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愛の詰まったこだわりを、君も体験してみないかい?(Perfume COSTUME MUSEUMに潜入してみた)

Perfumeの楽曲を一度も聞いたことがない、全く存在を知らない人はいるのだろうか。
乳幼児を除けば、そんな人はほとんどいないだろう。
日本を代表する、Perfumeの衣装が驚くことに「兵庫」に大集合している。

9月16日(土)、まだ容赦がない日差しを浴びながら、私たちは駅から兵庫県立美術館に向かった。
その大集合を見るためである。

今回は、Perfume COSTUME MUSEUMに訪れた大学生4人が自由にコラムを書いてみた。


兵庫県立美術館
📍神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
🕐10:00~18:00(入場は17:30まで)
🗓休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日)、年末年始

Perfume COSTUME MUSEUM
🗓会期:2023年9月9日(土)〜11月26日(日)
 ※9月18日(月) と10月9日(月)は開館、9月19日(火)と10月10日(火)は閉館


Perfume World  

(ライター:ぐみ)

Perfumeはあ〜ちゃん、かしゆか、のっちから成るアーティスト。
3名に似合うように作られた衣装達がどの様に展示されているのか、私はかなり楽しみにしていました。前日から情報収集もバッチリです。
結果、最高でした。
近未来なデザインなのに今までの歴史を辿るという妙な空気感に別世界への空気感も感じました。
観終えても帰路につく際に脳内ある曲が鳴り止みません。その理由は‥?展示場へ!

1人1人の特徴が合わさって、3人の想いが重なる世界観を創造されて仕上げられているのは技術、制作スタッフさん達がPerfumeと共に世界観を創り上げてきたからです。
そんなことも感じれた今回のコスチューム展覧会。
誰の目にも惹きつける色とりどりで質感豊かな衣装達、楽曲のミュージックビデオで観る様にダンスパフォーマンスを引き立てるのもこれら衣装。
どの楽曲衣装にも、3人のことを想ったデザインの思考の欠片が詰まっています。
私は制服風デザインの一つと言える「Spending all my time」の衣装に着目しました。

制服といえば、皆統一されているけれど‥?Perfumeの制服の衣装は3人共に異なるデザインです。ここで注目したいのが、首周りの襟元、腰、肩、最後に気づいたのが裾の広がり。裾の長さは同じなのに、一見シンプルで統一されたデザインに見えるのがPerfume Worldか!と。曲調やダンスパフォーマンスからも分かる無駄な動きのでないデザインで衣装を見ているだけで楽曲を知る者は曲の中に惹き込まれてしまうでしょう。

ここからは少し雑談。
私、MVを観て初めて引き込まれて感動したのが「Cling Cling」なんです。

中学生の時に出逢って感銘受けたこの楽曲のMVの世界観の衝撃はこの世界に行きたい!と感じた程‥という衣装を間近で見てきました。本気です。ストーリー性のある楽曲で‥おっと、本題に戻しまくります。
よく見ると豪勢なスパンコールの髪飾りを身に付けていたのですね。細かい装飾を纏われているので、髪飾りも見所が多いです。髪飾りと言えば髪型がポニーテールのあ〜ちゃん!何種類もの布地の髪留めがコレクションとして展示されていました。髪留めも手作りと思えないプロの技術が光る作品で可愛く、見れて満足しました。ぜひ展示場にて。
豪勢と言えば(?)、ブランドの服もリメイクして衣装にされています。
図形や何かがモチーフとしてデザインされており中々見飽きません。
Perfumeを象徴できる三角形から探して見て下さい!△すぐ見つけられそうですが
そして衣装と合わせる帽子も幾つか共に展示されているので見逃し注意です。

写真撮影が許可されている展覧会第4章
(筆者撮影)

どれが誰の衣装か分かりますか?
学芸員様のレクチャーも満員ながら拝聴でき(次回は10月21日土開催)貴重なお話にお時間をいただきました。
私にも製作陣の想いが伝わりました。その環境を生み出すPerfumeのお陰で自由な発想で衣装製作できると学芸員さんが仰っておられ強く納得しました。
誰もが近未来的で可愛いくてかっこ良い衣装の虜に、見るほどに複雑な裁縫の興味が湧いてきます。プロが手掛けた衣装をご覧下さい。
あなたが注目した衣装は何でしょう?


衣装→挑戦状?

(ライター:いち)

女性アイドルにとって、衣装はただ身につけるだけのものではなくなってきている。
衣装は彼女たちのアイコンの一部となり、目指すアイドル像の指針ともなっているような気がする。

私は代表曲+映画等の主題歌曲しか知らないPerfume初心者であるが、とあるアイドルを推すオタクの1人として、個人的に衝撃を受けた衣装である「リニアモーターガール」について記事を書いていく。

Perfumeの記念すべきメジャーデビュー曲の「リニアモーターガール」。
展示会場ではプロローグとして、2022年公開の「Spinning World」の衣装と一緒に見ることができる。

これ高校生が着る衣装!?

現在2023年であれば、アイドル戦国時代も表現されるように、様々な個性を売りにしたアイドルが混沌としている。ゆえに、近未来を連想させる黒衣装を見に纏うアイドルがいても違和感はないだろう。

しかしPerfumeがメジャーデビューしたのは、会いに行けるアイドルAKB48と同じ2005年である。
そう、アイドル=身近な存在という意識の大変化が起こった頃なのだ。

そのことを考えると、「リニアモーターガール」の衣装は親しみやすさ・アットホーム感とは対極に位置しているように感じる。むしろ、中田ヤスタカ氏の楽曲も相まってロボットやアンドロイドという機械の冷たさを感じてしまう。

あまりにも時代を先行しすぎて、走り抜けているような、そんな感じ。

学芸員レクチャーによると、この衣装は、当時の近未来感を反映しているだけでなく、Perfume が「ただの可愛いアイドルではない」というメッセージを含んでいるという。

この言葉を聞いて納得した、
そうか、これはPerfumeの挑戦状なのかと。
楽曲やパフォーマンス、衣装の全てにおいて、他のアイドルグループとは一線を引き、独自のスタイルを確立させていくという強い気持ちを感じた。

どうしても上手くまとめることができなかったのだが、とりあえず言いたいことは「めっちゃ良い」である。
この展覧会では、彼女たちの衣装を通して、Perfumeが切り開いたパフォーマンスの新しい可能性とそれを支える衣装製作陣の努力を覗くことができる。私のようなPerfumeの楽曲を多く知らない人でも、少し熱い気持ちになることができるだろう。


ジャパニーズカルチャー

(ライター:のん)

未来へ旅した彼女たちが日本に帰ってきた。

今回紹介する衣装の率直な感想。
先に言っておくが、私も代表曲を聞いたことのあるPerfume初心者である。音楽番組を見ていると、どこを見てもぶれないダンスに圧倒される。そんな私が個人的に興味を持ったのが、「JPN」の衣装である。未来と現実を行き来する彼女たちだからこそ日本へタイムスリップしたように感じさせる。

ここでちょっとしたクイズ!

雷をモチーフにしたこの衣装。彼女たちの衣装をよ~く見てみるとちょっと違います。さてどこが違うでしょう?
ヒントは雷ですよ~。シンキングタイムスタ~ト。3,2,1。


答えは衣装の裏~。あっ、言っちゃった。

ということで、クイズを出せて満足なので、私の話は以上で。

ついでに、「Perfume COSTUME MUSEUM」各章のタイトルをご紹介。
第1章 近未来型の挑戦者
第2章 止まらない進化
    発想と制作
第3章 「未来」を越えて
第4章 ステージに立つの
           メンバーセレクト「わたしたちのお気に入り!」

どの章に何の衣装があるかは内緒で〜。まだ見てない方はぜひ予想しながらどうぞ〜。


アートとしての衣装

(ライター:そら)

今回はPerfumeの沢山のライブ衣装、しかも実物を見ることのできる展示ということで、大盛況の中の美術館を気の済むまで回らせていただきました。また、今回の展示についての学芸員さんの講演にも参加させていただき、展示におけるこだわりや、詳しい話も聞かせて頂いたので、それも含めて自分が感じたこと、興味深かったところについて書かせていただきます。

今回の展示を見てはじめに純粋に思ったことは「衣装って面白い!」ということでした。そもそもお洒落や衣装ということに人より興味がなかったのですが、それでも楽しい。それはその衣装に施された、きめ細やかな装飾や一目見ただけで惹かれるような、それこそ、アートやイラストレーションのような普遍的な良さが詰まっていることが大きいと思います。

そういった展示の中でも特に気になったのは、「Next Stage with YOU」の衣装です。この衣装は、エヴァンゲリオンのキャラクターデザインなどもされている貞本義行さんのデザインをモチーフにしています。エヴァのプラグスーツのようなデザインと他の衣装のデザインを比べると、フォルムや質感、装飾にも様々な違いがあることが分かり、より一層展示を楽しめました。
そういった様々な角度からのコラボもあり、バラエティが豊かだったので、最初から最後まで飽きることなく楽しめました。

学芸員さんは講演で、Perfumeが大好きな方も、あまり詳しくPerfumeを知らない方も、楽しめる展示にしようと思ったということをおっしゃっていて。僕はその後者だったわけですが、おっしゃっていた通り存分に楽しめました。元からPerfumeが大好きな方も、様々な衣装ができるだけ実際の使用時に近い形、魅せ方で展示されていたり。衣装の配置の仕方も知っている人が見たらあっと気づくところがあったり、広い空間を生かした大胆な展示をしていたり。Perfume愛の詰まったこだわりを体験していただけると思います。


今回は、Perfume COSTUME MUSEUMを取材したメンバーそれぞれが自由にコラムを書いてみた。
記事執筆に関して、テーマ指定なし+文体指定なし+字数制限なしの何でもありだった。
が、結果として全員がそれぞれの「推し衣装」を紹介する形となった。
私たちの好みはバラバラだったのである。
そして、私たち全員に刺さる、幅広い衣装があるということである。

誰も取り上げなかったので少し加筆するならば、「Spring of Life」の衣装はまじやべえと思いました。本当に可愛い、色と形、発想の全てが。
詳しくは述べないが、本当に細かいところまでじっくりと見てしまったポイントが沢山あった。

とりあえず、展覧会帰りからプレイリストに追加した「レーザービーム」を聞きながら、この記事を締めさせていただく。


兵庫県立美術館
📍神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
🕐10:00~18:00(入場は17:30まで)
🗓休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日)、年末年始

Perfume COSTUME MUSEUM
🗓会期:2023年9月9日(土)〜11月26日(日)
 ※9月18日(月) と10月9日(月)は開館、9月19日(火)と10月10日(火)は閉館

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ヒョーゴ・ミュージアム・サポーターズ(美術班)は兵庫県立美術館、横尾忠則現代美術館、兵庫陶芸美術館の取材を中心に記事を投稿しています!いっぱい記事あるよ。読んでほしいな。

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