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079:インタラクションデザインのあたらしい存在論

「7  A New Materiality───The Rise of a New Interaction Design Agenda and Three Challenges ahead of Us」のまとめ

HCIにおける「マテリアル・ターン」とは,ピクセルを触れられるようにすることではなく,コンピュータとかつて表象として処理されデザインされていた世界との区別を取り除くことである.その結果,マテリアル・ターンはコンピューティングが世界の存在として見なされることを意味する.

「マテリアリティ」という概念は,コンピューテーショナル・マテリアルとフィジカル・マテリアルとの組み合わせを考えることである.インタラクションのマテリアリティは,フィジカルな活動だけではなく,コンピューテーショナル・マテリアルを含んだ特定の構成に支えられたインタラクションの形態と見ることができる.そして,表象ドリブンのパラダイムとマテリアル中心パラダイムは互いに排他的ものではなく,補完的なアプローチである.

これらのことから次のことが言える.

1.インタラクションのマテリアリティは,インタラクションデザインのあたらしい存在論である
2.マテリアル中心デザインはインタラクションデザインへの補完的なアプローチである
3.(表象というより)現れは,インタラクションデザインの形而上学である

Challenge 1───"Making sense": On meaningufil material interaction design
「アフォーダンス」はインタラクティブ・システムでユーザにシステムの機能性を伝えるものではあるが,他にも多くの「意味」の次元がある.良い,意味を持つインタラクションデザインの挑戦は,どのようにマテリアリティがある行動や体験を豊かにするかを考えたデザイナーの意図を反映したものである.

Challenge 2───"Making it work": On material interactions and integration
良いインタラクションデザインでは,インタラクション自体がデザインの目的となる.

Challenge3───"Makingn it real": On authenticity in material interaction design
デザインの挑戦は,真正性のためのデザインである.「リアルにする」挑戦は,どのよう,どのマテリアルによって,インタラクションを日常生活に位置付けるかである.

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