnoteで書いてきた、坂口恭平作品の9つの書評をセレクトし、編集したものです。仕事も作風も周囲との関係も、絶えず変化する生成変化の人、坂口恭平の思想や作品の秘密に迫る試みです。 収録書評は 幻年時代(2013) 小説 徘徊タクシ

      • 岸政彦編『東京の生活史』

        圧倒的な存在感 ようやく岸政彦編『東京の生活史』(筑摩書房)を購入することができた。社会学者岸政彦が中心となって進められたプロジェクト、東京で生活した人150人の生活史を聞き書きでまとめたインタビュー集である。9月に出版されたこの本の購入を年末まで延ばしていたのは、4,620円という価格にしり込みしたわけではない。 その本としての存在感の大きさゆえに敬遠していたのだ。 圧倒されるのは、百科事典のようなその厚みだ。 二段組みにして1216ページ。重さは1420g、厚さ6

        • 坂口恭平『Water』

          『Water』(左右社)は、坂口恭平の第二パステル画集。前作『Pastel』の126点に対し、倍近い237点のパステル画を収録している。その分、本のサイズは小さくなっている。横位置の絵の大きさはそのままで(さすがに縦位置の絵の上下はダウン)、狭くなったのは周囲の余白である。余白が広い方が、じっくりと鑑賞気分に浸れるので、広いにこしたことはないが、これは、税込み3,300円という値段据え置きとトレードオフと割り切るべきである。 坂口恭平のパステル画に、解説は要らない。たと

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          あらゆるハードディスクはタイムマシンである

          人間の主体的時間は、知覚による情報の集合によって構成される。同じ情報の集合を、身辺に再現できれば、過去の時間をシュミレートできる。たとえば、ある人を同じ部屋に閉じ込めながら、過去のある日と同じ新聞を読ませ、同じテレビ番組を見せ、同じ食事メニューを出すなら、ループ状の時間に巻き込まれたのではと、一瞬錯覚してしまうだろう。 2002年2月24日 20:56 東京・銀座 使用されたハードディスクに含まれる画像

          あらゆるハードディスクはタイムマシンである

          10万円のゆくえ(後編)

          [10万円のゆくえ(前編)より続く] 10万円のうち、60,579円はパソコン周りの整備で消えた。 残り39,421円はすべてデジタルカメラ関連に使うことにした。それまで使ってきたコンデジがことごとく壊れてしまったので、買い替える必要があったのだ。4万円弱では新品1点買えばそれまでだが、中古ならデジイチを含めて、目的別に使い分けるとして3機はいけるはずだ。 1)  常時使うためのコンパクト機。高級なものではなく、ポケットに入れて使えるサイズがよい。今、あるのはIXY17

          10万円のゆくえ(後編)

          10万円のゆくえ(前編)

          もう一年以上も前になるが、定額給付金10万円は、一円残らず貯蓄されることなく、消費されてしまった。 ふだんと同じものに使うのでは意味がないので、とりあえずPCを買い替えることにした。ファイルの管理上ノートPC一本で済ませているので、動作があやしくなる前に、乗り換えないと何かと面倒である。 とはいえ、予算の制約があるし、他に使う目的もあるので、予算は半分程度にとどめる。最低スペックのノートPCがあればよい。条件は四つ。 1) 5万円程度の予算で収まること 2) 1TBのハ

          10万円のゆくえ(前編)