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水晶産地の背景① ブラジル ミナス・ジェライス(Minas Gerais)州「トマスゴンザカ」

天然石の中でも基本とされ、浄化の万能薬とも呼ばれる水晶。水晶は産出量も多く、様々な産地から採集されます。中でもブラジル東部のミナス・ジェライス(Minas Gerais)州は、水晶の一大産地です。

 中世ポルトガルの町並みが残る、ユネスコ世界遺産に登録されたジアマンティーナ(Diamantina、ポルトガル語でダイヤモンドという意味)のある、ブラジル東部のミナス・ジェライス(Minas Gerais)州は、ポルトガル語で「万人の鉱山」を意味しています。1693年にこの地で金が発見されたことをきっかけに、歴史的なゴールドラッシュやダイヤモンドラッシュが沸き起こった地であることから名付けられたといわれています。

ミナス・ジェライス州には、州の水晶が集められるコリント(Corinto)、柱面が太い水晶が特徴のフランシスコ・サ(FranciscoSá)、トルマリンの産地でも有名なアラスゥアイ(Araçuai)といったたくさんの水晶の産地があります。その中でも、トマスゴンサガは州の中のほぼ中央に位置する小さな村ですが、細い剣のような結晶と高い透明度、そして強い輝きと光沢が特徴の産地です。今なお自然豊かなトマスゴンザカの大地が、ゆっくりと丁寧に育んだ、奇跡の水晶です。 

 通常、「トマスゴンサガ産の水晶」と産地名を付けて出荷されるのは、採掘した水晶のなかでもごく一部の高品質なものだけです。(品質の悪いものは、ほかの産地のものと合わせて「ブラジル産」として出荷されます)しかも、最近では産出量が激減し、ガリンペイロと呼ばれる鉱山労働者が、機械を使用せず手で掘った原始的な採掘場からしか採取できないため、最高品質の水晶は1日に一つ取れるかどうか、という幻にも近い貴重なものとなっています。その入手困難な水晶を、直接ブラジルまで買い付けに行った業者さんから、さらに私自身が美しく、素晴らしいと感じられるものだけを吟味して当店に仕入れています。希少性の高い水晶ですので、在庫がないこともございます。出会った際は、どうぞお手に取っていただければ幸いです。

 

 

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