見出し画像

009:バラバラのサーフェイスがつくるバルク🤔💬🤔

「あるヴォリュームの側壁(つまり,はっきりと外が囲まれている立体)が違った方法に分散されたら,空間のパターンや空間の関係性が生じる」(60-61).この例においてわれわれが注意すべきであるのは,すでに確立されていた二つの考え方である.つまり,空間は材料に連関していないことと(モホリは他の場所でも論じている),空間は構造上の部材を引き離すことによって完成され,その結果それら部材の隙間にあるヴォイドには,建物を貫き,外と内とをつなぐ空間の連続体が作られるということである.p.409 
言葉と建築───語彙体系としてのモダニズム,エイドリアン・フォーティー

インターフェイスを経由したあとのモノを考えていると,確かにモノと情報との関係が出てくるのだけれど,同時に,モノが置かれた空間を考える必要があるのではないかと思い始めている.そんなことを考えながら,上の引用を抜き書きしているときにメモしたのが下のツイートです.

タイトル画像は,引用した文章のページに描いてあった図です.囲われていた空間がバラけて,そこにあらたな空間が生まれる.同時に,そこにあたらしいモノが生じるのではないか.それは空間をバラバラにしながらも,その規則を決めることで,空間として成立するというようなことなのではないか.

というか,インターフェイスを経由して触れるモノには,物理空間のように自明な空間がないのだから,空間自体をつくる必要があるのだけれど,それは難しいから,モノの規則をつくって,そこから意味のある空間をつくった方がいいということではないだろうか.

それにしても,上の図に描かれたバラバラになる立方体からは考えらえることがいっぱいある気がしています.それがどういう方向になるのかはわからないけれど,仮想空間,デジタル空間というと,XYZの3つの軸ですべて計算可能な「貧しい空間」と考えられそうなところですが,それが行儀よく立方体になっていなくても言いわけで,それぞれの面=サーフェイスがバラバラでありながらも,それらがあるルールに基づいて,あるいはルールに基づくことなく,バラバラになっているというのもを面白いかもしれない.そのとき,バラバラなっているサーフェイスを含んだ立方体のような空間を考えないことが大切になってくるだろうと思います.サーフェイス同士のつながりごとに生まれるバルクということを考えればいいのだろうか.でも,そうするとバルク=ヴォイドということにもなるのではないのだろうか.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?