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087:デジタルデータへの態度の変化🌊

「波🌊自体というマテリアル」で,デジタルデータがそこにあることを考えたのだけれど,それはデジタルデータをアナログデータのような「波🌊」としてしまうということなのかもしれない.「Designing Fluid Interfaces」で示された「波🌊」は,「表象」と「行為」とを一つにまとめ上げて,そこに触れることができるデジタルデータのあたらしいあり方なのかもしれない.

デジタルがフィジカルを模倣するというのではなく,フィジカルなモノがそこにあり,その動きがアナログデータとして連続的に記録されているように,デジタルデータがそこにあるものとして考える.もちろん,デジタルとアナログは違うけれど,デジタルがアナログのようなフィジカルな世界との連続性を保持したデータのあり方を模倣しだしているのではないだろうか.

 私たちはこの触知性の時代に対応してきました.コンピュータの歴史を見ると以前は動かすための手順がいくつもありました.操作には様々な知識が必要だったため,多くの人とって遠い存在でした.しかし,この20〜30年の間に最初は間接操作だった多くの手順が省かれました.個人が直接扱えるものに近付いたのです.そして,現在,コンテンツに直接アクセスできるよう全手順を省こうとしています.コンピュータと感じなくなる魔法の要素です.自然界の延長のように感じ始めるのです.つまり,インターフェイスと人とのつながりは,これまでよりも古代の形に近付いたのです.

フィジカルの延長としてデジタルがただそこに存在するものとして見なすこと.デジタルをアナログのようにフィジカルとの連続性のなかにあると見なすこと.デジタルデータに対する態度の変化が起こっている.デジタルデータへの態度の変化が,インタラクションを構成する「行為」と「表象」とを一つの波🌊の表面で向かい合わせながら,練り上げられて,その奥に「波自体🌊としてのマテリアル」をつくり出していく.


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