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MISCO最優秀賞✨ ノーコード・ローコード、過去記憶にない研究会

こんにちは、三井情報(MKI) 公式note編集部です。
今回は2023年4月に開催されたMISCO(三井情報システム協議会)(*1)主催、2022年度5テーマの研究発表会についてお伝えします!

*1 MISCO(三井情報システム協議会:Mitsui Information System Conference)とは、三井系列企業が会員となり、情報処理や通信などに関する共同研究などにより、会員企業の効率化・高度化・戦略化を図ると共に、会員間の情報交換を通して、企業発展に資することを目的とする団体。会員数38社。情報システム戦略会社も多く参加する。

三井情報がリーダー・サブリーダーの研究会、最優秀賞獲得🏆

MISCOでは、三井系列企業の有志が、その時のITトレンドテーマに対し、一年間研究し、その成果を発表する。研究会メンバーは会員企業の情報シス部門中心。会員企業へのアンケートなど、エンドユーザの様子もわかる。MISCOは、業種の違う企業のメンバーと親交を深めながら、社外での研究活動、越境体験を何十年も前から提供している。

当社はMISCOに、ほぼ毎年参加者を送り込む。今回も5名が研究会に参加した。そのうち、当社3名が参加するG2研究会「ノーコード、ローコードアプリを一般ユーザが使いだす日がくるか?」が最優秀賞を獲得。しかも、リーダーと、2名のサブリーダーすべて、三井情報からの参加者という、過去、記憶にない研究会。

5つのテーマ(*2) のうちM1/M2/M3はMISCOからのテーマ。G1/G2は三井業際研究所(以下 業際研)(*3) からのテーマ。G1/G2の研究成果は、業際研会員である日本を代表する三井グループ企業への提言ともなる。

*2 2022年度の5つの研究テーマは以下のとおり。
M1:DXを推進するために必要な人材について
M2:DX時代のデータ利活用M3:日本企業はIT内製化を進めるべきか?
G1:ハイブリッドオフィスワーク時代のテレワークスタイルの在り方 Anywhere Operationsの実現
G2:ノーコード、ローコードアプリを一般ユーザが使いだす日がくるか?

*3 三井業際研究所(業際研)とは三井グループの社長会である「二木会」の直属の下部機構。グループにおける「異種業種間の業際分野における知識集団としての機能を果たす」ことを目的に、三井グループ各社の協調・協力のもと幅広く幾多の調査・研究活動する。

G2研究会「ノーコード、ローコードアプリを一般ユーザが使いだす日がくるか?」概要

ウォーターフォール型システム開発を知らなくても、ユーザがプログラムを開発できる時代がきている。HTML知識がなくてもブログが作れるように、ローコード・ノーコードで開発できる環境下で、利用者が自ら使いたいシステムを作り、業務効率を上げる取り組みは加速していく。マイクロソフトのPower Platformのコンセプトもそれであり、他社でも同じ動きがある。RPAはその代表格。

それらの製品群が一般ユーザをターゲットとし始めた時、システム部門が担うべき役割は何か。放置では管理できず、厳しく統制するのか。自由にプログラムを作らせ横展開で業務効率を加速させるべきか。2~3年先に訪れるだろう変化をどう迎えるべきか。業際研からは、すぐにでも使えるようなノウハウを、と要請されていた模様。

当研究会では文献や先進事例を持つ企業へのヒアリング調査などから、ノーコード・ロ ーコード開発ツールの活用事例や市場動向について情報収集する。また、アンケート調査を実施し現状と課題を整理した。さらに、複数のノーコード・ローコード開発ツール によるアプリケーション開発を行い、開発難度や拡張性、同等機能の開発における比較検証もなされている。これら研究会活動を踏まえ、一般ユーザがノーコード・ローコード開発ツールを活用する際の提言としてまとめた。

研究会活動について

最優秀賞を獲得したG2研究会に参加したリーダー岸本さん、サブリーダー伊丹さん​、サブリーダー古賀さんに賛辞を贈りつつ、一年間の研究活動についてお聞きした。G2研究会には、当社を含め13名が参加した。

❓ MISCO に参加したきっかけ

古賀さん
以前から、興味を惹くテーマなら参加したいと思っていた。現在、ITMS支援業務をする中でも、MS Power Platformのようなローコードが登場する場面がある。今回、ノーコード・ローコードのテーマがあったので、ぜひ参加しようと。

岸本さん
いま、業務でコンタクトセンターのコールフローなど、ローコード開発をしている。今回のテーマは身近で、今後どうなっていくか興味があり、もっと深く知りたいと思った。社外の研究会に参加する機会はそうはないし、コロナ禍で減った社外交流を増やしたいと思った。

伊丹さん 
現在、OutSystemsに携わる。2021年の夏からローコード製品であるOutSystemsの調査や開発標準化に携わっていたため、ノーコード・ローコードのテーマに魅かれた。

❓ リーダー、サブリーダーすべてが、三井情報からの参加者だが・・・

ノーコード・ローコードを仕事で携わる専門家ともいえる3人。あたかも、示し合わせて3人で参加したようにも見えるが、まったくの偶然だったらしい。特にリーダーは・・。

岸本さん 
研究会メンバーに三井情報から3人もいるとは知らず。自分がリーダーになるとも思わず。古賀さんと伊丹さんがそれぞれ自主的にサブリーダーになったものの、リーダーの成り手がおらず。意図せず、あみだくじで、自分がリーダーとなってしまった。

古賀さん 
せっかく、興味ある研究会に参加できたし、サブリーダーくらいしてもいいかなと。「サブリーダーになってもいい」という欄にチェックをいれてみた。

伊丹さん 
当社からの参加者がリーダーとサブリーダーとなり、この研究会を進めたのは、結果的にそうなっただけで意図したわけではない。自分は、業務都合で研究会を欠席する可能性もあり、リーダーは遠慮したが、積極的に関与したい思いもあり、サブリーダーに手を挙げた。

❓ 研究会活動はどのように進められたのか

伊丹さん 
様々な業種の会社が参加し、知識ベースも違ったが、和気あいあいの研究会。3つの分科会に分けて進めた。ひとつは世の中の動き、これからどうなるのかを調べる「市場調査」。もうひとつがノーコードで動くものをつくる「開発」。さらに、ルールを決めずにエンドユーザがノーコードやローコードで作り始めると、いわゆる野良コードが増え、管理しきれない。そのような状況を踏まえ、ノーコードやローコードをIT管理者視点で考える「管理」。自分は「市場調査」。古賀さんがITMS支援業務経験から「管理」、岸本さんはコンタクトセンターでローコード開発経験もあり「開発」。これも偶然、最適なチーム配置となった

古賀さん 
研究会活動は隔週オンライン中心。ファシリテータは当番制。追加で分科会活動が必要な場合はその合間に別途。当初は、オンラインで活発な発言がなく、伊丹さんが引っ張っていた印象がある。三島にある研修センターでの合宿を2回開催した。最初は金土、もう一回は月火。研究活動は基本的に勤務時間で、合宿は出張扱いで参加した。

岸本さん 
最初はオンラインで、コミュニケーションが取りづらく、沈黙が続いたりもした。合宿などで直接会ってみると、その後のオンライン活動も変わっていった。最初に、とっかかりの交流があったほうがよかったなと思う。

伊丹さん 
コロナ禍以前は、研究会メンバーの会社に集まり定例会を行っていたが、コロナ禍以降はオンラインの開催となった。初対面でオンラインだと発言しにくいこともあり、最初の数回は各メンバーから意見を出してもらうのに苦労した。2回実施した研修センターでの合宿では参加メンバーが一か所に集まることで議論が深まった。

❓ 発表会の様子、最優秀賞の感想を。他チーム発表の感想も。

リアル会場での発表会といっても、会場には各研究会メンバーとMISCOメンバーのみ。以前は会員各社から200人を超える会員聴講者で会場が埋まっていた。その中、MISCO恒例の寸劇がリアルで復活し、関係者から絶賛を浴びた。

古賀さん
最優秀賞は考えていなかった。G1研究会のVRデモはインパクトあった。大きなデバイスが必要なのが難点だけど・・。研究発表会の出番が最後と聞いていたので、お疲れ気味の聴講者に目が覚めるような感じにしたいと寸劇とデモにした。

岸本さん 
最優秀賞は意外だったが、うれしい。他研究会の発表も興味深かった。G2プレゼンは先生と生徒のやりとりで行こうと決め、なぜかアムロとシャアの設定に。三友新聞紙面でも、「作ったアプリに対し、アムロが『こいつ動くぞ!』と名セリフを口にすると会場は笑いに包まれた」と紹介された。

伊丹さん 
発表会では寸劇を交えてプレゼンするのが定番と聞いていた。今回、一番本格的な寸劇をしたのはこの研究会。テーマ柄、技術的な話や管理面の話だけだと退屈しそう。寸劇にノーコード・ローコードの話を織り交ぜることで、興味をもって見らもらえた。

他の研究会の中ではG1研究会のVRが気になった。テレビ会議だと相手がどう感じているのかわかりにくい。VRだと、音声の強弱などにより、参加メンバー同士の距離感なども感じられ、よりリアルに近い会議になる。ただし、重たいゴーグルをずっとつけて仕事をするのは現実的ではないので、ゴーグルの改良が必要そう。

最優秀賞を取れたのは「市場調査」「開発」「管理」の観点でノーコード・ローコードを網羅的に研究し論文にまとめたことが評価されたと思う。審査は論文だけでなく、プレゼン発表も対象なので、寸劇はポイントが高かったはず。

❓ MISCOに参加した感想を

古賀さん
参加できてよかった。情報シス部門の業務は、現場ITを推進するサポートへシフトすると再認識した。ノーコード・ローコードは複雑なカスタマイズは難しく、ERPのような大規模システムはなかなか厳しい。ただ、今回のG2論文の7章で、コンポーザブルの考え方をベースに、その可能性にも言及している。この章をひとりで執筆した方がメンバーにいて印象に残った。とても、勉強になる。
自分は常駐での顧客支援業務をしている。契約上の時間に影響が出ない範囲でと上司からも言われており、時間管理には気を付けた。

岸本さん
これほど大勢で論文を書くことは今までになく、良い経験になった。他業種の情報システム部の方や、DX企画業務をする方から話も聞けた。また、プログラムを書かない方の目線での、ノーコード・ローコードに対する意見はとても役に立つ。仕事が立て込んでいると厳しいかもしれないが、MISCOは絶対、良い経験になると思う。

伊丹さん 
MISCOに参加してみて、バックボーンも業務も違う会社の方とご一緒できたことはとても面白かった。今後も、連絡を取り合えるようにしたい。最初は、知らない人同士だし、オンライン会議なので、人となりもわからず。どうやって進めようかなと、苦労した。後半にはすっかり打ち解けた。

審査発表&MISCO講評 in 研究発表会

5 つの研究テーマでの発表後、幹事会社より講評があり、最後に審査発表となった。審査は、2022年度MISCO幹事会社15社の幹事が、各研究会の研究報告書と研究発表会におけるプレゼンを評価し、選考した。​​​​​​

最優秀賞G2研究会への講評

ノーコード・ローコードで、実際に開発し、ツール毎のプロットもなされ、とてもよい研究発表だった。提言にある通り、今後、ノーコード・ローコードは進展すると思うが、まだまだ各社で試行中。課題解決に向けた取り組みが必要となる。今回、プレゼン内での開発実演デモはわかりやすい。これなら、自分でもできるのかなと。エンドユーザが野放図に開発を始めることは好ましくない。管理面でも継続的に検討することになる。

最優秀賞G2リーダー受賞コメント(岸本さん)

最優秀賞G2を代表して、リーダー岸本さんがコメント

2022年度の5テーマは、少しずつ関係していて、どの研究会の発表も学びとなった。きっと、各研究会に参加された多くのメンバーもそうだと思う。一年間、支援いただいた関係の皆さんに感謝している。

今年度2023年度研究会の5テーマには、25社67名が参加する。コロナもインフルエンザと同じ分類となり、今年度はリアルでの活動になりそう。話題のチャットGPTを活用する研究会あってもいいらしい。MISCOとしては、AIを使いつつ、よりクリエイティブな研究に力を注いでくれたらとのこと。

一方、MISCO研究会への参加者は30年前、300名近かった。その後、減少し、50-100名で推移する。MISCOからは、研究活動の活性化へ一層の協力をと、会員各社に強く要請があった。社外異業種との交流を通して、多様化した価値観に触れ、考え方を柔軟にする。それは、多様な社会、顧客に順応することに寄与する。IT人員育成の観点からも、ぜひ、MISCOを活用してほしい。

MISCOへの橋渡し役、経営企画室担当者より

当社のMISCO窓口である、経営企画室担当者からG2研究会に対し、お祝いのコメントをもらった。

最優秀賞の受賞、おめでとうございます!
業務の傍らでの取り組みであり大変な1年間であったと思います。本当にお疲れ様でした。2022年度MISCOの活動は17社52名の参加者が5チームに分かれて研究会活動を行いました。

ここ数年、新型コロナの影響により活動のほとんどがオンラインとなり、一度もメンバーと顔を合わせることができないチームもありました。2022年度は各社の規制が緩和され、対面での打ち合せや懇親会、合宿も実施できるようになりました。参加者の若手の中には所属会社の同僚とではなく、MISCOでの懇親会が社会人飲み会デビューとなった人もいました(笑)。

MISCOの良いところは、研究活動を通して他社の方々とのネットワークができることや、三井グループ各社のITに関する取り組みを知れることだと思います。興味のある方はぜひMISCOへ参加してもらえればと思います。

最後に

三井情報では自社が持つ知見をITを活用した社会貢献のため、外部団体などに従業員を派遣し、参加を通じて従業員の成長にも繋げています。
ぜひ「シルシルMKI」で他のMKI社員の挑戦についてもお読みください!


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