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めぐりめぐる温度|PICU 小児集中治療室 #10

※ PICU 小児集中治療室 10話までのネタバレを含みます



気丈にふるまった志子田 武四郎(吉沢 亮さん)は大丈夫ではなかった。

支えだった母さんである南ちゃん(大竹 しのぶさん)が亡くなり、自分自身のケアや喪の作業をする時間もなく怒涛に走った9話から。

どんな場面でも本気で取り組み綺麗に涙する、あんなに優しく物事を感じやすい男の子が、大丈夫なわけがないのは分かりきっていた。


彼が救った親友の悠太(高杉 真宙さん)、暖かな田舎の山田先生(イッセー尾形さん)が、固く閉ざされた彼の情緒を受け止める。

出産前に武四郎に掴みかかり、「うるせえ!たけちゃんは自分の心配をしろ!」と鬼の形相で大暴れし、出産後柔らかに笑う桃子(生田 絵梨花さん)には、どこか南ちゃんの面影を感じる。南ちゃんはあんなに乱暴じゃなかったけど……笑

最初はてんでバラバラだったのに、武四郎の力でいつの間にかまとまったPICUメンバーは軽口を叩いて彼を受け入れる。

植野先生(安田  顕さん)は、武四郎を一度失い、武四郎が残した「人のつなぎ方」を改めて知る。


武四郎が作る夕飯には南ちゃんがいた頃の温度が生まれたら、もうきっと、武四郎は穏やかに立ち向かえる。
彼の人生に。

武四郎は、さまざまな人と心を繋ぐ。
その温度で、世界はめぐり、武四郎へとめぐるのだろう。


怒り、苦しみ、悲しみ、嬉しさ。
このドラマの表現する現実的で機微な心情の動きと、人と人の柔らかな関係。
志子田武四郎の等身大の温度がだいすきです。

あと武四郎本人も自覚してるけど彼は顔がいい。笑


最後まで見届けたい……!

今期個人的に一番大好きなPICU、
全人類見てください………………!

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