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渋沢栄一『論語と算盤』に学ぶ

 今回の本部活企画は「渋沢栄一『論語と算盤』に学ぶ」です。

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 渋沢栄一は、3年後の2024年から1万円札の顔となり、今年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公にもなっています。池田先生も指導のなかで、その言葉を引用されており、今回の企画とさせていただきました。

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 渋沢栄一は、明治時代に活躍した実業家、近代日本社会や経済の礎を築いた人物です。生涯で約500の会社や600の社会事業にかかわっています。

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 『論語と算盤』は、渋沢栄一の講演記録を編集した著作です。今年のGW前に、日経新聞が各政党の幹部に“薦めたい本”を尋ねた記事で、公明党の山口代表は『現代語訳 論語と算盤』を挙げ「渋沢の思想は『公明党の立党精神〈大衆とともに〉と相通ずる』とも述べる」と紹介されていました(2021-04-30付日本経済新聞夕刊)。
 今、我々が臨んでいる法戦に向けて、渋沢栄一の思想から3点学んでまいりたいと思います!

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 渋沢栄一の思想に学ぶポイントの1つ目は『高く大いなる志を持つ』ことです。

 渋沢栄一は、日本の近代化にとって非常に重要な実績を数多く残しているため、立派な経歴の持ち主だと思うかもしれません。しかし、意外にも渋沢栄一は、どちらかといえば、行動に一貫性がなく、右往左往しているようにしか見えない青年期を送りました。たとえば、10代で尊王攘夷運動に熱を上げ徳川幕府を倒そうとしていたかと思えば、数年後には、のちに第15代将軍となる徳川慶喜に仕えました(大河ドラマでは今ちょうどココが描かれています)。また、明治政府が誕生すると、大蔵省の一員として新しい国づくりに力を尽くしますが、突然職を辞して民間の実業家に転身しました。

 行動だけを見ると、どうにも芯のない人のように見えるかもしれませんが、その行動の根本には、『高く大いなる志』がありました。芯のないように見えるのも、実は「良い国をつくる」という『高く大いなる志』を実現するために、自らの行動を柔軟に変えていたからなのです。

 公明党への批判としてよく、国会では自民党と連立し、東京では都民ファースト、大阪では維新の会と組んでいて、コウモリのような全く芯のない政党だ、というものがあります。

 しかし、渋沢栄一の思想から学べるように、公明党の『高く大いなる志』すなわち“人間主義の政策を速やかに実現する”ための行動であると理解できます。

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 ちなみに、都議会公明党は、都議選に向けて都民ファーストとの連携を解消し、自民党と政策協定を結びました。これは、新型コロナ対策では国政と都政の連携強化が不可欠であり、都政でも自民党との信頼関係構築が必要と判断されたこと、また都民ファーストは会派としてまとまりがなく、共産党と連携するようになったことが理由のようです。

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 『広布の大願に生きると、なぜ自分の願いも叶うのか。』池田先生は、未来部に対して、大宇宙の運行に例えて次のように教えてくださっています。

 『「世界広宣流布」という大願を目指す運動は「公転」といえます。そして、自らの悩みや課題を克服していく「人間革命」への挑戦は「自転」です。大宇宙を貫く妙なる法則である題目を唱え、広宣流布のリズムに心を合わせる時、自分自身の生命の大回転が始まり、希望の価値創造ができるのです。
 (中略)大海のように広大で、大地のように確固たる妙法と共に生きるならば、自分自身の悩みを小さく見下ろして、大海のように全てを包みこみ、大地のように揺るがない大境涯を厳然と開くことができます。』
【『池田大作先生 誓いの明日へ--南条時光を語る』第8回「広宣流布の大願に生きよ」2018-11-01付未来ジャーナル】

 来る法戦に向けて、「立正安国」「立正安世界」という『高く大いなる志』を持って行動してまいりましょう!

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 渋沢栄一の思想に学ぶポイントの2つ目は『「誠実」の限りを尽くす』ことです。

 そもそも『論語と算盤』は、明治維新を経て、物質的には豊かな国となった日本において、物質的な豊かさ(算盤)を求めるだけでなく、精神的な豊かさ(論語)も追求するために、渋沢栄一が語り残した経営哲学です。

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 池田先生は、随筆『永遠なれ創価の大城』で渋沢栄一の言葉を引用し、“対話の要諦”を教えてくださっています。

 『「対話」の要諦とは、いったい何か。
 埼玉出身で、日本の近代経済の父・渋沢栄一翁は訴えている。
 「世に至誠ほど、偉力あるものはない」と。
 至誠、つまり「誠実」の限りを尽くす以上の偉大な力はないのだ。
 渋沢翁はさらに、“至誠をもって、わが真心を表し、人と向き合うことだ。そうすれば、いかに交際が下手でも、必ず、相手に心は通じる。小手先の策を用いる必要などない”(趣意)とも言われていた。
 その通りである。
 大聖人は「心こそ大切なれ」(御書1192ページ)と仰せられた。
 わが友に幸せになってほしい。よき社会、よき未来を一緒に築いていきたい――真心からの真剣な祈りと、勇気の対話が、自身の境涯も大きく開いていくのだ。』
【『随筆 永遠なれ創価の大城』〈2〉「勇気凛々 2月を先駆」2016-02-04付聖教新聞】

 来る法戦に向けて、我々はVoiceActionを始め、友人への対話に取り組んでいます。ここでは、今後の対話に備えて、公明党の新型コロナ対策の実績を振り返りたいと思います。

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 今、接種が進められているワクチンについて、当初政府は、外国産ワクチンを供給する意志決定をしていませんでした。しかし、公明党議員が国会で政府から「予備費を活用してワクチンを確保する」という答弁を引き出したことから、外国の製薬メーカーとの交渉が一気に進みました。またワクチン接種の無料化も、公明党が何度も要求して実現されています。さらに公明党は、世界のコロナ収束のため、途上国に無償でワクチンを供給する「COVAXファシリティー」への日本の参加を進め、先進国で日本が初めて参加を表明したことにより、EU諸国や中国、アメリカなど参加する国が一気に増えました。

 その他、療養施設へのパルスオキシメータの配備や、専門家会議の設置、一人一律10万円の特別定額給付金など、国民が求める政策を実現し続けています。

 公明党が素晴らしい実績をあげても、友人がその実績を知らず、投票に結び付かないのであれば、公明党が実現できる政策は限定的となってしまいます。渋沢栄一の思想から学べるように、『「誠実」の限りを尽くし』て、友人と対話してまいりましょう!

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 渋沢栄一の思想に学ぶポイントの3つ目は『自己の本分だと覚悟を決める』ことです。
 渋沢栄一は『論語と算盤』のなかで、逆境を乗り越えるヒントを示しています。

 『逆境に立たされた場合、どんな人でもまず、「自己の本分」だと覚悟を決めるのが唯一の策ではないか、ということなのだ。現状に満足することを知って、自分の守備範囲を守り、「どんなに頭を悩ませても結局、天命であるから仕方がない」とあきらめがつくならば、どんなに対処しがたい逆境にいても、心は平静さを保つことができるに違いない。』

 これは「宿命を使命」とする池田先生の思想とも響き合っています。池田先生は昨年12月の「大白蓮華」『世界を照らす太陽の仏法』で講義されました。

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『「われには われのみの使命がある
  君にも、
  君でなければ出来ない使命がある」
 50年前の1970年(昭和45年)の師走、後継の若き友に贈った「青年の譜」の一節です。
 偉大な妙法を持つ私たち学会員には、自身の人間革命を通して、「立正安国」すなわち平和のため、人々の幸福のために社会を変革していく尊き使命がある。そのことを、次代を担う青年たちに訴えておきたかったのです。』
【『池田大作先生の講義 世界を照らす太陽の仏法』第68回「大白蓮華」2020年12月号】

 私たちの使命は、宿命を転換し、その人間革命の姿を通して、社会を変革していくことなのです。
 池田先生の「青年の譜」を通した講義は続きます。

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『私は、次のようにもつづりました。
 「二十一世紀に生きゆく
  民衆の願望は
  外形のみの改革にはない
  一人ひとりの哲学と思想の中に
  平和裡に漸進的な
  汝自身の
  健全なる革命を願っている」(中略)
 大事なことは、急進的な「外形のみの改革」ではなく、着実に精神の大地を耕し、豊かな幸福の実りをもたらしていく漸進主義です。』
【『池田大作先生の講義 世界を照らす太陽の仏法』第68回「大白蓮華」2020年12月号】

 ここで、池田先生が否定されている“急進的な「外形のみの改革」”を目指しているのが、日本共産党に他ならないと思います。共産党は、“無知な民衆に正しい思想を教えてやらなければならない”という“上から目線”のエリート主義の価値観を持った政党です。そして今、価値観をもたない立憲民主党などが、共産党の価値観に引き寄せられ、野党共闘を進めています。
 しかし、歴史をたどれば、一部の職業革命家集団が、大衆をリードするというかたちをとった運動は、理想に走って民衆の生活から離れてしまい、ときには暴走して悲惨な流血や犠牲を招いてしまうケースがほとんどでした。

 これに対抗できるのは、仏法の中道主義、人間主義、平和主義という価値観を持つ公明党であり、“平和裡に漸進的な汝自身の健全なる革命”、すなわち、人間革命を通した社会変革を目指す「立正安国」「立正安世界」の戦いしかありません。

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 公明党は、どこまでも庶民目線で、最近では、政治とカネの問題に関する国民の声に応え、有罪が確定し当選無効となった国会議員の歳費を返還する仕組みをつくることを、いち早く表明しました(2021/05/07)。

 上から目線の急進的な改革を目指す野党を勝たせることなく、庶民目線で改革を進める公明党を勝たせてまいりましょう!

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 最後に渋沢栄一『論語と算盤』から宗教者へのエールとも取れる一節を紹介して、今回の企画を終わります。

『今日の状態は、天下の人々の心が一つになるようなこともなく、宗教もまた形式的になってしまった。残念ながらまるで茶道の流派や流儀のように、分裂したありさまに宗教界がなっている。これでは民衆を導くこともできない。何とかしなければならない事態だと思う。
 この状態に対して、よい手を打ちたいと思うのだが、世間では迷信などもいまだに盛んなままだ。迷信を下手に信じてしまい、田んぼをダメにしてしまったとか、喰いぶちを失ったという人も多い。まともな宗教家が本当に力を入れて活動しなければ、こういった勢力はますます盛んになるばかりだろう。西洋人はいう。「信念がつよければ、道徳は必要ない」その信念を持たなければならない。』

企画は以上となります。ありがとうございました!

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