昨日7月10日23時、TBS系金曜ドラマ『MIU404』主題歌であり、8月発売のアルバム「STRAY SHEEP」の中にも収録される米津玄師の新曲、"感電"のミュージックビデオが公開された。今回のMV公開の告知はなんと羊の絵文字(🐑)を使ったモールス信号による告知で、それに気づいたファン達は彼ならではのお洒落で粋な計らいにざわめき立った。"感電"のiTunes他音楽配信アプリでの先行配信は始まっていたが、MVの公開を今か今かと待ちわびていたファンは多かったはずだ。そんな中、米津玄師は清く正しく、正しく期待を裏切らない新作をアップロードした。

まってましたとファンファーレが響くと、ニンマリと満面の笑みを浮かべた米津が目の前に登場。陽気なリズムをベースにとりながら足取り軽くステップを踏み始めた。それに唖然としていると、今回のドラマの舞台に併せ、警察犬であるシェパードが車の上をぴょんと飛ぶ。殺風景な地下駐車場から急ぎ足に場面は変わり、夜のド派手な遊園地が現れると、レトロでポップなイナズマに目がくらくらとする。銀色の面を被った奇妙なダンサーと共に奇々怪々な瞬間移動を目まぐるしく繰り返す構成は、現在進行形で急展開を迎えたドラマとリンクしているようで、「追う側」と「追われる側」の視点を写しているようだった。数分間の白煙の中で衝撃的な結末を迎える物語に全員がううんと唸ってしまうはずだ。MV終盤には米津のアクロバットも披露されているので要チェック。

思わず手拍子をしたくなるようなメロディーに軽やかなトランペットの音色や細やかなドラムがスウィングジャズの香りをたっぷりと纏わせる中、近未来的な要素を持ち合わせたシンセサイザーや静けさの中に熱を帯びた歌声とがそれらと刺激的な化学反応を起こし、どこか聴いたことがあるような、親しみやすく愛されるような音楽となっている。
米津玄師を聴いたことがない貴方も、ファンのあなたも、この曲を聴いてきっと何かを感じるはずだ。