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女子はピンクが好き。でも好きなピンクは同じじゃない

はじめまして。mm(ミリ)のデザインを担当したデザイナーの島津弓と申します。

mmは、大人の女性に向けた、beauty experience のヘアスタイリングシリーズのブランドで、9月に発表されたばかり。11月から発売される予定なので、手にして頂くのは少し先になりますが、パッケージデザインは、情報を思いきりしぼったミニマムなデザイン、そして「ピンク」にふりきったデザインとしています。まわりから「よく、こんなシンプルなデザインが通ったね」と言われたりしますが、私は生まれるべくして生まれた理由のあるデザインだと思っています。

パッケージデザインは、色・フォルム・質感・ロゴなど様々な要素で構成されていて、そのひとつひとつにデザインの理由があります。が、今回は私のまわりのデザイナーからも質問が多い、「シンプルなデザインの理由」と「ピンクの理由」について、デザインの過程や込めた想いなども含めて書きたいと思います。

商品開発の主役は美容師さん。
パッケージも美容師さんファーストで

詳しくはこちらにもありますが、mmは、“大人の女性たちのために”、都内を中心としたトップサロンの女性美容師さんが集って開発に参加した商品です。つまり大人の女性の悩みや好みを知り尽くした美容師さんの、技術やセンスへの信頼のもとにつくられています。だからまず最初に、中身の処方のみならず、パッケージにも美容師さんたちの意見を徹底的に生かすことを、デザインの基本方針に掲げることに決めました。

見た目は、気分を変え、モチベーションをあげるから、ヘアスタイルって大事です。そのことを熟知している美容師さんだからこそ、パッケージにも並々ならない思入れがあります。それにmmは、サロンで使い、サロンで販売する商品。まず美容師さんに「好き!」と思ってもらえないと、使ってもらえませんし、お客様に勧めてもらえません。デザイナーの強烈な個性を反映されることでいいデザインが生まれることもありますが、mmの主役は女性美容師さんです。今回私は、とことん美容師さんの意見に寄り添うことをモットーに、デザインを行なっていくことにしました。

ちなみに、ブランドムービーも商品開発に参加した女性美容師さんです…(写真は撮影の時の風景です)

さて、デザインの進め方はこんな感じです。このステップを行きつ戻りつを何度も繰り返しながら、デザインを行いました。

1. ヒアリング…大人女性のお客様との会話や自身の気に入っているパッケージについてなど、あらゆることについて美容師さんに聞く。また、女性のライフスタイルを感じる写真を何枚も用意して「mmにふさわしい」と思えるものをセレクトしてもらったりしました。

2.デザイン
…ヒアリングをもとに、デザインの方向性を探る。

3.チェック
…女性美容師さんにデザインの確認を頂く。美容師さんって率直な方が本当に多いんです。優しい語り口ながら、毎回はっきりした意見を頂けるので助かりました。

1から3を行きつ戻りつ。

少し長くなりましたが、デザインの話に入ります。

ピンクの理由。早い時点で、ピンクに決まったけれど

カラーは、パッケージデザインのキー。ロゴやネーミング決定後、美容師さんにさまざまな色を提示し、「自分自身の気分が、上がる色」また「お客様の大人の女性が好んでくれそうな色」を、選んでもらいました。そして選ばれたのが、ピンクです。

「ピンクって、女の子の永遠のテーマカラーですよね」という声も出て、皆が頷きながら納得したのですが、じつはデザイナーである私は、ピンクに決定後、とても気が重かったのです。「 あぁ!ピンクが来てしまった」という感じで。

ピンクは非常に難しい色です。例えば口紅のピンクは、青みがかったピンク、ベージュ系のピンク、目が醒めるようなピンクと、いろいろありますよね?女性とピンクは結びつきの強い色だからこそ、ひとりひとり好きなピンクのニュアンスはものすごく違います。色を選んでもらったけれど、さらに色選びの幅が広がってしまったような気さえしたぐらいです。

当然美容師さんたちに好きなピンクを選んで頂く時には、意見が大きく割れました。困りました。そこで私たちは、こう決定することにしました。

いろんなピンクを使ってしまおう!

女性といってもひとくくりには決してできません。いろんな経験を持つ大人の女性だからこそ、なおさらです。

いろんな女性の個性を表現できるmmだからこそ、いろんなピンクがあっていい。「決めきれないから」ではなく「決めつけない」色の選択が、mmらしいね、ということになりました。写真ではなかなかわかりづらいのですが地柄も、それぞれ違うものを選んでいるんですよ。並べてみると、開発美容師さんのひとりひとりの個性が表れているようにも感じます。

シンプルの理由。使うシーンを考えた上で、シンプルに

次に極端なまでにシンプルなデザインの理由です。ピンクの面に、控えめにロゴひとつ。creamとかwaxとか商品名が表面に入っていません。普通だったらなかなか出来ないデザインです。

開発に参加した女性美容師さんは、ターゲットの大人の女性とちょうど重なる年代。ターゲット女性の代表として「自分の部屋に置いても許せるシンプルなデザインを」、ポーチに入れて使う時に「うれしくなるデザインがいい」という意見が出ました。極力シンプルに、女性の気分を上げるピンクが目に飛び込むようにとデザインを作りあげていきましたが、商品名はさすがに必要だろうと考えていました。

でも購入した後、スタイリング剤を使うときに、商品名は見るでしょうか?見ないですよね。商品名はじつは店頭で購入する時に、間違ったものを手にしないために重要なのですが、直接サロンで購入するmmは、そういった間違いがありません(商品裏面には記載があります)。なので、考えてみたら必要がないのです。

美容師さんに「サロンワークで間違ったりしませんか?」と尋ねてみると、「大体カタチで覚えているし、わからなかったら裏面を見るから大丈夫」とのこと。この一言で、思い切って商品名を抜いてしまいました。

また、mmのパッケージは、手にとった瞬間から心地よく感じて頂けるように容器に異なる質感を持たせています。商品名はありませんが、形・質感で、商品の見分けができるようになっているとも言えると思います。

ほんのわずかな違いを大切にしたい

最後に。mmは、単位のミリメートルから名付けられました。ほんのわずかなうれしいことがあれば、毎日はちょっと楽しくなる。ほんのわずか髪に手をかければ、昨日よりもちょっとキレイになれる。そんな意味が込められています。だからこそ、その「ほんのわずか」のクオリティを最大限にするために、私たちは、妥協をせずにmmを作りあげました。最初のデザイン打ち合わせから商品化まで、なんと1年半以上かかってしまいました。ちなみに商品開発はさらに以前からとなります…。もしも機会があったら、見て、さわって、使って頂けるとうれしいです。(発売は11月、beauty experienceからとなります)

デザイナー 島津弓(しまづ ゆみ)

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