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(R18感想)肛虐と賢者の宴「肛辱の令嬢ロレンツァ 淫悦に落ちる乙女の涙」愛枝直

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すごいものを読んだので感想を書きます。

剣と魔法、そして知略が治める世界。亡き父の後を継ぎ、健気にも街を治めるロレンツァという令嬢がいた。美しく聡明な彼女は"涙知らずのロレンツァ"と呼ばれ、民から頼られ愛されていた。しかし部下の壮年男・ジャコモは、逆恨みから彼女の秘密を暴き出す。それは共に絶頂した相手に人智を超えた力を与える破廉恥極まりない能力。男たちに囲まれ、秘密を突きつけられたロレンツァは、処女を喪えばその力は消え失せると強がってみせる。すると部屋中に下品な笑い声が響く。ジャコモはこう言ってのけた。お姫様、前の孔が使えないのなら後ろの孔があるではないか、と。

彼女を狙うは一方的に想いを寄せる巨躯の兵士に、甘い囁きと惨い手管を使い分ける謎の調教師。気高い令嬢を奴隷に堕とす肛虐調教が幕を開ける!

人生初の二次元ドリームノベルがこれで良かったのか?と思うくらい重厚です。ロレンツァの父が、娘の産まれた知らせを受ける場面から始まり、一般小説のように開けた世界の描写が続きます。ヒロインの描写にしても、民に愛嬌を振り撒く姿を書いた後で、頭の良くない部下を追い詰め徹底的にうちのめす場面を見せるなど多角的で、これからの調教に期待を持たせる気合いが大いに感じられます。

そして肝心のエロシーン。巨躯の兵士に乱暴に身を開かれる所から始まり、じっくりと調教の過程が書かれます。いやらしい寄生虫の力によりぶっとい実の代わりにローションのような蜜が排泄される体にされたお嬢様は、アレルッキーノと名乗る調教師の操る醜悪な張型と優しい囁きにより心身共に作り変えられようとします。

このアレルッキーノという仮面の男。カナ混じりの独特な口調にキザな態度で雇い主のジャコモをコケにしてはばからず、ロレンツァの理解者のように振る舞う。その上凄腕の魔法使いというすごいキャラをしています。ヒロインが霞んでしまうのではないか?と思いますが、むしろヒロインがキャラの濃い彼と渡り合おうとする事で、この小説を単なるアナル調教ものと一線を画す作品にしているのです。

特に印象的なシーンがあります。
肉体が教え込まれた淫らな欲を求める中で、ふとロレンツァは心の望みに気づきます。

「全てを振り捨てて涙を流したい。子供のように大声で泣きわめきたい」

"涙知らずのロレンツァ"と呼ばれ、この狂った状況にあって通信手段で助けを求める事もしなかった気丈な彼女の真なる願い。それは調教師の求めるものとも奇妙に一致したのです。

「涙を流し快楽に咽ぶ姿が見たい」

それが意味するものは調教の終わりか、彼女の完全な堕落か。調教の終盤。しびれを切らしたジャコモが乗り込み思いを遂げますが、淫乱に反応したロレンツァを見ても調教師はまだ完成していないと言う。彼女の能力により力を得たジャコモはお構いなしに計画を進め、体は出来上がった彼女を愛する民の前で犯すと宣言します。

体は既に堕ち切り、秘孔から蜜を垂れ流す様に清らかであった頃の面影はない。それでもロレンツァは気高い令嬢だというのか。姿を消した調教師、燻る兵士、そして彼女に勝利したかのように見えるジャコモ。彼らの欲望は未だ交わらず、ロレンツァそのものを貫いてはいない。彼女もまた心からの望みを叶えられずにいる。ジャコモに限らず、ロレンツァもまたある計画を進めていた。それは誰に勝利をもたらすのか?調教の果てに見える地平とは?

書き切って目を逸らさせないスタイルの文章に熱いアナル愛。濃いキャラと竿役として丁寧に設定された男共に贄となる美少女の気高さ、愛くるしさ、計算も入る小悪魔ぶりまで作り込んだどこから挿れても気持ちよさそうな造形。初めて読むエロラノベがコレでちょっとこれからが不安かもと思わせる完成度で、非常に読み応えがありました。流行り廃りはわかりませんがこれは王道と思います。そんな力を感じました。

今(2024/3/5)ならKindle Unlimitedで無料。これは読むしかない。アナル調教とその過程を詳しく読みたい方。気丈な金髪令嬢が喘ぐ様を見たい方。二次創作で発電できなくなって新たな世界を探している方。ぜひファンタジーに身を投じましょう。