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2021年度学生マーケティング研究会⑤第1回中間報告会

すっかり秋めいてきましたね。今回の「中の人」は事務局大山よりお送りします。
先日、12月の最終プレゼンテーションに向けた中間報告会が学生さんから、企業の皆さまへ開催されました。今回の記事では中間報告会の様子とともに、企業の皆さまから総評と今後の期待としてメッセージをお伝えしたいと思います。

■オリエンから1ヶ月。研究の中間成果を発表。
8月21日に行われたオリエンテーション(オリエン時の企業の想いはこちら)から早くも1ヶ月が過ぎました。学生のみなさんはオリエンの後、それぞれ担当するCCCマーケティングからのサポーターとの顔合わせから研究をスタートしています。
オンラインチャット上では、日々学生さんとサポーターとのやりとりが繰り広げられていて、まさに「企画を練り上げているな!」という感じでとてもワクワクしています!
今回ご協賛いただいている、日本を代表するような企業さまの視点でマーケティング企画をする経験はなかなかできないと思うのでぜひ楽しんで進めていければと思います。

中間報告会は9月27日~10月1日で実施されました。オリエンから1ヶ月間で準備したテーマに対する仮説や、チーム独自調査の結果、今後の提案の方向性を学生の皆さんに発表いただきました。1チームずつ企業の皆さまからフィードバックとディスカッションをしていただき、今後の提案に活かしていきます。

この中間報告会の後にはCCCマーケティングが提供するWEB定量調査が待っています。学生の皆さんが調査を設計し、質問紙を作成、実際にT会員の皆さんへアンケートを実施していきます。
一般消費者の方へアンケート調査をする経験が初めての学生さんも多いと思いますが、今回の中間報告でのフィードバックを踏まえて、良い調査にしていきましょう!

■中間報告会の総評
企業担当者の皆さまには、全チームの報告が終わった後に中間報告会の講評とメッセージをいただきました。1ヶ月ぶりに直接学生の皆さんとディスカッションし、どの発表もリアリティかつロジカルな内容だった、とどの企業さまからも言っていただけました!
ここからは企業さま別に、1回目の中間報告会の総評をお送りします。
今回は中間報告会が早かった順からご紹介します!


日産自動車さま:チームによって仮説の出し方、調査する範囲、アウトプットの仕方が異なっていてどのチームも興味深く聞かせていただきました。
今回のテーマの面白いところは、「企画者自身が、企画のターゲット」になっていること。普段自分が考えていることや周りの人たちがどんなことを感じるのか、本人たちのリアルな感覚がとても大切です。定量調査と定性調査でしっかり深堀りして、誰よりも自分たちが一番納得できる提案が一番説得的だと思います。引き続きぜひ期待しています。
※テーマ:「様々な選択肢がある中、Z世代に敢えてEV(電気自動車)を選択してもらうには?」

朝日新聞社さま:どのチームもよく考えていただいていて、非常にレベルが高いと感じました。みなさんが普段の生活で考えていることや、興味のあるサービスの視点が盛り込まれており、大学生のリアルな感覚を企画案として聞くことができてとても興味深かったです。また分析の仕方の中にも学生ならではの工夫がこなされているところもあり、参考になりました。
新しいサービスは「誰の困りごとを解決するのか」を明確にするところから始まります。現時点では定量調査の前の仮説ということで、ここからロジックで裏付けされていくのを更に楽しみにしています。

ゼビオさま:ネットで調べたものだけでなく、店舗や現場に行って調べてきたもの、競合との比較をしながら考えられたものなど、様々な観点でアイデアをぶつけていただきました。我々も新しいことをやる時には現場をちゃんとみるようにしているのでそういったリサーチはぜひやってみてください。
アイデアが多いのはいいと思うので、ここから裏付けして融合しながら絞り込んでいく過程になると思います。提案に昇華されて、自分や自分の周りの人たちが使ってみたいというような店舗づくりやサービスの提案を期待しています。

セブン-イレブン・ジャパンさま:普段は大学生とあまり接点がない分、様々な企画を聞かせていただいて考えさせられることも多くありました。
今回のような幅広いテーマを考える際には提案を受ける側と起案側の想いや思惑にズレが出ないように、提案の入り口をしっかり固めることが重要です。なぜこの企画で進めようと思ったのか、なぜ若者に受け入れられるのか、根拠をもって提案できるようにチームで議論しながら進めてください。
既存の事業にとらわれず、今の若い人からみてコンビニエンスストアの足りないところや、その提案を実現したらどんな素敵な未来が実現できるのか想像しながら、引き続き取り組んでもらえると嬉しいです。

エディオンさま:皆さんの報告を聞いていて感心したのは、分析→インサイトの抽出→調査仮説→アウトプット案というように順を追ってロジカルに流れを組み立てている点です。オリエンでお話した皆さん視点という部分をよく考えていただいていました。ワクワクする、心が躍る点を大事にしていただいているので、これを提案にどう変換するかがこれからですね。ここまではいい感じだったので、「調査をしてから提案を考えます」ではなく、一旦ゴールをつくってそこと入り口をどう繋ぐかを考えられるといいと思います。楽しみにしています!

■事務局が感銘を受けた企業さまからのフィードバック集
 皆さんからの報告のフィードバックを行っていただく中で、企業の皆さまから実務家ならではの、とても大事なアドバイスやご指摘もいただきました。その中から独断と偏見でピックアップしたものをいくつかご紹介したいと思います。
少し抽象的に書いていますが、どのチームにも役立つ内容だと思うので、ぜひ知見は共有化していきたいと思います。

①マーケティングリサーチの視点
・社内外には様々なステークホルダーがいる。そんな組織を動かすために、年代問わず全員が納得できるのは定量的な裏付け。アイデア勝負に見せないためにも、根拠に基づいた企画をしていくことが重要です。(セブン-イレブン・ジャパンさま)

・自身の感覚や仮説と、これから行うリサーチの結果はしばしばギャップが生まれることがあります。仮説が外れるとがっかりするとは思いますが、実はそのギャップこそ面白いポイントであることも多いんです。目を瞑らずに、ギャップこそ面白いと思って深堀りしてみてください。(日産自動車さま)


②マーケティングの企画立案の視点
・現状の課題をとらえて、「こうあるべき論」からサービスの企画をすると会社としても落とし込みやすい。新しいサービスは「誰の困りごとを解決するのか」ので理想像とインサイトが組み合わさると良いサービスになるはずです。(朝日新聞さま)

・概念の言葉はインプットのときはいいですが、調査やアウトプット(アクション)で抽象的な言葉を使ってしまうと失敗してしまいます。消費者はマーケターではないので、表現の仕方、アウトプットの仕方を工夫しなければならない。店頭スタッフも含めてみんなに理解してもらうためにも具体化、言語化は大事です(エディオンさま)

・現場でわかる情報と現場から上がってくる情報は結構ギャップがあることがある。なにか新しいことをやる時はやはり現場の情報をきちんと参照することが大事です(ゼビオさま)

どの課題、どのチームもまだまだ仮説や調査設計が煮詰まっていない部分があるものの、学生目線のキラリと光る報告がたくさんありました。
仮説や調査設計を詰めるところは一番苦しく、しかしとても重要なところだと思います。インタビューや二次データの収集も駆使して、仮説をブラッシュアップし、定量調査に臨んでいただければと思います。
残り2か月、良い企画をつくっていきましょう!

<お問合せ先>
CCCマーケティング総合研究所
学生マーケティング研究会 
担当:財津/大山
gakuseimk@ccc.co.jp