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努力と成長に関する数学的考察 その2

前回の記事の続きです。

成長と努力のロジスティック曲線は、次のように表現することができました。

y = K/{1+α exp(−rx)}

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前回、成長曲線の前半について考えてみたので、次は後半について考えてみます。


環境は同じ、努力もずっと同じように積み重ね、少しずつでも成長を続けている。
であるのにも関わらず、このモデルでは、努力を続けるにしたがって、途中までは順調に成長していたのに、だんだんと成長が鈍化します。

この状態は、過去成功した経験のある大企業や、中高年のビジネスマンによく見られるように思います。

限界値 K は、x→∞ のときの y の極限なので、K を決める要素として考えられるのは、外部環境努力の方法でしょうか。
その環境で、そのやり方を永遠に続けても、「絶対に超えられない壁」なるものです。

一方、r は y の増加率、つまり成長率を決める係数でしたから、r を決める要素として考えられるのは、努力の密度(単位時間当たりの努力量)とその人(ないしはチーム)の飲み込みの速さ、つまり吸収力です。

では、外部環境は常に普遍だと仮定しましょう。
その上で、一定の吸収力のチームが、一定の密度で努力をこつこつ積み上げるとします。

であるとすれば、成長が鈍化するのは「やり方が同じだから」です。
なぜなら、その努力の仕方には固有の限界値があるからです。

ある段階までは、同じやり方で努力を続けていれば、急激に成長を遂げることができます。
しかし、仮に外部環境が変わらなかったとしても、同じやり方を続けていては成長を続けることはできないのです。

過去の成功体験に縛られてはいけないというのは、こういう理由です。


では、外部環境が変化するとした場合はどうでしょうか。

r は一定だとします。
このとき、外部環境の絶え間ない変化により、限界値 K’ が時間 x に比例して減少すると仮定してみると、成長曲線は、図のオレンジの曲線のようになります。

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ある段階までは、環境が変化していたとしても、同じやり方のままで大きく成長することができます。
しかし、それを続けていれば、ある段階で成長が鈍化するどころか、衰退が始まります。

過去に成功した戦略を同じように続けているのに、優れた大企業が突然落ち込んでしまうのは、こういうロジックです。


今回のまとめになります。

・同じやり方のままでは、成長をずっと続けるのは不可能。
・過去の成功体験に縛られてはいけない。
・環境の変化に気付き、柔軟に変化する必要がある。

せっかくなので、次回も引き続きロジスティック関数で遊んでみます。


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