Bailar sólo no es bailar

画像1 ふたりでシャワーを浴び、ふたたび横になる。ことがおわり、いつしか眠っていた。背中に動く気配を感じ、そっとまぶたを開ける。薄明かりの部屋を写す鏡には寝ぼけて緩みきった俺の顔、目が合うと驚くほど気まずかった。そして、かすかに聞こえるうめき声の彼方、たるんだ中年腹の背後で、抑えながらも確かに震えるもうひとつの身体がある。それに気がついた瞬間、息を呑んだが、即座に殺して身体の動きを止めた。しかし、もうひとりの俺は激しく興奮し、動悸も止まらない。先ほどとは比べ物にならないほど力強く起き上がろうとしていた。
画像2 密かな愉悦は背中から染み渡り、激しく揺さぶり、猛り狂う。幸い、俺は右手を上にしていた。抑えがたい情動は口の中も喉も干上がらせ、呼吸はおさえようもないほど鋭く、激しくなっていく。下唇をかんで身体の動きを止めた時、くぐもった声が留め金を外した。太ももと腰の動きが背中に伝わり、俺の右手を後押しする。最初は密かに、もはやあからさまなベッドのうねりへ紛れ込ませるように、そっと腕を動かし始めた。やがて、挑発するかのように激しい波が押し寄せ、はっきりと鋭い嬌声が響く。まもなく俺も欲望を解き放ち、枕元へ手を伸ばした。
画像3 そこには、もうひとつの手がある。自分でも驚くほど粘ついた指先をあわてて引っ込めたら、穏やかに「大丈夫、拭いてあげる」と乾いた薄紙の感触に包まれた。照れくさそうなクスクス笑いの向こうから「したあとでするの、好きなんだ」と、満ち足りた声が続く。唇からはみ出しかかる『足りなかった?』を無理やり飲み込み、代わりに「ありがと」とだけ、低くつぶやいた。かぶせるように「気にしないで、こっちも似たようなものだし」と、背中越しの優しい言葉が薄暗い部屋に漂う。不意に「興奮した?」と、鏡越しにいたずらっぽい微笑みがきらめいた。

¡Muchas gracias por todo! みんな! ほんとにありがとう!