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努力と成長に関する数学的考察 その3

努力と成長の関係を、無理やり数学的に説明するシリーズ第3弾です。
前回の記事は、こちらからどうぞ。

成長と努力のロジスティック曲線は、次のように表すことができました。

y = K/{1+α exp(−rx)}

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今回は、限界値 K の意味について考えてみます。

どんなに努力の質が良くて r が大きくても、どんなに初期値 P が高くても、Kが存在する限り、それ以上成長することはできません。


企業の成長を例に考えます。
アメリカには、GoogleやAmazon等、日本企業よりも大きく成長している会社が多くあります。
その違いは何でしょうか。

市場規模は、基本的にアメリカの方が大きそうですが、グローバル展開も視野に入れるなら、物理的要因に基づく理論上の限界ポテンシャルは同じはずです。
K を決める要素には、働く人の潜在能力や、法律等も関係すると思われますが、限界値を世界規模で考えるならば、やはり理論上の限界値はほぼ変わらないでしょう。

アメリカの企業が、限界値 K を変えてしまうのは、ある制約を外せるからです。
その「制約」とは、常識ルールというものではないかと僕は思います。

この変化が、パラダイムシフトと呼ばれるものなのではないでしょうか。
ある t において非連続的に限界ポテンシャル K が K' にアップデートされるような何かが起きたとした場合、曲線は次のようになります。

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日本人の多くは、ルールは偉い人に決められるものであり、自分達で変えられるものではなく、ルールの中で行動するべきだと考えます。

しかし欧米では、自分達の声によってルールを変えるという、民主主義の考え方が比較的強くあります。
そのため、ビジネスでもスポーツでも、欧米人は自分達に有利なようにルールを変えるために働きかけます。

もちろん、全ての人に当てはまるわけではないですが、こういう文化的な違いは、いろんな場面で見受けられるように思います。

外部環境による限界値を変えない限り、どれだけ努力しても、どこかで成長が頭打ちになってしまうことを、欧米人は理解しているのかもしれません。


前回と同じように、限界値 K は時間に比例して減少するとした場合には、パラダイムシフトを起こせるかどうかで、曲線はこう変わります。

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持続的に成長するためには、継続的にパラダイムシフトを起こす必要があると考えられます。


かなり抽象的な話になってしまいました。

とにかく、成長が鈍化してきたと思ったときに、今の環境、今のやり方で成長を阻害している要素は何なのかを、よく考える必要があります。
そして、変えることのできない外部環境の制約だと思い込んでいたものを、本当に取り払うことはできないか、問い続ける必要があります。

それまでの常識の枠が外れた瞬間に、パラダイムシフトが起きます。
継続的なパラダイムシフトを起こせない限り、持続的な成長は望めません。


次回も続きます。
初期ステータスが高い天才を、努力で追い抜く方法を考えます。


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