栗林良吏(広島)、「新人記録の10試合連続セーブ」/注目すべき10の新人記録は?

広島カープの栗林良吏が新人王受賞に向け、ラストスパートに入っている。

9月26日、横浜スタジアムでのDeNA戦、10-8と2点リードの9回のマウンドに上がった栗林は、大和にヒットを許したが、無失点に抑え、今季26セーブ目を挙げた。

これで、カープの球団記録である、永川勝浩が2003年に記録したシーズン25セーブを更新した。
同時に、9試合連続セーブとなり、2015年に山崎康晃(DeNA)がつくった新人記録に並んだ。

9月28日、甲子園での阪神戦では、2-0と2点リードの9回のマウンドに上がり、4番・大山悠輔に四球を与えたが、無失点に抑えた。
これで10試合連続セーブとなり、山崎康晃の新人記録を更新した。

広島の残り試合は21であるが、すでにクライマックスシリーズへの自力での進出の可能性は消滅しているものの、栗林良吏にセ・リーグ新人王受賞の期待が懸かっている。
栗林良吏がこれまで打ち立てた新人記録と、これから更新しそうな新人記録を見てみよう。

①デビューから22試合連続無失点(NPB新人記録)
②新人シーズンで2度の10試合以上連続無失点(NPB新人初)


栗林良吏は「デビューから22試合連続無失点」の新人記録を樹立し、2019年の甲斐野央(ソフトバンク)がつくった13試合連続無失点を大幅に更新した。

なお、今季、水上由伸(西武)が「デビューから17試合連続無失点」をつくったが、これはパ・リーグ新記録となっている。

栗林はその後、6月30日の西武戦、今季、15セーブ目を挙げたが、そこからまた17試合連続無失点で抑えている。

つまり、新人の連続試合無失点記録の上位2位を栗林が独占していることになる。

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③デビューから27試合連続セーブ機会成功(NPB新人記録)
④10試合連続セーブ(NPB新人記録)

栗林良吏は今季、3月27日のプロ初登板以来、43試合に登板し、そのうち、セーブ機会は27度あったが、1度も失敗がない。すなわち、「デビュー以来、27試合連続セーブ機会成功」を継続している。

栗林良吏はNPBの新人記録である「デビューから22試合連続無失点」で迎えた6月13日、京セラドーム大阪でのオリックス戦、9回の場面でマウンドに上がると、3四球と乱調となり、2死満塁からT-岡田にサヨナラタイムリーを浴びて、プロ入り初めて失点を許したが、同点の場面であるため「セーブ機会」ではなかった。

山崎康晃が新人の2015年、デビューから17試合連続セーブ機会で成功、かつ無失点を記録したが、5月24日の阪神戦で、9回、先頭の上本博紀の頭部に死球を当ててしまい、危険球場退場で途切れている。

佐々木主浩(横浜)が1998年に「22試合連続セーブ」というNPB新記録をつくっているが、このときも、22試合連続セーブ機会で成功であり、栗林良吏は佐々木を上回っていることになる。

⑤デビューから12試合連続セーブ機会で無失点(NPB新人2位)
⑥新人シーズン2度の10試合以上連続セーブ機会で無失点(NPB新人初)

栗林は6月13日のオリックス戦で、デビューから22試合連続無失点が途切れたものの、セーブ機会での無失点が途切れたのは、6月19日のDeNA戦(東京ドーム)であり(ただし、13セーブ目を記録した)、デビューから12試合連続セーブ機会で無失点を続けていた。

その後、6月30日の西武戦、今季、15セーブ目を挙げたが、そこからまた12試合連続セーブ機会で無失点で抑えている。
あと5試合連続セーブ機会登板で無失点に抑えれば、(デビューからではない)17試合連続セーブ機会で無失点となり、山崎康晃が持つ新人記録に並ぶ。

⑦デビューから43試合連続交代完了(NPB新人記録)
⑧シーズン交代完了43試合(NPB新人史上3位)


栗林良吏はデビュー登板以来、すべての登板試合で「交代完了」を記録している。
「交代完了」とは、救援した投手が試合の最後まで投げ切った場合に記録されるが、2021年シーズンはコロナ禍の影響で、同点であっても9回打ち切りというルールになっているため、引き分けが激増すると同時に、クローザーの「交代完了」も増えている。

新人投手のシーズン最多交代完了はやはり山崎康晃が2015年に記録した「49」であるが、栗林はあと6に迫っている。

⑨シーズン「引分け」10試合(NPB新人記録、史上5位タイ)

栗林は、同点の9回の場面で10試合に登板しており、すべてリードを守って「引分け」を記録している。

NPBでのこれまでの最多「引分け」試合を記録した投手は、1978年と1980年の江夏豊(広島)、1982年の牛島和彦(中日)、2012年の藤川球児の11引分けであったが、今年2021年、8月19日のロッテ対西武戦で、益田(ロッテ)が12引分けを記録して、NPB新記録を樹立した。
栗林にも、益田の記録に追いつく可能性がある。

⑩新人シーズンでの27セーブ(NPB新人4位)

栗林はセ・リーグでの最多セーブ争いでは、スアレス(阪神)と7つの差があり、また、山崎康晃が持つシーズン37セーブの新人記録にあと10まで迫っているが、広島の残り試合が21であることを考えると難しくなってきている。

ただし、NPB史上3人目の新人シーズン30セーブ到達が見えてきており、現在3位の三瀬幸二(ダイエー)の28セーブ(2004年)にあと1、2位の与田剛(中日)の31セーブ(1990年)にはあと4で届き、更新の可能性は高い。

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