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UNSCEARのギリアン・ハース 議長による福島県立医科大学国際シンポジウム2022年のご講演の一部文字起こし

2022年3月5日開催
「福島県立医科大学『県民健康調査』国際シンポジウム」-サイエンスで支える福島のWell-being(心身の幸福)-においてのご講演
の一部文字起こし

現在
福島県立医科大学の放射線医学県民健康管理センターが2022年3月5日(土)に福島駅前キャンパスにて開催した「県民健康調査」に関する国際シンポジウムのオンデマンド配信されています以下から見られます

https://www.youtube.com/watch?v=-lv_IP8mUe0

※オンデマンド配信は期間限定(1ヶ月程度)の予定です

だそうです

1-1福島に関する UNSCEAR2020年報告書:UNSCEAR2013年報告書刊行後に発表された知見の影響
The UNSCEAR 2020 Report on Fukushima: Implications of Information
published since the UNSCEAR 2013 Report

ギリアン・ハース(UNSCEAR:原子放射線の影響に関する国連科学委員会) 議長のご講演より
Gillian HIRTH (UNSCEAR: United Nations Scientific Committee on the Effectsof Atomic Radiation)


原子放射線の影響に関する国連科学委員会 (UNSCEAR) 第 66 ~ 68 回会合議長
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁 (APPANSA) 副長官・放射線健康部門長UNSCEAR議長 ギリアン・ハース先生のご講演が素晴らしかったので一部文字起こししました。
英語のご講演、通訳さんのことばを聞き取ったものです
聞き取りにくい部分も少々あり、
本来の動画を見てください

0:56分から
(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)UNSCEAR ギリアン・ハース(Gillian Hirth)議長のご講演始まる。


UNSCEARは1955年に国連総会決議によって設立した国連独自の科学委員会
放射線レベル 健康への影響への影響、リスクに関する国連の最高権威であり
放射線ひばく源 健康や環境への影響を独自に評価する権限をもっています
UNSCEARの調査結果は 放射線関連の問題に関する意志決定に確かな根拠を与えています
例えば1963年の部分的核実験禁止条約や現在の放射線防護の国際安全批准はUNSCEARの調査結果に支えられています。
しかしながら、UNSCEARは政策や宣伝に関する事項を扱うのではなく、
ケアレビューされた最新の科学に基づいた、独立した調査結果を国連総会、加盟国、科学会そして一般市民に広めるという重要な役割を担っているということに注意が必要です。

0:58

委員会自体は経験、専門性に基づいて指名された科学専門家によって構成されています。
2021年までは27カ国の委員会メンバーで構成されていた。
2022年から31カ国のメンバーで構成されている
私は委員会のオーストラリア代表で2009年の66回から委員会の議長を務めています。
通常これらの代表者は毎年約150人の会合を毎年ウィーンで開いていました。
この二年間はパンデミックの影響で200人以上の科学者がオンラインセッションに参加しています。

1:00

環境の影響に関する科学的研究を10年間続けていました。
事故による放射線レベルと影響を二年間評価し2013年に国際会合にその結果を報告した。
この報告書は18カ国から集まった80名以上の科学者により作成され
その後2014年4月に英語と日本語で出版されています。

1:01

その後
2014年から2016年にかけて、新しい科学的情報がニュースされると体系的に追跡、検討しUNSCEAR2013報告書への示唆を検討しました。
これらの文献の要約は、2015年 2016年 2017年に白書として出版されています。
これらはUNSCEARのwebサイトから、ダウンロードが可能であり、
福島関連の報告書が英語と日本語で完全に公開されています。


1:02

その後、2018年の代65回委員会において、福島事故による放射線ひばくのレベルと影響について、2019年末までに入手可能な全ての情報を要約し、これらの知見がUNSCEAR2013報告書にどのように影響するかについて評価するため、新しいプロジェクトを開始。
2021年3月に12か国と1国際機関IAEAですね、30もの機構専門家と13人の批判的査読者で構成されています。
専門家グループは1600以上の査読論文を審査し、500の論文をレポートに引用しています。


1:23

一般に低線量であることから、小児期に被ばくした感受性の高い集団において、将来的に識別可能な発生率の上昇にはつながらない 理由は一般的に線量が低いからです。
放射線被ばくに起因する甲状腺がんの識別可能な発生率の上昇は、30歳あるいは40歳まで、または、生涯において、起こる可能性は低い。
甲状腺がんと診断された多くは、超高感度甲状腺スクリーニングに起因するものであり、放射線被ばくによるものではない。
研究では、先天性欠損症、死産、早産、低い出生体重などの生殖の有害事象の識別可能な発生率の上昇は認められなかった。
避難者の間で観察され、非避難者では観察されなかった、心臓血管、代謝系疾患の有病率の上昇、放射線被ばくの影響ではなく、ライフスタイルの変化と心理的社会的ストレスからの可能性が高い。
救急隊員の健康への影響、現在まで、健康転帰に関する情報はほとんどない。将来的にがん罹患率が識別可能はレベルで増加する可能性は低いと考えられる。

1:24

UNSCEARは独立した国連科学委員会であり、政策立案や放射線防護のための組織ではない。科学的研究、放射線源、被ばく、健康影響とそれらのメカニズムを注視している。

1:26

最後に大事なことは、例えばある集団における甲状腺がんなどのがんの元のベースラインレートを理解することと、ならびにがんを検出するために被爆者や被曝集団のフォローアップで使われている、スクリーニングテクニックの感受性を理解することです。
結論としては、
2020年報告書は、福島第一原発事故による放射線被曝のレベルと影響について、信頼できる独立した最新の評価を行なっている。
主要な調査結果は確固としており、見通しうる将来において大幅に変更される可能性は低い。

2:53 (1:05にも)

UNSCEARでは今年の夏に2020報告書の住民説明会が予定されている 6月末〜7月初めに

以上、甲状腺がんにかかわるご発言のところだけ、わかる範囲で文字起こししました。オンデマンド配信期間中に是非ごらんください。