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細胞レベルで恋してる。

突然白状するけれど、私は面食いだ。
イケメンが大好きだ。

自分の容姿は脚立どころかはしご車を使って棚に上げてもう一度言います。

私は面食いだ。

と。

最近の好きな顔は「ブルゾンちえみwithB」のBことブリリアンのダイキ。(黒髪の方です)

私、黒髪でキリッとして育ちの良さそうな、時代劇に出るとしたら若侍みたいな雰囲気のイケメンが大好きなんです。

今日のネプリーグにブリリアンダイキが出ていて、
「はぁ、カッコいい・・・」
って見つめていたら、隣からも
「はぁ」
と、私によく似たため息が聞こえてきたんです。

母です。

目がハートでした。

「あら?あなたもダイキ好きなの?」

って聞いたら
「ダイキっていうの?好き。」
とテレビから目を離さずに答えた。

「私たち、面食いだよね」
とお互いテレビを凝視しながら話した。

私の母はお世辞にも美形ではないし、その娘の私ももちろん美形ではない。

私「私たち、自分の顔のこと無視して、ほんと面食いだよね。」

母「そうだね。面食いだね。」

私「でも仕方ないと思うの。」

母「なんで?」

私「だってさ、人は自分に無いものを持っている人に惹かれるって言うじゃない?私たちに無いものを彼は持っているんだよ。細胞レベル、いや、遺伝子レベルでそれを欲してる訳よ。私たち。」

母「うまいこというね。でも確かにそうだよね。美女が野獣を連れて歩いてることよくあるものね。」

私「そうだね。よく見るね。でもさ、イケメンがブスを連れているところってほとんど見ないよね。」

母「見ないね。おかしいね。」

私「おかしいね。」

母「何とかしないといけないね。」

私「そうだね。何とかしないとね。」

そんな会話を、テレビから目を話すことなく続けていた。

この様子を客観的に見て、

愛するということは、おたがいに顔を見あうことではなくて、いっしょに同じ方向を見ること

という、「人間の土地」に書かれたサン=テグジュペリの言葉を思い出した。

母と娘は紛れもなく「いっしょに同じ方向」を見ていたからだ。

イケメンも私の顔じゃなくて、私と一緒に同じ方向を見てくれたらいいのになぁ。
と思ったけど、私がイケメンから目を離さないから無理でござるということがよく分かりました。

はぁ、イケメン尊い。

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