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【長島】高校のない町に高校をつくる

学校のない町

全国で高校のない自治体数は433団体あり、全体の4分の1に及びます。人が住んでいる離島では261つある島のうち27島にしか高校はありません。

高校のない町では、町の外の高校に進学します。通学に時間がかかったり寮に入ったり、いろいろなケースがあると思います。

高校のない友人離島では、「島立ち」と言って、進学とともに町から出ていきます。さらに、さまざまな理由で全国で年間約500校の学校が廃校になっています。

長島町でも12年前にあった「長島高校」が廃校になり、進学とともに町外に出ていく子どもたちが多くいます。

学校のある町では、「高校魅力化プロジェクト」など、地域の特色を活かした教育をもって地域に人を集めることに取り組んで成功している町も多くあります。

長島大陸Nセンターの取り組み

「学校がないなら、学校に変わる場所をつくろう」といって作ったのが、長島大陸Nセンターです。役場最上階にあるこの施設は、カドカワドワンゴが出がける通信制のN高等学校と連携して、通信教育で高校卒業資格がとれる環境を整えて、勉強のサポートができるチューターがいて、授業はネットでうけて、他の時間を地域の仕事だったりに関われる環境を整備しました。

すぐには、通わない

しかし、環境を作っても、通信制教育にいきなり通う生徒は現れませんでした。ニーズは健在化していなかったのです。

そこで、地域の子どもたちが学べるプログラムをやったり町外から高校生をあつめることで年間約100名の子どもたちが長島町に勉強しに来てくれました。これも、予算があったからできたことで、持続的な活動とはなりませんでした。

そんなこともあって、私達は実行的な組織として、地域おこし協力隊有志で法人を立ち上げました。それが長島未来企画合同会社です。

高校生が移住してきた

2017年11月に、東京の女子高生が移住してきてくれました。長年の知人のお子さんが、東京の学校が合わず、地域で学ぶことを本気で考えた結果でした。

 島々が連なる鹿児島県北西部の長島町に今秋、東京から女子高校生が移住した。通学時間の長い東京の学校に足が向かなくなった高校2年の白鳥優季(ゆうき)さん(17)。島に高校はなく、教育拠点「長島大陸Nセンター」で学びつつ、水産業を手伝う。「自然にあふれ、人も温かい。島暮らしもいいかな」。一緒に移住した家族とともに生き生きと、新天地で根を張りつつある。----2017年12月25日 西日本新聞

彼女の活動は注目を集め、徐々にいろんな学び方ができることが周知されてきました。

つくりたいのは、世界のいろんなところで学ぶ教育環境

全国をみると学校はこれからもどんどん減っていくと思います。地方の子どもたちが都市部の学校に進学することはいいことだと思います。この地方から都市の流れはいいのですが、その逆の都市から地域へ学びに来ることが当たり前になり、そして地方と都市の次の世代が一緒に学んだり、仲間になったりすることが大切なことだと思っています。

滞在して学べる”居場所”をつくる

高校生活3年間を、全国のいろんな地域でその地の暮らし、課題や取り組みを知ることができたら素敵だなと思いました。3年間は36ヶ月、1ヶ月ずつ移動しながら学ぶ、都市も地方も海外もいろんなところで学ぶ。やろうと思えばすでにできるソリューションはあると思うのです。

(改修前の古民家の様子)

私達は、トヨタ財団の助成をいただき、長島町に滞在して、地域の仕事と生活を体験しながらまなべる環境をつくっています。具体的には、古民家を改修して、長期間滞在できる”居場所”を作っているのです。そのための施設も手に入りました。これから場所づくりを進めていきます。

一緒に学ぶ環境をつくる仲間をあつめたい

長島町の地域おこし協力隊として、こういった取り組みを一緒に進めていくメンバーを募集しています。

滞在型施設をつくったり、仕事体験プログラムをつくったり、そこを運営したり、そこを広げたりする仲間を募集中です。

もちろん、長島に移住して活動するのでなくても、都市の子どもたちに紹介してくれる仲間も募集しています。

草ベンチャーのようなものなので、この移住ドラフト会議でそんなことに取り組みたいという方がエントリーしてきてくれると嬉しいです。

文責:土井

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