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わたしの就活体験談③ 〜病院薬剤師の現実〜


前回まで

就活の途中で方向転換し
結果、新卒では病院薬剤師として働き始めた

ところまで書きました。

 

その後、病院薬剤師としては
3年3か月働いて

退職し、転職して
現在は調剤薬局で働いています。

 

今思えば

就活生の頃の自分の考えと
病院も薬局も経験した今の自分の考えは

全然違っているなと感じます。

 

前回の記事の
・病院を選んだ理由
・薬局を選ばなかった理由

を、就職後の経験を踏まえながら
突っ込み倒していき、笑

就活当時と今の考えの違いを
お伝えできればな、と思います。

 

※ もちろん、わたしは
病院・薬局それぞれ1か所ずつしか経験していないので
これが一般論ではない、とお考えください。

 

まずは
『就活時、病院を選んだ理由』から。

 

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【いろんな診療科があるので、勉強できそう】

→それは言えている。が、環境と自分次第。

 

病院では、いろんな診療科があって
院内にある薬の種類も多岐に渡っていました。

珍しい薬や、めちゃくちゃ高額な薬
特殊な使い方をする薬があったりと
学ぶことは、とてもたくさんありました。

この経験は、いま薬局で働いていても
たまに役に立つことがあります。

 

病院では、勉強会もたくさんあっていました。

でも、その内容は
上の人やほかの人が決めたものばかり。

自分の知りたいことを深めるなら
自分で調べて勉強するしかない、という感じでした。

 

しかし普段の仕事中は、忙しすぎて
ゆっくり調べ物する時間はあまりなかったように思います。

(やるなら時間外の自己研鑽)

 

先輩に訊こうにも、みんな忙しいから
緊急性・重要性の高いことしか訊けず……

(しょうもないこと訊いたら怒られそうな感じ)

 

周りがどうあれ、与えられる環境がどうあれ
自ら調べて学んでいく能力が
もうちょっとあれば良かったのでしょうが

日々の激務の中で、そこまでする気力もなかった……
というのが正直なところです。

 

今の薬局のほうが
自分の知りたいことについて
メーカーさんに勉強会を頼めるし

殺伐としていないから、笑
先輩にも何でも訊きやすいです。

 

もちろん学べる内容は
病院と薬局で全く一緒、とは言えないでしょう。

 

「何を学びたいか」が元々あるなら
そちらを優先すればいいけれど

そんなに「これ!」というものが無いわたしには
『自分に少し甘くても、学びやすい環境』
のほうを、今なら重要視するなと思います。

 

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【急性期だと、変化が大きくておもしろそう】

→そうでもなかった。

 

病院は、急性期になるほど
患者さんの在院日数が短いです。

それは国の方針でもあるため
どんどん短くなっていっています。

 

そんな急性期の病院への入院目的は
主に手術や化学療法の導入。

さらに、それらは
ほとんど決まった"クリニカルパス"の中で行われます。

 

クリニカルパスの中では
やる検査も、やる処置も、処方する薬も
だいたいセットで決まっています。

そのため
『薬剤師として患者さんの異変に気付いて華麗に対処する!』
という、ドラマのようなシーンはあまりなく
基本的に決まったパスをこなしている感じでした。

 

さらに、手術や化学療法など
ある程度済んだらすぐ転院・退院。

残念ながら、その後の経過を追うことはできません。

 

わたしは病院薬剤師2年目で
病棟業務も少し経験しましたが

担当したのが整形外科だったこともあり

ほとんどの方が
手術→少しリハビリ→すぐ転院 で

薬剤師として介入することは
中々できませんでした。

 

薬剤師っぽいことしたなあと、印象に残っているのは
・腎機能低下患者の手術時の抗生剤の投与設計
・人工関節置換術後のリクシアナ予防投与の服薬指導
くらいでしょうか……

 

持参薬についても、ほとんどそのまま継続。

手を加えたのは
カルボシステインが謎に長期処方されていて
患者さん本人も「いらない」と言ったため
中止提案したくらいでしたね……

あとの薬は
「かかりつけの先生がなんで出したか分からないけど、とりあえず継続で」
と言われることのほうが多かったです。

(ポリファーマシーとは……)

 

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【スタッフの人数が多いから、合わない人がいても、同じだけ合う人もいそう】

→たしかにそうだけど、合わない人が少数でもいるのが苦痛。

 

わたしのいた病院は、薬剤師60名ほどいて
それはそれは、いろんな人がいました。

「大好き!一生仲良くさせてください!」と思う人もいたし
「まじで理解できんわ」と思う人もいました。笑

でも結局
合わない人とも仕事しなきゃいけないし
そういう人に限って思った通り仕事してくれないし
……心が折れました。ポキっ

 

で、せっかく相性の良い大好きな先生とも
いつも愚痴みたいな話ばかりになってしまって

「わたしどんどん性格悪くなってる気がする……こんなはずでは……」
と感じていました。

 

わたしが、もっと鈍感で、何事も受け流せる性格なら
良かったのかもしれませんが

どちらというと、繊細で感受性高めな方なので
ちょっと無理がありましたね……

 

結論:合わない人がいない職場がいちばん!

 

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【「病院のほうがいい」という大学からの刷り込み 笑】

→これは本当に最低な偏見。

 

就職実績がよく見えるのか
先生同士の大人の関係なのか
知らないけど

下手したら、学生さんの将来を棒に振るなど
悪影響及ぼすから、やめたほうがいいと思います。

 

人によって合う・合わないはあるし
それを就活生自身で見極められる場合はいいけど
うまく見極められない人もいると思います。

 

こんなわたしも、病院辞める前は
胃痛でタケキャブ飲んで
夜眠れなくてデパス飲んで
心療内科にいったこともあった。笑

あそこで、取り返しがつかなくなる前に
辞める決断ができてよかったけど

 

あの時期に決断しきれなかったら
わたしにもうちょっと図太さが足りなかったら

もっと大変なことになっていたかもなあ、
と思います。

 

薬学生が、卒業後に活躍できる場は
なにも病院が1番ではないし

病院でもいろいろ、薬局でもいろいろ
さらに、臨床以外の道も多くある。

 

それらを理解した上で
就活生本人の気持ちを聞き出して

より良い方向へ導いてあげられる
そんな大人が増えればなあ、と思います。
(少なくとも自分はそうありたい)

 

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【うまくいけば、院内の治験に関わることができそう(=薬の開発に関わるという夢も叶えられる)】

→実際、うまくいかなかった。

 

わたしの病院は、薬剤部の中でも
細かく部署に分かれていて
それぞれの担当業務がありました。

治験に関わる部署も
調剤や病棟業務とは別にありました。

 

わたしの病院での3年ちょっとは
ずっと内服・外用薬の調剤をする部署でした。

治験への異動希望を出していたけど
いろんな大人の都合もあり、叶いませんでした。

 

何年も待てば
いつか異動できたかもしれないけど

その前に自分の心身が限界に達したので
諦めてしまいました。

 

ちなみに、前回の記事に
「臨床経験もないのにCRCをやるのは違うと思った」
と、ちらりと書いていましたが

これは後から考えても正解だったなと思っていて

 

臨床での薬の使い方
病院内での他職種との関わり方
患者さんへの関わり方
などなど

これらを全く知らずに、いきなりCRCをやっても
うまくいかなかったなと思います。

 

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振り返ってみると
就活当時、病院に期待していたことは
わりと期待外れに終わっていました。笑

 

書ききれないだけで
もちろん、得たものもたくさんありますが……

 

長くなったので、次回は

『就活時、薬局を選ばなかった理由』

について、
現在感じることを書いていきます!

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