#6.不安視される"メタバースビジネス"の行方… VRの身体拡張性と社会の関係は?
日本経済新聞は12月7日、暗号資産交換業者のFXコインなどが、週内にもメタバースの業界団体「一般社団法人日本メタバース協会」を設立すると報じました。
同協会は世界の動向を研究するほか、官公庁とのコミュニケーションを深め、日本企業がメタバース市場で活動しやすいよう地ならしすることがねらい。設立後は、仮想空間におけるデジタル資産の所有権などの課題整理を進めていくとみられています。
一方、SNSなどでは「利権争いなのでは」という懸念も。また、この分野に参入するスタートアップ企業などの「若い芽を摘むことになる」という不安の声も上がっています。
大きな可能性を秘めながらも、現実社会とどのように相互作用し、人々に活用されていくかは未知数のメタバース。実際、Facebook改めMetaは、同社のVR・AR部門であるFacebook Reality Labs(フェイスブック・リアリティ・ラボ)は「今後10年は収益を生み出さないだろう」と認めているほど、まさに「誰にもわからない」領域なのです。
そんななか、東京大学 先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授はSNSを更新。メタバースが単一の巨大仮想空間ではなく、多元的な「マルチバース」として活用されることに期待しつつ、VRによる身体拡張性と社会のかかわりについて過去の学会誌を引用して紹介しました。
ちなみに、稲見教授は、昨日ご紹介した読売新聞一面記事「仮想空間で拡張する『私』…メタバース、痛みも再現」にも登場。VR・AR技術、ウェアラブル技術、ロボット技術、テレイグジスタンスなどを、身体にフォーカスしながら横断的に研究する「人間拡張工学」の第一人者です。
Reference:日本経済新聞、東京大学 先端科学技術研究センター
Top Photo:Wengang Zhai on Unsplash
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