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2021年

2021年が終わろうとしているので、久しぶりにnoteで投稿します。
今年は何してたっけかな・・・。

端的に言えばネーム、ネーム、ネームの日々だったと思います。
ネームとは漫画の設計図のことで、漫画はこの設計図をもとに描かれています。
この1年はいくつかの作品のネームを作り、練って提出してを繰り返していたのですが、
約4−5作品のネームを作り、さまざまな方に評価してもらう会議までたどり着いた作品もありましたが、
いずれも芳しい評価を得ることができませんでした。

漫画を描くのをやめようかな・・・と思った時もありましたが、ネームを見てもらう方との会話で自分の至らないところや見て見ぬふりをして来た部分を指摘してもらったり、会話をするたびに自分の中に新しい知見が生まれ、なるほどなーと能天気になったり、没になって腹が立ったりして何とか今に至っています。この草稿を描いている今もネームを修正しています。

このネーム作業を経て、今年は精神的にタフになった気がします。
なぜなら「自分の創作物が全ての人たちに通じる」と言う仄かな妄想を悉く潰される経験を何度も味わったからです。
恐らく世の中に出る漫画を描いてる人はこうした思いを数多くしてきて、それでも諦めなかったからこそ今の結果があるのだろうなと身で感じました。私もそういった人と肩を並べられるようになろうと思います。

それに伴い、今までの自分の漫画への考え方や、接し方、描き方に改めて向かい合うきっかけになりました。

漫画をどこか「アート(作品)」のように考えていたのだと思います。ただ、漫画はアート(作品)と言う視点もあると同時に、「デザイン(商品)」と言う視点もあります。魅力的なキャラクター、人々を震わせる物語などなど。例えばミュシャの絵はアートとデザイン両面で大きな強度を持った作品です。人物を見ても美しいし、神話的なモチーフもアート志向の強いものです。
ただ今までの私は、「デザイン」の部分をおろそかにしていました。キャラクターやストーリーを疎かにし、目の前の現象のみを取り扱い、さあおののけ!と言う姿勢で作品を作っていたのです。今年の苦悩を経て、アート全振りだけでは今後自分の間口が狭くなってしまうとようやく気付いたのです。コミティアのような漫画に関して成熟した目を持っている方が集まるイベントではアート全振りの漫画も受け入れられました。でも、そこから少し離れた場所だともっとデザイニングされた作品でなければまず受け入れてくれない。私は漫画をデザインすると言う習慣を日々怠っていました。

コミティアで出す漫画はアート寄りの漫画を今までと同じように描くと思います。
ただ、別の媒体で出す漫画に関しては、もう少しデザインされた漫画を描けるようになりたいと思っています。
アートとデザイン、両方の側面から意識して、バランスよくコンスタントに漫画を描けるようになりたいです。
いや、なりたいじゃない、なります。





漫画に関してはほとんど実績を残すことができませんでしたが、
その一方でイラスト方面ではお仕事をいくつか頂くことができました。
主に音楽方面のCDジャケットや、ウェブフライヤー、アパレルのイラスト提供など。
クライアント様も私自身のイラストを気に入った上で依頼してくださったので、
そう言う意味でも円滑に進めることができたと思います。

自分の備忘録として下記にまとめておきます。

Ulon様 「ReBirth」CDジャケット
OMOIDE LABELコンピレーションアルバム「Variations 甲」アルバムジャケット
OMOIDE LABELコンピレーションアルバム「8小節トラック™コンピレーション88 Vol​.​1」アルバムジャケット
「88小節トラックアワード 物理祭」ウェブフライヤーイラスト
「88小節トラックアワード 物理祭」Tシャツ、パーカーイラスト
「Extreme Dazzling Mashuppers」ウェブフライヤーイラスト
「NEO RYUKYU」ウェブフライヤーイラスト

今までずっと音楽系のフライヤーやジャケットを手掛けたいなと思っていたので、それが叶ったのは自分の中でも嬉しい出来事だったなと思います。お仕事の方は随時募集していますので、よろしくお願いします。




漫画作品は以下のものを販売しました。主にコミティアで頒布しています。

「立ち止まるぼくらと受け止めるノヘ」(2021/2)
「睡蓮の母」(2021/6)
「Delaware」(2021/9)
「心」(2021/11)

心に関しては何故かインタビューとかもさせていただけたので、そういう機会を大事にしながら今後も描いていきたいです。


ここからは今年気になった音楽とか漫画とかを・・・。


音楽は・・・今年は平沢進の新譜がきたのでそれはコンスタントに聴きました。
後はCDはほとんど買わずにBandcampとかで買ってたかなあ・・・。
その中でもBola Seteというミュージシャンのライブ盤がすごく良かったです。
サブスクでJames Chanceとか、大貫妙子とか聞いてました。
後はYouTubeで見つけたENAというアニメのBGM。すごく幻想的で、ヴェイパーよりも無機質さがあったので個人的に好きでした。
ジャンルで言うとソカ、マンボ、サンバ、カリプソ、ボサノバ、クンビアといった南米の音楽に興味を持った年でもありました。

とりあえず5個選ぶなら・・・。

平沢進『BEACON』
大貫妙子『カイエ』
Bola Sete『Samba in Seattle : Live at the Penthouse 1966-1968』
ENA関連のミュージシャンの曲(Graham Katrina,Oliver Buckland,METAROOM etc)
James Chance and the Contortions 『The Flesh is Weak』


選考に漏れたものだとArcaのキックシリーズ、最近聞いたのですが創作意欲がやべえなというのと同時に、この膨大な曲を作品としてパッケージングできるレベルまで持っていけるその胆力やプロデュース力がすごいなと思いました。本当にプリンスみたい。個人的にはキックスリーが好きです。





漫画に関しては、今まで避けてきたメジャー寄りの漫画を勉強がてら読んだりして、新しい発見をしたりとか。
すごい実になった作品たくさんあります。無限に挙げられるけどこっちもとりあえず5個。
(敬称略です)

松本直也『怪獣8号』
雨隠ギド『おとなりに銀河』
雨隠ギド『ゆらゆらQ』
五十嵐大介『ディザインズ』
やまもり三香『うるわしの宵の月』


雨隠ギド先生の漫画に救われたというか、癒されました。
漫画を読むと心を掻きむしられるような時期があったのですが、その中でも雨隠先生の作品が胸にすーっと沁みて、暖かいシーンなのに何故か泣けてきたりする時もありました。





また、M3という音楽イベントに初めて参加して、CDを配りました。
なぜか初参加なのに壁に配置されて戦々恐々していたのをいまでも忘れられません。
まだまだミックスなどに関して改善の余地が沢山あるので、音楽方面はインプットもアウトプットも来年は定期的にやりたいなと思いました。





後は…特にないかな…。深掘りするのがめんどくさいのもありますが…。
あ、プロレスラーのYouTubeを見るのがめちゃくちゃ好きになりました。
長州力さんは勿論ですが、一番初めに見たのが獣神サンダーライガーさんで、
ライガーさんがさまざまなゲストを招いてプロレスの話をしてくださるので興味を持って、
そこから真壁刀義さんや矢野通さんをみるようになりました。

プロレス、全然興味なかったけどこういった動画でみてみると何だか面白いなあと思います。




今年はインプットとアウトプットの数があまり多くなかったかなと思うので、来年は今年の1.5倍ぐらいは絵を投稿できるようにしたいですね・・・。なんか絵に関しても色を塗ろうとか線をちゃんと引こうとか気負ってる感じがあるので、他人の目を気にせずに淡々と投稿するのも大事だなと思いました。



来年の目標
・紙媒体、ウェブ媒体に自分の作品載せる
・毎月100冊漫画読む
・漫画を毎月30p描く
・3色以上塗った絵を毎週描く
・朝日記を1年続ける

30pは正直連載とか持ってる人から見れば「ぬるー」っていう数字かもしれませんが、
まあ気負わずにやりきれなければ意味がないので・・・。
ゆくゆくは30p以上描いても全然大丈夫になりたいです。



最後になりますが、来年もよろしくお願いします。

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