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【MIA】Luis Arraezを獲得!

(サムネイルはMarlins公式アカウントより引用)

充実している先発投手陣を駒にしたトレードを模索していたマーリンズ、ついにトレードが成立し、ツインズのLuis Arraezを獲得しました。

今回もグダグダ書いてしまっていたので、まとめ画像を作ってみました。

今回のトレード概要(画像はMLB.comより引用)

AL首位打者を獲得し、打線の大幅な強化に成功

Luis Arraez年度別成績 出典:Baseball Reference

Arraezは2019年にデビューで、25年オフFA。21年を除く3年間で打率3割以上をマークし、22年は首位打者を獲得。一方で本塁打はMLB通算14本と、典型的な巧打者タイプですが、安定した成績を期待することができます。
MLB Savantの指標を見ても、ハードヒット率やバレル率は低いながらもとにかく空振りが少なく、三振率は7.8%であることからも巧打者であることがよくわかります。
この傾向はデビュー以降変わらないことから今季も変わらぬ活躍が期待でき、打線の強化を実現出来ました。
マイナー時代に右肘靭帯断裂の大けがをしたこともあり、スピード面には期待できないものの、平均以上の四球をとれることもありリードオフとしての役割も期待できそうです。

Arraez主要指標 出典:BaseballSavant

守備面に関して、2022年は1B(65試合)、2B(41試合)、DH(38試合)、3B(7試合)で出場。内野をユーティリティに守れる面は魅力です
(2022年は機会がなかったものの、過去にはSS、LFでも出場)。
1Bは2022年から守り始めており、それまで主に守っていた2Bは通算DRS-1とマイナスですが、
19年:-9 ⇒ 20年:+2 ⇒ 21年:+2 ⇒ 22年:+4
と改善傾向にあります。

2番手Lopezを放出も最小限の駒で成立

2022年TDLあたりから噂のあったPablo Lopezのトレードですが、マイナー2選手を加えた1:3でのトレードとなりました。
Lopezはマーリンズの2番手として活躍。2021年は怪我による離脱があったものの、今季は怪我無くシーズンを過ごすことができ、180イニングに到達。
先発3-4番手クラスながらも市場からの人気は高く、前述のようにTDLにはNYYのGleyber Torresとトレードの噂され、今シーズンも複数球団との交渉が進められている情報がありました。
Jose Salasはチーム内プロスペクト5位の19歳。内野手SSを中心に2B、3Bを守ることができ、将来的には3Bへの転向が予想されていました。今季は.250/.339/.384で、OPS.723を記録していました。
Byron Chourioは22年1月に契約した17歳のドミニカ出身外野手。今季はドミニカリーグで.344/.429/.410で、OPS.838を記録していました。

強力な先発投手陣は維持

チーム内プロスペクトで上位に位置しているSalasを放出しましたが、最小限の駒でうまく成立させた印象です。
マーリンズはサイヤング賞を受賞したSandy Alcantaraを除く全選手がトレード対象になり得る旨の発言をしていました。
その中でも多く報道されていたのは、長期保有できるEdward Cabrera(28年オフFA)とTrevor Rogers(26年オフFA)でした。24年オフFAのLopezの放出に留まり、今季成長を見せたCabrera、ハウンズバックも期待できるRogersをキープできたのは大きいです。
また、現在トミージョン手術やリハビリ中ながらもトッププロスペクトクラスの先発投手も控えています。
このことから、長期間にわたって強力な先発ローテーションを形成でき、かつ必要に応じてトレードの駒として放出することで層の薄いリリーフや、昨年の成績から不安の残る外野両翼の強化も見込めます。

Salas放出は痛くない?

Salasに関しても、先日のMiguel RojasのトレードでJacob Amayaを獲得した他、今シーズン昇格が見込まれるXavier EdwardsJordan Groshansも控えていることもあり、大きな問題にならないのではと認識しています。
(もちろんプロスペクトが期待通り成長するとは限らないので、多くいるに越したことはないのですが…特にEdwardsと、チーム内プロスペクト3位のKile Watsonが今季自分の思った以上の成績を残せていない点は不安)

Rojasのトレードの際は、プロスペクトを獲得したことから今季はそこまで勝負に出ないのか…とも思ったのですが、今回のトレードで個人的にその意図がわかった感じがあります。

ロースターに与えた影響

Arraz獲得で課題だった1Bの補強に成功、さて後はCFを…と思っていたら

…ほう、まさかのJazz Chisholm jr.をCFへコンバートですか。
最初見たときは、「は?何考えとんねん、彼は2Bでこそ輝くんじゃないの!?」と思いましたが、なくはない選択とも思えます。

CF問題を解決!?

攻守でインパクトのある活躍を見せるChisolm Jr.ですが、レギュラーに定着したここ2年間は相次ぐ怪我によって十分な試合数をプレーできていません。2BからCFへコンバートすることで守備の負担、怪我のリスクを軽減させ、安定した試合数の出場を目論んでいるのではないでしょうか。

CFの補強は、今オフの課題の一つでした。
(詳細は前回の記事をご参照ください)
身体能力の高いChisolm Jr.であればCFの役割を十分にこなし、かつ打撃面でも貢献することが期待できます。以前まではBryan De La Cruzの起用が予想されていましたが、LFとしてJesus Sanchezとの併用となりそうです。

本人も前向きのようですね。

Chisolm Jr.がうまくCFをこなせることが前提ですが、うまくいったら打撃力向上と安定したCFの獲得、両方の課題を解決出来そうです。

柔軟なオーダー編成が可能に

このコンバートにより、併用を予想していたGarrett Cooperを1Bで固定することができます。
が、彼は怪我が多いことで有名。シーズン通しての出場は期待していない難しいでしょう。
その際にはArraezを1B、Chisolm Jr.を2B、De La CruzをCFにすることで大きく攻撃力を落とさなくすることもできます。Chisolm Jr.の負担を軽減することに矛盾が生じてしまいますが…
もし彼をCFで固定するのであれば昨年盗塁王のJon Bertiを2Bで起用、Groshansを3BにしてSean Seguraを2Bに、なんてことも考えられそうです。

Arraezが2Bを"かなり"守ることになるだろうと言っていることから、CF固定の可能性も非常に高いです。

2024年以降も安定したロースターを組める可能性

23年終了時点でFA予定なのはJoey WendleCooperDylan Floro
特に今シーズン正SSとしての活躍が見込まれるWendleが抜けるとなる点をどうするかがポイントです。
恐らく今オフ獲得したAmayaXavier Edwardsの定着に期待することになるのでしょうが、うまく行かない場合はChisolm Jr.のSSコンバートや、SeguraのSS再コンバートも考えられます。
Cooperの穴も元々想定されていたArraezが1Bにつき、25年オフFAのBertiが2B、又はChisolm Jr.が再度2Bにつくことでとりあえず形を保つことはできると思います。
Chisolm Jr.が内野に戻ったら結局CF問題が再燃するんじゃないの?というツッコミはあるかと思いますが、とにかく柔軟性が増してきそうな点をお伝えできたらと思います。

今オフの今後の動向

22年オフ動向(追記版)

既に述べている通り、1Bとしても起用できるArraezの獲得、それに伴うChisolmCFコンバートで打線の強化、コアとなるCF獲得という課題解決を目論んでいます。勝負に出るのであれば、リリーフ投手の獲得が優先的になるかと考えます。他チームからオファーが多いとされているCabreraRogersの動向には引き続き注目です。

総括

LopezSalas放出で25年まで保有可能なAL首位打者を獲得できたのは個人的には大きいと思います。これにより今シーズンも十分に勝負できそうな感じはしてきました。

…とは言っても、今までの考察はポジティブ要素満載かつ、簡単にコンバートが成功すると仮定したパワプロ脳でのものです(しかも、コンテンダーになるにしてもリリーフが弱い)。
実際、DRSでプラスをたたき出しているChisolm Jr.をCFにして、打撃に特化した構想には疑問符がまだ少し残っているのが個人的な感想です。
(シーズン始まったら早々に1B Arraez、2B Chisolm Jr.にしてもええんやで…)

しかし、23年も楽しみになったのも事実ですので、今年のマーリンズを信じて応援したいと思います。

【最後に】Lopezありがとう

21年は怪我で離脱しながらシーズン終盤には復帰し、22年は見事180イニングも投げてくれたのは感謝しかないです。Alcantaraとの2枚看板が見れなくなるのは寂しいけど、新天地での活躍を期待しています。

引退後は是非チームドクターとしてマーリンズに戻って助けてください。
※Lopezは両親ともに医師。本人も指名されなければ医学部進学予定だったエリート

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