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文化差を感じる(スーパー編)

【良くも悪くも『ありのまま』なフランス】

先日、3歳の息子が人生初!クラスメイトのお誕生日会へのご招待に預かりました。上の娘は既にフランスに来てからも何度か招待を受けており、娘自身も自分の誕生日会にお友達を招待してお祝いをしてもらっておりましたが、息子はこれが初めて!

本日私は張り切って息子のお友達クレモンティーヌにプレゼントを選びに行きました。

お店に入るとセール前で値下がりした商品が入口付近にどちゃっと陳列されています。どちゃっと。お目当てのおもちゃ売り場に行く前に、服飾品売り場がある。
「あー、そういえば娘がワンピースとスカートを買って欲しいって、ここのところ何度も言ってたな」と思い出し、可愛い洋服の方へふらふらと接近。
お洋服には赤、黄、緑のタグが付いている。。。
「ん!?安くなるの?」と思い、周りを見回してもそのカラータグに関する説明の貼紙などは一切なし。すぐ横を見ると今も洋服に店員さんが一生懸命タグを付けている最中。私が欲しいと思ったのは緑色のタグのワンピース。「忙しそうだけど・・・聞くか。」と、タグと格闘中の定員さんに聞きました。

私:「Excusez-moi, Madame. Bonjour !」(すみません、マダム。こんにちは!)
※定員さんには基本的に礼儀正しく!これで対応が大きく変わることがあります。
定員さん:「Oui, Madame. Bonjour !」(はい、マダム。こんにちは!)
私:「Qu'est-ce que ça veut dire, cette couleur ?」(この色はどういう意味ですか??)
定員さん:「Ça c'est la préparation de la solde. Ça commence mercredi !」(これはバーゲンの準備です。水曜に始まりますよ!)
私:「Ah... D'accord... Merci !」(あー…わかりました…ありがとうございます!)
定員さん:「À mercredi !」(また水曜日に!)

最後の定員さんの返しはギャグなの?と思いましたが、考えれば親切でもありますね。体裁を気にしない。「二日後に安くなると分かってるなら普通買わないでしょ。また来てバーゲンを活用してね!」と。

私は日本では数社のメーカーで働いた経験があります。私はいつも本社勤務でしたが、新製品が入るとき、安売りなどで値段が変わるときは、売出しもしくは安売り前日のお店を閉めた後、当日開店する前に売り場の方々の準備は、とても大変なものだとよく聞いていました。

フランスではお客様の来店とともに定員さんたちも作業開始!日本のスーパーで早く売り切らなきゃいけない生鮮食品の値段が張り替えられるように、生鮮じゃない洋服、日用品等々の商品もお客の眼の前で値段が張り替えられます。

先日なんて、あるスーパーで、すべての商品という商品の値札にポストイットが貼ってあって、値段が見えない!何かの作業の途中だったのでしょうが、私も含め、お客はみんなポストイットを一旦剥がして値段を確認して、再び貼る…という動作をしながらお買い物。でもみんな普通に買い物してる…。

完璧な状態、お客様が快適に買い物できる状態にしてから開店する!という概念はありません!

日本で生まれ育った私には奇天烈に写りましたが、ある意味効率的ですよね。だってお客さんが居ても出来る作業なら、わざわざ夜中残業したり、早朝に早出してする必要って…ある?
日本の「完璧な状態でお客様をお迎えする」というコンセプトはすごく素晴らしい。でも、フランスの「見栄は張らず効率的に」というのも、素敵だなと思うのです。消費者の地位がとても高い社会で働く労働者の生活はすごくストレスフルですし・・・。
そして何より今回の投稿の趣旨である『ありのまま」、『飾らない』精神は私も取り入れて損はないよなと思っています。

余談ですが、作業中の定員さんたちはかなり高い確率でお客には構いません。「あーーー、そこの棚見たいけどなーー。定員さん居るなー」という時、見たそうな空気を出してもダメです。ここはフランス。空気は吸うもので読むものではないのです。なんなら定員さんが作業し始めたい売り場を熱心に見てたりすると逆に咳払いをされたりする始末。

日本で生まれ育った私にはメンタル状態によってはきついときも正直あります。でもね、私がいいなぁと思うのは、「言葉を交わすことを恐れない文化」。空気は吸われて終わるかもしれないけど、言葉はきちんと届きます。日本は「阿吽の呼吸」、「以心伝心」等相手を気遣い空気を読んで行動することが良しとされやすいですが、こちらは積極的にコミュニケーションを取る文化です。「して欲しいことがある人は言ってくるだろう」と思っていて、実際に言ってきた人には出来ることをしてあげるというスタンス。いつも空気読まなきゃ!と怯えなくて良いので、ある意味ではこちらのほうが楽かもしれない…と思える時もあります。

やはりここでも『ありのまま』慣れたらこっちの方が楽かもね。フランスで生活しているけど、メンタルは純日本人。なので、いつ慣れるのかは…分からないけど。

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