身体性は無視できない。ソフト面での貧困院生の窮状〜物資・芸術支援も大歓迎。

来月修論が終わったら秋からまさかのプー太郎になることが決定したmkepaです。何だか某団体の発起人になってしまいました。集まってきた院生たちが有能ですごいです。皆苦境のなか才覚を発揮していて感銘を受けています。 新しい賛同者、院生の参加者も常時受け付けていますので、どうぞお気軽に連絡下さい。

その団体主催で、秋〜冬に「2019年時点での日本の若手研究者(特に院生)の直面する問題レビュー」を趣旨としたシンポジウムをやる予定なのですが(何故やることになったかというと行政やメディアの方と色々話した結果効果が見込めそうだからなのですが)、

内容はそうとして、これまでの大学人達がやってるようなお硬いシンポジウムをそっくりそのまま真似る必要はないというか、そこで掬えてこなかったこと、会場に足を運んでみたくなるようなことをやりたいですよね(集客の観点でもまじめに)。

そこで、研究って意外と身体性(健康状態とか移動とか、物理的な身体があることによって受ける影響や得られる知覚等)が無視できない、というリアルな事情も打ち出せたら一石二鳥だと思いました。
「いまの余裕のない状況だと、やっぱり良い研究できないですよ」というリアルだけどソフト的な貧困院生の窮状は、これまで上手く表象されてこなかったと思うんです。(よく 「食っていけない」という表現はされますが、じゃあカロリー摂取出来ればいいんですね?というと、そういうことじゃないだろうと。生命体としての生命維持というハード的な困窮は当然問題ですが、それがクリア出来れば研究者として十分に能力を発揮できるのか?というと全くそんなはずないですよね。)

それを示すためにも、「こういうのがあると健康になって研究捗ります・いいアイディア湧きます」ということで、コーヒーやおやつを始めとする飲食料品企業からの物資提供の協賛、健康器具やスポーツ用品メーカーからの軽運動器具や試供品の展示・配布、等出来ないかなと思っています。
「〇〇社は、未来の研究者の健康を応援します!」とかどうでしょうか?笑
散歩とかかなり関係あると思うんですけどね。逍遥学派。サムスンとかの健康管理デバイスとか来てくれても良いかもしれない。笑

芸術やエクササイズなど、今まで「気分転換も大事」程度に周縁化されてきたものが、根本的に研究に影響力をもつということを主張しつつ、シンポジウムではそのような生活や健康に関わる企業の協賛を募りたいですね。(塾とかのお勉強系ではなく)

これクリエイティブな仕事一般に当然の話ですが、学術研究となると途端に“お勉強”色と、「大学に篭って孤高に苦しんでこそ研究者」という化石的な偏見が勝っている気がします。
(諸外国の研究者が研究集会でのエクスカーションや現地の観光・友達づくりに積極的だったり、豊かな趣味を持ったりするのは、これをよく分かっているからではないかとも思います。)

経済的にだけでなく、(アスリートを応援するように)院生も支援出来ますという、院生側からの意外なメッセージになったりしないかなと妄想しています。協賛企業は企業名記載や広告、ロゴとかも貼ります。新しい会社とかでも研究者支援やろうとしているところとかあって、存在を知られたいという企業にとっては、大学関係者の目にも留まり、win-winではないかと思う。

これはシンポジウムに限らない話だけど、院生支援では、金銭の他にも上記のような物資提供に加え、アート関連とかも結構良いのではないかと思います。音楽のコンサートチケットとか、美術館入館無料チケットとか意外かもしれないですが、すばらしいです。実際私の知り合いでは、クラシックは全然分からないけど、付き合いで行ったコンサート中に、どうしても手を止め一定時間を過ごすうちに、普段使わない感性が働くのか、論文がまとまったりアイディア湧いたりしてビビった、と言ってる人もいます。笑

そういう現実的な話以外に、そもそも日本は美術館も演奏会も高すぎてアートが富裕層のものになっています。それは、いまの日本の人々のシェマ貧・けち臭さ・感性の貧困・拝金主義にダイレクトに繋がっていて、確実に自分たちの首を絞めているように見えます。
フランスはU25は大体無料でした。クラシックのコンサートも、世界的な大物指揮者と大物ソリストの演奏会でも固定で10€〜40€で、20€で本当に聴けてしまいました。気軽にアクセス出来るとなれば行くもんだし、行くと芸術特有の心理作用に何か気づいたりします。あと失業中の人は美術館入館料とかタダでした。

また切実な話に戻ると、美術史やオペラの研究をやっている方々は、研究費が取れない上に資料集めも自腹の人も結構いて、側から見ていても持続可能性0でどうにかならないものか?と思うので、そういう方限定でも良いから、年パスを買ってあげるとか、美術館料限定でパトロンになるとか、そういう部分的かつ金銭だけでない支援はとてもいいんじゃないかと思います。

粋なお金持ちの方、ご連絡お待ちしてます!笑

繰り返しになりますが、「研究って極限状態でも考えれば出来るんでしょ」と思われてる感が拭えないことには、生殺し的な“若手研究者支援”に終止符は打てないだろうと思うんですよね。(「広く浅く」と言ってるけど殆どがゲームオーバーしてて財源のほとんどが死に票みたいになってるじゃないですか。誰も嬉しくない。)
今のままでは若手の研究生産性は当然抑制されたままだし、今後の学術衰退は目に見えているので、あまり素敵な気分での提案ではなく、わりとセツです。

「肉体や精神の健康なくして知的労働は厳しい・無理」ということがハッキリしていないと、今の「限界状態でも好きならできるんでしょ?」は否定出来ないと思います。そういうジャパニーズガラパゴスやめましょう。「収入が不当に低いと稼得以外の意義を見出すように無理に認知を歪めてしまう」という心理学研究の結果の通り、それ入ってるんじゃないですかね、日本の研究者。

「余裕のなさが研究力低下を招いている」というのは調査済みだし言葉では言い尽くされていて、文科省等の大量の議事録などの文書の中にもあるけれど、一般市民の感覚へのアウトリーチ効果は低いと思うんですよね。当たり前だけど一般市民は会議資料を読まないでしょう。

それゆえ「研究者は死にさえしなければ、なんか考えるだけで研究成果を生産できる」と思われてる節があると思うんです。でも実際は金に余裕があって千円くらいポンと使えてファミレスでパフェ食べながら考えたら進捗出たりしませんか?
ある程度は「やっぱり金が大事」で、一般に院生はそのある程度をだいぶ下回っていると思います。

そんな感じで、シンポジウムで一見研究と関係なさそうな健康グッズや美味しそうな食べ物が色々あったら、来場者が楽しめる上に、学術振興の前提として必要な
「知的労働には研究者本人の余裕のなさが現れます」
「ギリギリの生活では研究力も生産性も落ちます」
というメッセージにもなる、なれ、と思います。「貧乏だとハングリー精神が湧く」というトンデモ思想へのカウンターとしても、実は正攻法なのではないかと思います。

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