まぬままおま

1998年生まれ。メモメモ: 映画の記録はこっち→https://filmarks.c…

まぬままおま

1998年生まれ。メモメモ: 映画の記録はこっち→https://filmarks.com/users/fm_neko

最近の記事

萌の立場にはいられないー『由宇子の天秤をみて』ー

2021年もうすぐ終わりそうですね。今年はたくさん映画をみて、充実した年でした。おもしろかった作品ランキングも鋭意、執筆中です。 今回は春本雄二郎監督の『由宇子の天秤』のレビューである。本作をなぜ取り上げるのかと言えば、おもしろかったことはもちろん、私の立場性について考えさせられたからである。それは「おわりに」で述べるとして、さっそくレビューに移る。なおこのレビューはfilmarksの私のレビューに加筆、修正したものである。では。 はじめに話題作だったので鑑賞。 音楽を一切

    • 賭けること、連れて行くことーエリック・ロメール〈六つの教訓話〉シリーズを観てー

      はじめにやっと『モード家の一夜』のレビューを書くことができたので、〈六つの教訓話〉シリーズを一つにまとめてテキストにしようと思う。 上記の作品を除いて、〈六つの教訓話〉シリーズを私は夏ごろにみた。はじめて観た時に思ったことは、ジェンダーの観点からいえばアウトな表現が散見されるし、登場する男は気持ち悪いである。そして〈喜劇と格言劇〉シリーズを観た後は、そのネガティブな印象はロメールの若さゆえの至らなさなんだと勝手ながら理解した。だから正直あまり一つにまとめる気もなかったのである

      • 夏は海でバカンスする人になりたいーエリック・ロメール〈喜劇と格言劇〉シリーズを観てー

        はじめに2021年はエリック・ロメール監督特集上映として〈六つの教訓話〉シリーズが全国各地で上映された。私も〈六つの教訓話〉シリーズは全部観て、自然美と物語の豊かさに感動した。そのレビューも書いてはいるのだが、『モード家の一夜』が手強い。なぜならパスカルの『パンセ』を読まなければ適切に書けないからだ。そのため完成に至っていないため、同時に公開された〈喜劇と格言劇〉シリーズのレビューを先に公開することにする。 なんだか消極的な理由と思われるかもしれないが、正直に言えば〈六つの教

        • 私が正しく傷つくためにー『ドライブ・マイ・カー』を観てー

          本稿は、濱口竜介監督作品の『ドライブ・マイ・カー』のレビューである。 今年は、優れた邦画がたくさんあると思うが、本作は頭一つ抜けて抜群におもしろく、衝撃を受けた。以下、私がfilmarksに載せたレビューである。では。 はじめに第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞他4冠を達成したから観たわけでもなく、『寝ても覚めても』がおもしろかったから観てみようと思った。 鑑賞日は8月21日なのだが、衝撃を受けた。本当に凄かった。その後、原作を読んでみたり、記事を漁ってみたり、自分であれこ

        萌の立場にはいられないー『由宇子の天秤をみて』ー

          懐かしい未来が、今ー『逆光』を観てー

          私はなぜか今、広島にいる。広島は出身でもなければ、知り合いがいるわけでもない。ずっと前から広島に行こうと決めてたわけでもない。たまたま色んな要因が重なっただけである。しかし、数ヵ月住んでみて自然と広島に来るべきだったと思い始めている。なぜか。それはこの地で今、知ってみて得るべきものに出会えているからだ。私に必要なものが到来してくる。 それを強く感じたのが、監督を須藤蓮、脚本を渡辺あやさんが手掛けた映画『逆光』である。 以下、レビューを述べる。しかし本稿は、私がfilmar

          懐かしい未来が、今ー『逆光』を観てー

          2021年上半期おもしろかった映画10本ーR18+拡張版ー

          6月が過ぎ2021年の半分が終わったので、おもしろかった映画を振り返る。と言ってもそれは前回やったので、今回は動画配信サービスで観た映画及びR18+作品も含めて10本に絞ってみる。R18+作品といってもAVやピンク映画は含めない。ピンク映画はみないし。。。AVはそもそも映画ではないと思ってる。 上半期でみた映画は94本でした。二日に1本ぐらいのペースですね。 以下10本挙げていく。なお掲載順はおもしろかった順ではない。またあらすじや詳しくはFilmarksのレビュー参照。

          有料
          100

          2021年上半期おもしろかった映画10本ーR18+拡張版ー

          2021年上半期おもしろかった映画10本

          6月が過ぎ2021年の半分が終わったので、おもしろかった映画を振り返る。映画館でみた作品数は33本でした。1週間に1本ぐらいのペースですね。その中から特におもしろかった10本を絞ってみる。なお掲載順はおもしろかった順ではない。またあらすじや詳しくはFilmarksのレビュー参照。 あのこは貴族岨手由貴子監督作品。実はこの作品が一番心に残ってるし、長いレビューを書こうと思ってる。シスターフッド作品とされるが、その視点からではなく階級と身体的な振る舞いで述べようと構想している。

          2021年上半期おもしろかった映画10本

          SF、水泳少年、文真堂書店広沢店

          “虐殺、器官??” 少年というのはこういう生き物だ。とかく、実物に触れたことはないけれど、エロとグロには最大の関心を持ってる生物である。私の家は群馬のかつて織物が盛んだったところにあって、今はチェーン店に支配されシャッターが閉まっている店ばかり、東京へは電車で一本いけるとはいうものの23区外である。要するに適度に田舎だったのだ。 適度に田舎な中学生がやることと言えば、部活動のスポーツである。勉強そっちのけでひたすら強く、速く、逞しくを目指す。脳筋という言葉がある。まさしく

          SF、水泳少年、文真堂書店広沢店

          お守りであるってむずかしいー『街の上で』を観てー

          今泉力哉監督の最新作である『街の上で』の感想である。控えめにいって最高である。色々言いたいことはあるのだが、今回は、「お守り」をキーワードに述べていきたいと思う。 若葉竜也さんの「お守り」発言主演の若葉竜也さんが、舞台挨拶において新型コロナウイルスの影響で人々にゆとりがなくなり、文化のあり方を考えていかなければならないと述べつつ、「明日だけ頑張ろうかなと思えるお守りみたいな映画になっている」とコメントした。 この「お守り」であるという表現、とてもいいと思ったし、まさにこの

          お守りであるってむずかしいー『街の上で』を観てー

          飲み会終わりに女の子の部屋に行ったらどうなる?ー『街の上で』ー

          どうしても今泉力哉監督の最新作「街の上で」をたくさんの人にみてもらいたので、かく。 かくにあたって映画のネタバレはせず、youtubeにある予告編や既出のあらすじまでに情報を留める。 この作品は、2021年に公開される日本映画の中でベストといっても過言ではないと思う。ぜひみてほしい。 またあらすじを公式ホームページから引用する。  古着屋で働く荒川青は、恋人に浮気された上にフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。そんな青のもとに、美大に通う女性監督から自主映画への

          飲み会終わりに女の子の部屋に行ったらどうなる?ー『街の上で』ー

          1000字に有限化する

          ウェブサイトに文字を連ねるということは、無限に文字が書け、投稿できるということである。それは、書く行為に困難を生じさせる。なぜなら文字数、投稿頻度が自由であるために、書きたいことがまとまらない。また修正が簡単にできるため、完成が不可能になるからだ。だから方針を述べる。それによって無限に思える書くことの有限化を試みる。 そのとき、手掛かりにしたいのは、清水幾太郎(1907-1988)である。彼は、社会学者であり、ジャーナリストでもある。G.ジンメルやE.H.カーの書籍の翻訳を

          1000字に有限化する

          ゾウを想い、描く

          星を結び星座にできるのは人間だけである。 1ヶ月前には考えもしなかった場所にいて、生活をしている。なぜ広島にいるのか、それはまたあとで話すことにしよう。それでもこの一年でやりたいことは、自分の言葉を紡ぐことである。 大学生の頃は、ひたすらに音楽を聴き、映画を観て、本を読んでいた。だけど、何か自分の作品をつくる機会には出会わなかった(後悔はしていない)。だからそれをやりたい。絵を描くことや音楽を奏でること、踊ることはできないけれど、言葉を紡ぐことで作品をつくりたい、今はそう

          ゾウを想い、描く