「笑い」とは「強さ」であるー。　何のことかと思われるかもしれませんが、最近耳にして一番膝をうった言葉です。

芸人の水道橋博士が何かの記事で語っていました。

「バラエティっていうのは“強い”奴が笑わせるんだ」っていう感覚を言うんですよ。ていうかそれはパワーオブバランスで強い人が笑わせるっていう感覚は、バラエティ出てる人なら、誰でもあると思うんです。たけしさんが話せば笑わなければならない、っていう感じ。
笑いっていうのは、「面白さ」じゃなくて、「強さ」なんだよ、っていうのはテレビの世界には絶対的なルールなんだけど、あまり語られない

キャリア＝強さ＝笑い　であるという厳然たる事実を新人の頃から軽々と飛び越した松本人志の天才っぷりを評した話の一部です。

しかし、これってどんな世界にも通じると思いました。

部長の言葉、取引先の言葉、スクールカースト上位の人気者の言葉・・・

実際に発する内容は大したことがなくても「強い立場の人間がいう言葉はおもしろい（ことになる）」。

笑いは人を幸せにするものですが、実は「強者」に対しての従属関係を示すひとつのコミュニケーション手段だ、ともいえるわけですね。

強者といえば…

はい、「強者の流儀」（読んでないけど）という本も執筆なさった朝倉未来選手の出番です。

なんでこのまどろっこしい入り方をしたかというと、

最近、彼のYoutubeチャンネルから、「成功者＝朝倉未来が言ったことだから笑わないといけない」「成功者＝朝倉未来がやっていることだから面白い」という空気が漏れ伝わってきちゃいませんか？ということなんです。

いや別にいいんですよ、ファンや信者がそう言うのは。漏れてきているのは周囲の人間からです。

斎藤選手とのタイトルマッチ敗戦後の動画が象徴的でした。

やや炎上した動画ですが、基本的には朝倉選手側からは清々しいことしかいってないんですよね。

撮影しているスタッフがいれる合いの手が最悪でした。

「でも、斎藤選手のほうがダメージが・・・」「２回ダウンうばったし・・・」というヘッタくそなインタビューによって負けを認めていないともとれるコメントを引き出してしまいました。

ヘラヘラした愛想笑いに不快感をおぼえたのですが、同じような方も多いのではないでしょうか。

これはわかりやすい例ですが、彼のyoutubeチャンネルからは「強者」と「従属する周囲」というなんともいえない焦げ臭い匂いが漂ってきていると感じるわけです。

強者といえばチーム朝倉未来にはもう一人いますね。ジムオーナーであり、弁護士という「成功者」堀鉄平先生です。

実は、彼がスタミナ切れのシバター選手にちょっと強めの膝をぶち込む動画が拡散しているのを見て、今回は筆をとりました。（見たい人は朝倉未来選手のyoutubeチャンネルで）

別にそれ自体を叩きたいから、ではありません。いいかわるいかはさておき、ジムではよくある光景でしょうし、シバターだって焼肉食った友達だから何とも思っていないでしょう。

なぜ不快に思う人がいるか？膝蹴りをうけて苦しんでいるシバターを笑ってみている様子が

休み時間に肩パンチされている「イジられ役」と「スクールカースト上位」

忘年会で裸踊りをさせられる新人とニヤニヤみている先輩

のように見えたからですよね。

「イジリ笑い」と「イジメ」は紙一重というか大体イジメにエスカレートしていくわけですが、後者に見えた人がいた。

そして、特に疑いもなくカットせずにYoutubeに出してしまった。ここに危うさを感じます。

未来選手や堀先生は炎上を「またアンチが騒いどるわ」としか思わないでしょう。でも、気づいてほしいのです。

これ、一歩止まれば防げたし、どうしても必要なシーンでした？

画面のむこうの僕は「弱者」だけど、別にあなたたちに従属しているわけではないから、面白いものは面白いし、不快なものは不快なものと感じたらそう発言します。

でも、アンチではなくむしろ応援しているいちファンです。

強さ＝笑い　論に話が戻りますが、そういえば、最近、松本人志自身が話す「すべらない話」も正直痛々しくてみていられません。

大げさに笑って反応する中堅芸人の反応と、その中に身を置く松本を見るのがつらい。

カリスマは強さを手に入れて周囲を従えた結果、最終的に裸の王様になってしまう。誰もこれにはあらがえないのか・・・・。

でもね。

かしこい二人なら、ジムやYoutubeのスタッフの愛想笑いや、ヨイショなんて見抜けていますよね？

だから、うるさいかもしれないけど、もう少しだけ「チーム朝倉未来」の外にある「弱者の小言」に耳を傾けてみてほしい。

それこそが本当の「強者の流儀」だと思うんです。

「裸の王様」になりかけたとき、服をきせてくれるのは「アンチ」なのかもしれません。

（あと金あるんだからヘッドコーチ雇いましょう）