仕事術

フレームワークは「分ける」だけのツールじゃない

ビジネスで使われるフレームワークは、3C、4P、PEST、SWOT、5Forces等々、山ほどある。
これらのフレームワークは、「モレ無く、ダブリ無く」分けて整理することで、思考や議論を整理するための仕切り方、すなわち枠組みである。

って、そんなこと誰が言ったの?

僕がやりました。 反省してます。

このMECE、フレームワークを使うときの基本中の基本の考え方ではあるのだが、これだけでは、まだやっとスタートラインに立っただけに過ぎない。

それだけでは、使いこなせるとは言わない。
モレ無く、ダブリ無く整理して、客観的に、把握できるだけだ。
いやきっと、把握できた気になって、「で、この後どうすればいいの?」ってなる。

と言うことで、いくつか持っておくといい視点や考え方を。

1. 変化を考えてみる

例えば、5Forces分析

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マイケル・E・ポーターが提唱した分析手法で、
業界を取り巻く5つの競争要因(5つの力)から、業界の構造を整理し、その業界の魅力度を分析する業界分析フレームワークだ。

新規参入業者の脅威(Threat of new Entrants)」
代替製品・サービスの脅威(Threat of Substitutes)」
買い手の交渉力(Bargaining power of Buyer)」
供給業者の交渉力(Bargaining power of Suppliers)」
業界の既存の競合他社(Rivalry among existing Competitors)」
という、5つの力に分けて考える。

ここまでは、調べればすぐ分かる。
で、これを単なる穴埋め問題で終わらせないために、変化を考えてみる。

「この構造は、この先どのように変化するのだろうか?」
「この構造は、これまでどのように変化してきたのだろうか?」

これは、5Forces分析以外にも言えることで、その変化を考えてみると、
単なる整理・把握で終わっていたものが、実のあるアウトプットに繋がる材料へと変わるかもしれない。


2. 軸をストックしておく

意識高い系学生が大好きなフレームワークのひとつ(※個人的な見解です)に、SWOT分析という有名な分析手法がある。

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個人や組織について、「強み (Strengths)」「弱み (Weaknesses)」「機会 (Opportunities)」「脅威 (Threats)」 の4つのカテゴリーに分けて要因分析をすることで、
俯瞰的に現状把握をしたり、リソースを最適分配したりするための分析手法だ。

これをもとに、「強み×機会」「強み×脅威」「弱み×機会」「弱み×脅威」の4つのセグメントに分けるクロスSWOT分析を行って、戦略の策定をすることも多い。

SWOT分析を覚えたての人は、なんでもかんでもこれに当てはめようとすることが多い気がするのだが、本当にこの分け方しか無いのだろうか?
いつでもSWOT分析が最適なフレームワークだとは限らない。

SWOT分析は、「内的要因/外的要因」と「ポジティブ/ネガティブ」という2軸によって、4つのカテゴリーに分類している。

このように、複数の軸によって要素を分類し、行×列の形に整理する分析手法をマトリックス分析というが、SWOT分析はあくまでそのひとつでしかない。
軸の置き方は、別に「積極的/能動的」と「長期的/短期的」でもよくて、分け方も、2×2じゃなくて3×3でもいいはずだ。
そのときの目的に応じて、どんな軸をどうやって置くかで結果は全く変わってくる。

だから、軸として使える概念の組をたくさんストックしておくといい。

「高い/低い」「質/量」「客観的/主観的」「ハード/ソフト」「有能/無能」「原因/結果」「過去/現在/未来」「上位2割/中位6割/下位2割」等々。

使えそうな軸をたくさんメモして自分のものにしておけば、いろんな角度からの分析が可能になり、
ちょっとした思考の整理にも、適した軸を組み合わせてMECEに分けて考えられるようになるだろう。

持っている軸の数だけ、思考は深くなる。


3. バイアスを外してみる

いろんなフレームワークの使い方について調べてみると、「これによって客観的に整理できる」なんて説明が出てくることが多い。

そんなわけ無いだろ。

自分で勝手に情報を取捨選択をして、自分で勝手に各要素を分類しているのだから、バイアス(偏見・先入観)だらけに決まっている。
だから、フレームワークの“穴埋め”が終わったら、次はそれを疑ってみよう。

「これは弱みに分類したけれど、見方を変えたら実は強みなのではないか?」
「ここの因果関係は、実はなのではないか?」

結局、示したい結論が先にあって、それを根拠付けるために都合よくフレームワークを後付けしてしまいがちだ。

必ず、作ったフレームワークを一度疑ってみる。
ある要素を、別のところに移動してみる。
全く逆の内容に書き換えてみる。

バイアスを外して、本当の意味で客観的に考えることで、より広くて深い分析ができるだろう。


世の中に存在するフレームワークは、便利ではあるが、決して万能ではない。

今回上げたような考え方を参考にして、自己分析や戦略策定、プレゼンテーション等、様々な場面で、役立つ武器としての意思決定サポートツールとして、使いこなしていただきたい。

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