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高橋名人に会ったときの話

もう10年ぐらい前になるんですけど、都内で一人暮らししてた頃に家の近所で高橋名人に会ったんですよ。当時のおれのアパートの近所に高橋名人御用達のバイク屋さんがあって、いつも前を通るたびに中を覗いてチェックするという我ながらキモいことしてたんですけど、ある日おれが家でミクシィを見てたら、数分前に高橋名人がそのバイク屋の隣の食堂でメシを食ったという日記をアップしてたので、これは!と思った次の瞬間には部屋に飾ってたハドソンのジョイスティックをバッグに突っ込んで家を飛び出してたんですね。で、ダッシュでバイク屋に行ってみたらやっぱりいたんですよ名人が。もうおれも緊張と興奮でよくわからなくなってて、どっからどう見ても高橋名人なのに、第一声「あの、すいません、高橋名人ですよね?」なんて素人丸出しの感じで話しかけてしまいましたね。おれはとにかく死んでもジョイスティックにサインをもらうという意気込みで足がもげるぐらいダッシュしてきたので、バッグからジョイスティックを取り出そうと思ったんですけど、まず名人から見たこの状況、なんでもないプライベートのときに自分を発見して寄ってきたファンらしき人がいきなりバッグからジョイスティックを取り出すという状況については説明が必要だと思ったんで、「あの、わたし家がすぐそこなんですけど、その、さっきミクシィ見て、そこの店でご飯食べたって、だからコレ持って、ダッシュで来たんですよ」ってしどろもどろに説明しながらジョイスティック取り出したら名人めっちゃ笑って快くサインしてくれて握手してくれてツーショットで写真まで撮ってくれて成れ果て的に人生最高の一日になったんですけど、これ、名人たぶん覚えてると思うんですよ。だってこんなのなかなかないでしょ。だからもしまた名人に会える機会があったら確認したいですね。かなり迷惑なファンですよ。ほんとにキモい。

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