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日本維新の会についての意識調査結果(2023年6月) マニアック詳細分析版

みなさん、こんにちは。海原雄山です。

先日、TwitterやFacebookを利用した意識調査の結果を、『日本維新の会についての意識調査結果(2023年6月) 全体総括版』(以下『全体総括版』)としてnoteで公開したところ、多くの反響をいただきました。

しかし、速報性を重視するあまりまだまだ踏み込み不足だという思いも強く、改めてより深い民意を探るべく、さらに分析を深化させたいと思いまして、この『日本維新の会についての意識調査結果(2023年6月) マニアック詳細分析版』を作成しました。

こちらは、サブスク会員向けのものなので、すべて読むにはサブスク加入か単品購入になりますが、サブスクは初月無料であるため、そちらをご利用ください。(単品購入は、サブスク登録に抵抗感を持っている人向けです。)

別に初月だけで解約いただいても、私は全く気にしませんので、目次を見ていただいて内容が気になった方はお気軽にご利用ください(⌒∇⌒)

改めてお断りしておきますと、今回の調査はSNSを利用した調査であるため、多少の偏りがあり、なおかつ補正等もかけておりませんので、ご了承願います。

また、このnote記事は、全体総括版を前提としているため、まだ全体総括版をお読みでない方は先にそちらをご一読いただくことをオススメします。

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今回のマニアック詳細分析版は、後日有料コンテンツ追加を予定しています。

ご購入者およびサブスク購入者の皆さましか読めないエリアに、以下のコンテンツを後日追加予定です。

【追加コンテンツ】
・【6月15日追加】国会議員が受け入れられる土壌(小野泰輔・藤田文武)
・【6月19日追加】山下真のポテンシャル

若者は『まとめる力』を求めていないは間違い?

Q10 日本維新の会代表選で投票先を決める際に重視するのはどれですか。(最大5つまで複数回答可、同じものを複数選ばないでください。)※選択肢にないものを重視する場合は、1つ目で「19 その他」を選択し、Q10‐1でその内容を記載願います。
(選択肢)
1 人柄
2 ルックスの良さ
3 学歴・政治家になるまでのキャリア
4 組織を束ねる統率力・コミュニケーション能力
5 経済政策への姿勢
6 行財政改革への姿勢
7 憲法9条改正への姿勢
8 統治機構改革への姿勢
9 身を切る改革への姿勢
10 ダイバーシティ・子育て政策への姿勢
11 税と社会保障政策への姿勢
12 外交安保政策への姿勢
13 党内のガバナンス改革への姿勢
14 党勢拡大政策への姿勢
15 国政や地方選挙の際に党の顔となるか
16 党代表選挙で勝ちそうだから
17 党代表選挙で負けそうだから
18 政治家の推薦や支持
19 その他(Q10-1に記載)
20 特になし(2つ目以降は入力しないでください)

昨年夏での意識調査以上に、「4 組織を束ねる統率力・コミュニケーション能力」が党代表を決めるにあたって大事な要素であるという認識が広まっているという話は、全体総括版で書かせていただいたところですが、「そうは言っても、年代による濃淡はあるのではないか?」という疑問を持たれている方も多いかと思います。

実際、昨年夏の意識調査では、年代別に見ると、党代表を決めるにあたり、若い世代程党のガバナンス改革等を求め、年齢が上がるほど、組織を束ねる統率力やコミュニケーション能力といった要素を重視する等、世代ごとに価値観の違いがはっきりしていました。

👇参考



そこで、今回上記問いの答えを年代別に見てみました。


ご覧のように、確かに若い世代程選ばれる割合は低いですが、それでも全年代において、「4 組織を束ねる統率力・コミュニケーション能力」が最も重視する要素として選ばれています。

ちなみに昨年夏の調査では、29歳以下で「4 組織を束ねる統率力・コミュニケーション能力」は33.9%に過ぎず、今回の調査では実に倍増したことになります。

やはり若い世代においても、党をまとめる代表に「まとめる力」が必要であるという認識は広まっていることは明らかであるように見えます。

党代表選において『まとめる力』が大きな論点となりましたが、SNS上では、『党代表本人ではなく幹事長がまとめる力を持っていればそれでいい』という議論もありました。

それはそれで一定理解できる議論ですし、実際、橋下徹氏が代表だった時代には、まとめる力が代表本人にないため、当時幹事長であった松井一郎氏が党内の取りまとめを一手に引き受けていました。

しかし、この結果を見る限り、やはり世代を問わず党代表に求められる最も重要な資質として認識されていることから、『まとめる力』から逃げないことが大事であることは間違いないようです。

大阪はマニュフェストの縛りが厳しいは間違い?

Q7 統一地方選の各地方選において、日本維新の会は全国共通のマニュフェストを示した上で、各地域ごとに地域版マニュフェストを作成しましたが、今後の地方選挙において、全国共通のマニュフェストと地域版マニュフェストの関係はどうあるべきと思いますか。
(選択肢)
①全国共通のマニュフェストを先に作り、それに矛盾しないように地域版マニュフェストを作るべき
②全国共通のマニュフェストに矛盾する政策があっても、合理的な理由があれば地域版マニュフェストとして認めるべき
③全国共通のマニュフェストはやめて、地域版マニュフェストのみ作るべき
④地域版マニュフェストはやめて、全国共通のマニュフェストに一元化するべき
⑤どうあるべきかわからない

先日の統一地方選で作成された地域版マニュフェストについてのあるべき姿を探っているこちらの問いについての分析は、全体総括版でお伝えした通り、マクドナルド方式より餃子の王将方式が望まれているようです。(早速何のことかわからない人は、全体総括版を読んでくださいね。)

しかし、餃子の王将方式の選択肢①②にもニュアンスに違いがあり、地域版マニュフェストに一定の裁量を認めつつも、①の方が、全国共通のマニュフェストによる地域版マニュフェストへの縛りが厳しいものとなっています。

結果については、②の方が多くの回答を得ているわけですが、①も約4割の回答があり、一定の支持を得ているわけです。

ここで、こういう風に考えた人も少なからずいるのではないでしょうか?

『大阪の維新支持者が、大阪維新を至上のものとして、自分たちの主張を他の都道府県に押し付けようとしているのではないか?』

つまり大阪府の在住の維新支持者は、②より①の回答が多いのではないかと。

確かにSNSを見ていると、一部大阪の支持者が、大阪の政策を全国に広めたいという思いが強いあまり、かなり過激な発言をされている方も見受けられます。

実際のところどうなのか、調査回答結果をもう少し分析してみました。


こちらは、属性を党員ではない維新支持者に絞ったうえで、居住地別にQ7の回答の割合を比較したものです。(回答者が多い都道府県上位6つまで)

見てみると①「全国共通のマニュフェストを先に作り、それに矛盾しないように地域版マニュフェストを作るべき」、②「全国共通のマニュフェストに矛盾する政策があっても、合理的な理由があれば地域版マニュフェストとして認めるべき」の比率は、大阪府においてはむしろ①より②の方が多いようです。

なんなら、完全に地域の裁量を認めるラディカルな③「全国共通のマニュフェストはやめて、地域版マニュフェストのみ作るべき」という回答の比率が、全都道府県平均より高いくらいです。

つまり、大阪の支持者は全然大阪の政策を押し付けてないです。

東京、奈良、神奈川はさらに①より②の割合が高く、地域版マニュフェストづくりにおいてより裁量が認められるべきという考えが多いようです。

一方、大阪に近い兵庫や京都でなぜか②より①の方が割合として高いのです。

ちなみに、維新の一般党員についても、地域別に見るとほぼ同様の傾向です。(ただし、そもそもで一般党員は①と②が拮抗していますが・・・)

つまり、兵庫と京都については、地域版マニュフェストにおいて全国共通マニュフェストとの矛盾を認めない傾向が強いのです。

1つ仮説として考えられるのが、以下のとおりです。

兵庫、京都に限らずですが、大阪都市圏にある大阪の隣接自治体は、近年大阪維新の改革と変わっていく大阪を見て、『わが県(府)も大阪のように改革してほしい』という期待で維新が勢力拡大してきた経緯があります。

そのため、『大阪と同じ政策を実行してほしい』という願望が強く、大阪の本部で作られる全国共通マニュフェストと矛盾するものは要らないという考えが強いのではないでしょうか。(実際には東京の音喜多さんが作ってるっぽいですが・・・)

では、奈良はどうでしょうか?

奈良も兵庫、京都同様に大阪に隣接し、大阪の発展を見て維新への期待が高まっていたという状況があります。

ところが奈良はむしろ②の比率が大阪以上に高いです。

大阪等に比べてサンプル数が少ないため誤差という可能性も否定できませんが、党員じゃない支持者も一般党員も同様の傾向なので誤差で間違いないとは言い切れないだろうとも考えられます。

奈良と兵庫・京都を分けるものは何かというと、それは公認首長の存在の違いかと思います。

兵庫では公認市長候補が全敗状態(斎藤知事は推薦でしかも自民からも推薦を受けているため、純粋な維新の政治家とは言い難い)、京都はやっと単独推薦の舞鶴市長が誕生したばかりで、まだ公認首長が誕生していません。(ただし、議員数は大きく伸びています。)

そのため、大阪のように議会と首長ポストを握れていないので、残念ながら、兵庫、京都では地方政治で主導権を握って政策実現できるところまでに至っていないのが現状です。

一方、奈良ではこの春の統一地方選で、公認県知事と公認町長の2つの首長ポストを得ました。もちろん、地方議会議員選挙も大躍進しました。

そのため、実際に地方政治において大阪に近い状況が生まれつつあります。

現実に政策実現ができる状況であるため、実際に地域の実情に合わせた政策がふんわりした大阪の改革へのイメージ以上に求められるため、①より②の比率が高いのかもしれません。

つまり、公認首長の誕生を機に、漠然とした期待より実際の政策実現を希求する声が強まった結果が、地域版マニュフェストに求めるものとして奈良と兵庫・京都を大きく分けたのかもしれません。

これはあくまで1つの私の好き勝手な仮説にすぎません。(もちろん、兵庫や京都を貶める意図はありません。)

みなさんはどのように考えますか?

馬場伸幸執行部 そのミッションと成果

ここからは、党代表選がらみの分析を個人別に実施していきます。

まずは、馬場伸幸氏。

馬場執行部としての支持率は8割を超えるということは、全体総括版でお伝えした通り。

ですが、こういう風に考えた方が多いのではないでしょうか。

『あれ?その割に、馬場さんの投票温度、低くね?』

(※しつこいようですが、投票温度がわからない方は全体総括版をお読みください)

馬場伸幸氏の投票温度は、属性別の縛りがない状況で4位、無党派ではベスト6にも入らない状況です。


現職で結果を残しているのだから、吉村洋文氏は別格にしても、それ以外には勝っていてほしいところです。

では、なぜ馬場執行部の支持率は高い割に、馬場伸幸氏の投票温度は低いのでしょうか。

ここで、馬場執行部への支持態度別に投票温度を見てみましょう。


※属性による絞り込み無し

まず、馬場執行部に対して、支持とも不支持ともどちらとも言えないと答えた層における投票温度ベスト5です。(次点6位は永藤英機 堺市長(35.5℃))

ここでは、吉村洋文氏は圧倒的大差で1位で、横山英幸氏は2位につけています。

小野泰輔氏が4位に上がっているのも、全体結果と異なる点ですが、馬場伸幸氏がベスト6にも入らず藤田文武氏も順位を下げて3位です。

これは、そもそもで、馬場執行部に対して否定的でもなければ肯定的でもないために、執行部の面々への評価がそもそも高くないことの現れでしょう。


※属性による絞り込み無し

続いてどちらかと言えば支持するという層ですが、こちら全体結果と似たような結果です。(次点の6位は小野泰輔氏(37.5℃))

ここで馬場伸幸氏が4位となっていますが、支持層と言える人たちの間でも4位というのは何とも寂しい。

では、強く支持する層ではどうでしょうか。馬場執行部を強く支持する層なら、代表である馬場伸幸氏がもっと支持を集めているはずです。


※属性による絞り込み無し

ここでようやく馬場伸幸氏が3位に上がってきます。

次点の6位は音喜多駿氏(37.9℃)となっており、馬場執行部を強く支持する層だけあって、馬場執行部を構成する4役が強いのが特徴的と言えます。

ですが、ここで注目なのが、それでも馬場氏は吉村洋文氏に勝てていないどころか、部下である幹事長の藤田文武氏にも勝てていないということです。

ここに馬場執行部の支持の秘密のようなものがある気がします。

とにかく、今回の意識調査で目立ったコメントが、藤田文武氏を称賛する声でした。

もちろん、党を引っ張る馬場代表のリーダーシップを評価する声も少なくなかったですが、それ以上に日々幹事長会見で見せる藤田文武氏の能力の高さへの評価の意見が多く寄せられました。

ここで馬場伸幸氏と藤田文武氏の投票したい度の分布を見ていきましょう。


これを見ると、「どちらかと言えば投票したい」という意見は、馬場伸幸氏、藤田文武氏両名とも似たような比率かやや馬場伸幸氏が高いくらいですが、「絶対投票したい」という強い支持意見の割合が、藤田文武氏43.8%と馬場伸幸氏の22%のほぼダブルスコアとなっています。

投票温度の違いはここにあって、そもそも馬場伸幸氏も確かに投票したいという意見は多くあるものの、「絶対投票したい」という強い投票意向よりも「どちらかと言えば投票したい」という消極的な投票意向が多いのが特徴的なようです。


馬場執行部を強く支持する層に絞り込んで比較してみても、藤田文武氏の方が強い投票意向を集めていることがわかります。

これらから考えられることがあるすれば、それは馬場執行部の支持の源泉は、必ずしも代表である馬場伸幸氏の個人の人気によるものとは限らないことです。

しかし、これは必ずしもネガティブなこととは限りません。

かねがね馬場伸幸氏は、2021年の衆院選前後から自分は8番キャッチャーで次世代へのつなぎ役であることを公言してきました。

そのためか、自らはもちろんですが、藤田文武氏幹事長ら三役に会見等の席に立たせ、自らは一歩引いて、若手の育成を図っているように見えます。

そう考えると、馬場伸幸執行部は、自分の手で政権を作ると言うよりは、次世代育成のための執行部とも言えるかもしれません。

藤田文武氏がメディア露出も増え、その能力の高さを遺憾なく発揮し、実際、こうして党代表選において投票したいという声が非常に多いことを考えると、馬場執行部の人材育成という目標は今のところ達成していると見ることできるでしょう。

馬場執行部の重大のミッションの一つは、新しい党の顔づくりであり、いよいよその成果は結実しつつあるのかもしれません。


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