第2回逆噴射小説大賞が開催されています。

募集開始から5日と13時間が経過し、エントリー作品は154本、参加者は92人に到達しました（10/12/1300時点で上記マガジンに未収集の記事は集計していません。またヒューマノイドが指折り数えているので正確性は保証しません）。

マガジンにはピックアップ記事や期間以前の投稿も数本含まれているため、集計には誤差があります。それとは別に【続く】が欠けている記事が散見されますので各位お気を付けください。

エントリー数は比較的抑制されています。これは審査側の過労・心労死を防ぐため、前回から募集要項と応募本数の規定が変更された影響だと考えられます（400字→800字、24本→5本）。

現時点では余力を残している参加者が大半。

新規参加者も少なくないが、初動では前回複数本投稿した参加者が多かった。

しかし規定の変更から必然的に、作品一本ずつに込められた熱量は情報量2倍×濃度4.8倍=9.6倍となったため、エントリーマガジンは前回以上にハイカロリーな作品が集まるパルプホットスポットと化しています。ここはMEXICOの荒野、一人で戦うしかないが、一人で生きるには過酷すぎる……。

よって今回も、他の読み手への道案内と書き手への感想を伝える場、そしてなにより自分自身が何を面白いと感じるかの備忘録を兼ねた、ピックアップ記事を書くことにしました。前回同様スキ数、PV数は選考に一切影響しないので、どんどんやっていきましょう。前置きは以上です。

mktbn個人的備忘録:1011昼収集分まで

『求む！最強のたまごかけごはんの作り方』
タイトルから一行目の跳躍が距離、角度共に図抜けています。バーリトゥードアクション／学園コメディ／超常存在との契約というエンタメの王道を四方八方に邁進する情報量も凄まじい。

マグマに咲く花
一行目から未知の用語が出てくるのにとても読みやすい、間違いなく本物の小説。立ち読みで見つけたら買うやつ。通底する花の色と香りの描写が美しい。

センダイ・グレイブ・ブレイカーズ
流れていく情景が素敵。登場人物の関係性に濃密なドラマがありそうで、ここでは語られない奥行きが気になります。

九十九神の万事屋さん
不穏な作品が並んでいることもあり、ポップな内容が際立って楽しい（俺は審査員ではないので独立性を勘案する理由がない）。なるほど大変だ、と実感できる締め方がとても好きです。

柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
絶対おかしいのに説得力がある。相模原には新陰流協会の本部道場があるらしいですよ。

まなこの魔女
色調を抑えた画面が目に浮かびます。舞台の特異性も印象的。

クトディガリヌの告解
とにかく強烈な用語の嵐から、風がピタリと止む様な最後の一行。反芻したくなる余韻があります。

東洋決死圏
個人的に古川日出男訳『平家物語』を読んでいる最中ということもあり、語りの鮮やかさに心打たれました。沙也可の存在証明を見届けたい。

0と1のマヨイガ
サイバーパンク！　暗い部屋でディスプレイの明かりだけに照らされた少女！

21%
サイバーパンク！　極限にクールなタイトル！　基板を食う髭もじゃのおっさん！

幸せの大輪
読者全員が同じ感想を抱くことになる。これはすごいことです。

今回は以上です。引き続き頑張っていきましょう。

以下雑感（完全に個人の感情でしかないので無視してください）：募集要項記事にもありますが、個人的にもタイトルに本気を感じる作品が好きです。あと今回は特に、綺麗に導入が終わる作品よりいかにも次の一行がありそうな作品に引かれている気がします。おそらく800字という文量から、普通に一本の小説を読む精神状態になっているのだと思います。