断捨離④ 退職した(する)!
退職するのは、断捨離に入るんかな?とも思ったけど、シリーズを引っ張るためにもこのテーマで書くことにする笑
移住し引っ越す、という決断をする中で、いろいろ手放したり物事の見方を変える必要があった、それが今までの3回の書き込みのテーマに繋がってんけど、その中で一番大きなテーマが退職する(厳密には3月末やから、未来形の「する」)ってことだった。
みんながいつも笑うように、私は若い時に「穴掘ってでもいいから仕事したい」(=なんでもいいから仕事は一生続けたい)という[迷言]を残した。その時は本当にそう信じてたんだよ。仕事を通じてやりがいを得たり、自己実現したり、友人や知人ができたり、いろいろ学ぶことがあったり、などなど。仕事が私の生活の主軸になっていたと言っても過言じゃない。
そんな私が退職したらどうなる?っていうことは若い時にはある意味恐れでもあった。いつかそんな日がくるのはわかっている。特に自営でなく勤め人の私にとって、いつか定年がきて自分が働きたくても、勤務先から「もう来ちゃダメなんですよ」と言われる年齢がくるんだ、その時私は何を主軸にすればいいのか、テレビばっかり見てる老人になってしまうんじゃないかっていう恐れ。サラリーマンの男性が抱く疑問に似てるかもね。でも、これは働く女性にとっても同じ。
大学の教員だったから(だから)教える準備もあるし、担当する科目が変われば新しいことを必死に勉強したり。教える以外の仕事もたくさんあった。それに加えて自分の研究テーマを決めたり、文献を山のように読んだり書いたり、と夏休みや春休みも職場には行かないにしても絶えず何かに追いかけられてるような(=何かを追いかけてるような)時間の使い方をしてた。自分のテーマについて「勉強」しないことも、論文を書かなくなることも想像できなかった。
で、です。こんな私が定年前に退職すると決めたわけだ。でもね、不思議なことに「ずっと仕事をバリバリ続けていきたい!」という若い時に感じていたお腹の底から湧き上がるような思いは60歳くらいを境に水が引いたように薄れていったの!
仕事が軸ではなく、「生きる、それも毎日を大切に生きる」ということが私の中でとっても大切だと思えるようにガラリと変わったの。その変化は今まで山の景色を見ていた人が、海の風景に目を転じるくらいの劇的なものであり、同時に私にとってはごく自然なことだった。自分でも驚くくらい。
これが「老いる」ということなのかも、白髪が徐々に増えていくように。周りには80歳近くになっても自分の会社を経営し、毎週末ゴルフに行き週2〜3回は深夜まで飲み歩く、という人を知っている、とか、ニュースでは100歳超えて水泳大会に出てその部で優勝(他に選手がいない苦笑)とかというおじいちゃんの話も聞く。ずっと前にそういうテレビを見てた時に、父が「わしはああいうふうに強い体を持ってない、ああいう人は特別や」とボソッと言ってたのを思い出す。そう、私も普通の遺伝子を持って生まれ、平均的な体格・頭の出来、そして平均的な年の取り方をするんだと思う。その一環として、60歳頃に自然と興味の対象やその熱意などが年とともに変化したのかもしれない。だとしたら、それを憂うのではなく、自分の人生のステージとしてしっかり受け入れたいと思う:嘆くでもなく、焦るでもなく、足掻くのでもなく、自然に受け入れる。
移住先ではお庭いじりをしたり、畑でお野菜育てたりしたい。あくせく時間を過ごすのではなく、美しい自然の中に自分の身をおきたい。60歳をこえて始めたジャズピアノも上手になりたいと思う。若い時は自分の習い事に時間やお金を使うなんて罪悪感があったけど(=そんなことしてる場合じゃない、働け、という自分の声が聞こえてきてた)、今は遠く先の方にあるピアノが上手になりたいという自分のゴールがとても楽しみだし、自分のために時間を使うことに対する罪悪感も一切なくなった。これも不思議なくらい。友達とワインや食事を持ち寄り、ゆったり時間を過ごすこともしたい。みんなが遊びにきてくれる事もとっても待ち遠しいよ❤️ 娘が最近、犬を飼ったので、その子と遊ぶのも心底楽しみ〜!
仕事を手放すことが、私に自然にできるなんで夢にも思わなかった。あちらに行っても生活しなくちゃいけないから(円安がほんまにキツイ、想定外)何らかの仕事はすると思うけど、今までのような生活の主軸にはならないと思う。こういう今の心境を物語ってるのが、下記の文章かな。大学を退職するにあたり、学報に短い挨拶文を書かなければいけなかったので。
「本当にみなさん、ありがとう〜!楽しかった・充実した年月でした。
これからも楽しく生きていきま〜す!みなさんもお幸せに!」というのが今の気持ち。こういうふうに退職でき、次の一歩を踏み出せる幸せを噛み締めてます。
う〜ん、これも断捨離、なんかな?そーゆーことにしておきます。
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