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無線給電の話で盛り上がろうじゃないか

先日、こんなニュースが少し話題になっていた。
コンセントに繋いでいなくても、部屋に入るだけでスマホや家電が充電される部屋の実験公開の話題だそうだ。

こちらの動画を見る方が、イメージがしやすいかもしれない。

この研究自体は数年前から行われていたようだが、かなり実用レベルに近付いてきたなという印象だ。

無線給電/充電は、ここ最近ホットなテーマの一つだと思う。
例えば、スマホを置くだけで充電ができるパッドなんかは、既に一般に販売がされている。

さて、ここからが本題だ。
こういう技術を見て、「無線で充電できるなんて魔法みたい!ハイテクだなあ」と感動するだけではつまらない

元はゴリゴリの物理学専攻マンの自分に言わせれば、無線給電を肴に酒が飲めるくらいワクワクする話なのである。
「無線=便利」で終わらせるのではなく、もっと深く語ってみようじゃないか。

モバイル機器の歴史はバッテリーの進化の歴史である

では、まず簡単な問題を考えよう。

無線かつ遠隔で給電できるようになったら、モバイルデバイスはどんな進化をするだろうか?

答えも簡単だ。バッテリーがいらなくなる。

「え、当たり前じゃん」って思いました?
いやいや、ここはもう拍手喝采ポイントですよ。

携帯電話や音楽プレイヤーが、年々高性能になりながらも、小型化・軽薄化してきたことは言うまでもないだろう。
しかし、それはなぜ可能だったのかを考えたことがあるだろうか。

もちろん、デジタルテクノロジーの進化を語る上で、ソフトや通信の技術の発展というのも無視できないが、
機械を電源から切り離して持ち歩くという点においては、バッテリーの進化無しには、まず実現はあり得ない。

初の携帯電話機である、かの有名なショルダーフォンを思い浮かべてみてほしい。
約3kgもあるあの電話が、なぜあんなにも大きくて重たかったのか。
そう、あの下のデカいやつは全部バッテリーなのである。

そこから今日までの携帯電話の進化を、どうか褒めてやってほしい。
褒めて、ちぎって、褒めちぎり倒してほしい。
計算処理量の高度化・複雑化に伴って、消費電力も増えていく中でも、
電池はより小さく、軽く、薄くなり、それでも一日持ち歩いても充電が尽きないようになるまでに、一体どれほどのバッテリーマスター達の努力があったことだろうか。

だがしかし、やはりそれにも限界はある。
「iPhone 分解」と検索してみれば分かるが、スマートフォンの内部構造のうち、かなりの部分をバッテリーが占めているというのは事実である。
近年、iPhoneは画面の大きい新モデルを積極的に売り出しているが、「画面を大きくして利便性を上げるため」というのが建前で、実際のところは「高度な処理で電力をたくさん使うからバッテリーも大きくしないといけない」というのが本音だったりする。
できるだけ無駄に電力を消費しないように、計算や通信を少しでも効率良く行う工夫がなされてはいるが、もしもそれを考える必要がなくなったらどうだろうか?

つまり、部屋にいるとき、街を歩いているとき、電車に乗っているときに、
都度、必要な分の電力が「どこか」から勝手に供給されるようになったとしたらどうだろうか。


未来のモバイルデバイスの姿を妄想してみる

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