企業は"コミュニティ"という”熱狂ファンチーム”を持とう

坂口さん(@jsakaguc2010)、長田(@SsfRn)さんと進めている「コミュニティマネージャーズ」プロジェクト。前回はコミュニティの分類を情報とつながりの2軸で考えました。

私からは主に、コミュニティを企業のマーケティングに活用する「コミュニティマーケターズ」向けの記事をお届けします!

熱い想いで新サービスを作っても、結局ユーザーに受け入れられる商品を作ることができなくて、撤退するサービスも多い。
そういったサービスを見るたびに「コミュニティをうまく使っていれば。。」といつも思うのだ。


マーケティング=プロダクトマーケットフィットを作ること


マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」とよく言われます。
特に、0→1フェーズで重要なのが、プロダクトマーケットフィット、つまり、「消費者に受け入れられるサービス/プロダクト」を作れるかがポイントであると思う。
このとき、コミュニティが大きな力を持つ


コミュニティという熱狂ファンチームを持つ


プロダクトマーケットフィットを作るために、コミュニティはどう使えばいいだろうか?

コミュニティの価値は「顧客の5VALUE」で考えると網羅的に考えることができる。この考え方はクマー教授の「カスタマーエンゲージメントの価値の4つの要素」から、マーケティングに使いやすいようにサービス共創価値を加えたものだ。

生涯価値(LifeTimeValue):そのユーザーのサービスを購入してくれる価値
紹介価値:友達紹介などで新たなユーザーを連れてきてくれる、紹介者としての価値
影響価値: クチコミやSNSの投稿など自発的な発信によってもたらされる影響価値
知識価値:ユーザーとしてのノウハウを共有してくれる価値
サービス共創価値:一緒にサービスを作ってくれる価値

まだサービスが確定していない段階においては、特に「知識価値」「サービス共創価値」の部分がキーとなる。

どんなサービス/プロダクトを生み出してもそれを利用するのは作り手ではない。ユーザーであり、コミュニティ内のお客様である。だから、作り手としては企業の方がプロであっても、使い手としてはユーザーの方が詳しいことが多くある。

どのようなシーンで使ってくれるのか、使っている中でどのような不満があるのかを聞くことができるのが知識価値だ。

そして、その解決のために、「こういうサービスを提供すればどうだろうか?」と一緒に考えられるのが共創価値だ。

このとき、注意点は企業が提供しているのはプロダクトだけでなく、サービスも含まれているということだ。例えば、クルマという商品を売っていても、購入者はその後のアフターサービスや保険、営業マンの心遣いなども含めてあなたのサービスを購入している。

最近、企業が主催するコミュニティイベントが増えてきているが、こういったイベントもサービスの1つだ。企業がプロダクトだけでは競合優位性を作れなくなり、サービスを強化している1つの現われだと思う。

「知識価値」「サービス共創価値」を生かして、サービスを使ってくれるようになれば、次は「生涯価値(LifeTimeValue)」を高められるかだ。

1回使って終わりではなく、継続的に使ってもらい、LTVが高まるかどうか。コレも解決策のヒントは「知識価値」にあるだろう。

どういうシーンで継続購買するのか、継続的に使う人は何が違うのか。もちろんデータやリサーチを活用することもできる。ただし、リサーチというのが常に限定的な情報しか得られないことが多い。

例えば、飲料メーカーであれば新商品のテストを対象ターゲットユーザに会議室に集まってもらい、カップに入った飲み物を飲んでもらう事が多い。

キリンが初めてノンアルコールビール「キリンフリー」を開発したときも同じように会議室で飲んだもらったそうだが誰もが美味しくないと言ったそうだ。ただ、それをサンプリングして生活の中で使ってもらったときは別の反応があった。

BBQやゴルフなどに運転者が飲むと「意外と美味しかった」という反応があった。通常であればビールを飲めないシーンで飲めることが価値だったのだ。

こういった利用シーンを見つけることができるのがコミュニティの知識価値である。

最後に、「紹介価値」「影響価値」によってコミュニティからその周りに広めて新たな顧客まで連れてきてくれる。

コミュニティとは「熱狂ファンチーム」である

コミュニティが他マーケティング手法と比べてわかりにくいのは、上述したように様々なところに効果を及ぼすため、どういう目的設定にすればいいかわからない点にある。

KPI設定など細かい話はあるのだが、突き詰めるとコミュニティとは、エンジニアチームやデザイナーチームのようなスタッフ以外に「熱狂ファンチーム」というチームを持つことであると思う。

企業はVISION(今までにない理想の文化・ライフスタイルを作る)ためにサービスを作る。

Airbnbであれば、「暮らすように旅ができる」ように個人宅に宿泊できるサービスプラットフォームを運営している。

しかし、そのVISIONは企業が提供しているサービスだけで実現できるだろうか。メルカリはここ数年で大きく普及したと思うが、それはいらないものができた時に「あ、これメルカリに出品しよう」というライフスタイルをユーザーが身につけたからだ。

ハーレーダビッドソンはバイクだけでなく、そこに革ジャンを着た男性が乗っていることでかっこよく見える。

VISIONとは、ユーザーが作り出すライフスタイルにおいて達成される。

だから、そのライフスタイルを作っているユーザーを熱狂ファンチームとして、共にサービスを作っていくことが重要なのだ。


【最後に】コミュニティがマーケターの仕事を助ける

マーケターはSNSマーケ、ウェブマーケ、CRM、PRなど様々な役割・領域がありますが、プロダクトマーケットフィットを作ることは全てのマーケターが取り組むべき仕事だと思っている。


そして、広告代理店などに外注が難しい。なぜなら、熱狂ファンチームを活かすには、熱狂ファンチームとエンジニアチームやデザイナーチームなど社内各部署をうまくつないでいく必要がある。
それがマーケターの役割だ。

また、コミュニティという形や規模は問題ではない。「数人の熱狂的ユーザーとFacebookでつながっている」それだけでも、上述のコミュニティの役割が果たせるならそれでいいのだ。

コミュニティを活用できれば、外注に頼りがちなマーケティングから、マーケターの意思に基づくことができ、「マーケターの復権」につながる。そう思っています。

★このnoteはコミュニティマネージャーのための無料マガジン「コミュニティマネージャーズ」に含まれています。コミュニティマネージャーの方はぜひフォローをよろしくおねがいします!

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文責:宮本昌尚
監修:坂口淳一長田涼

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コミュニティマネージャーズ

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