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【パラノマサイト】ロケ地巡り&本所七不思議ゆかりの地へ行ってみた。

ネタバレはあんまりない。思い出した程度にちょっと書く程度。

出かける前に下調べ

パラノマサイト面白かったなぁ!の余韻に浸りたくて、ざっくり本所七不思議を調べてみる。

ゲーム内でも触れられていた通り、本所七不思議は時代や説によって七つだったり九つだったりそれ以上だったりと、かなり曖昧。ちなみに、墨田区オフィシャルの回答?もあったりする。https://www.city.sumida.lg.jp/faq/bunka_kanko/bunka_jigyou/1148.html

墨田区のお隣、中央区の図書館では『江戸の七不思議』特集にて紹介されていた。ここでは『消えずの行灯』ではなくお話としては真逆の『燈無蕎麦』が入っているのが興味深い。https://www.library.city.chuo.tokyo.jp/images/upload/kansei_nihonbashi96_page06.pdf

また、本所七不思議についてメインで書かれている本は見つけられなかったものの、江戸時代の怪談奇談をまとめたものならあった。他の七不思議についても詳しく書いてあって面白いし、浮世絵を挟みながら説明しているので読みやすい。おすすめ。
https://www.amazon.co.jp/江戸の闇・魔界めぐり―怨霊スターと怪異伝説-岡崎-柾男/dp/4808706520

パラノマサイトのゲーム内資料と、調べた内容を踏まえて早速出かけてみた。ロケ地については公式Twitterを参考に。https://twitter.com/paranorma_pr/status/1639148856570155009?s=46&t=BD36-14eUkpDi7nzZEv3Ng
※今回は志岐間邸モデルとなった旧小山住宅は時間の関係で断念。機会があればまた。

置いてけ堀(錦糸堀公園周辺)

最初はやっぱり錦糸堀公園だよね!と錦糸町から歩いていく。途中、かわいいイラストもあった。

置いてけ堀のイラスト

いや、置いていかずに逃げてるじゃん。
そんなことを思いながら公園へ向かっていけば、本当に駅近くだった。桜が咲いていて、花見してる人もちらほら。

桜が咲いている錦糸堀公園

あのプロタンを夢中にさせる遊具こそなかったが、葉子が話しかけていたゾウらしきものもいた。公園付近を歩くと置いてけ堀の石碑や鮒?をモチーフにしたものまで。

鮒モチーフと思われるもの
おいてけ堀跡の石碑
石碑の隣には説明を記載されていた

錦糸堀公園自体にはこのような河童の像も置いてある。どうやら、置いてけ堀の声の主が河童である説を推しているらしい。結構、この声が誰かは説が分かれるところらしくて、狸やかわうそ、のっぺらぼうのような化物説など伝えられた話によって変わるのが面白い。

私は化け物よりかは狸やかわうそだった説を信じたいな。だってその方が怖くないし。

ウキウキの河童

錦糸町駅近く、山田家さんでは本所七不思議をモチーフにした人形焼を売っている。箱の包み紙には本所七不思議の逸話が描かれているが、今回は普通に袋入りのものを購入した。袋バージョンにも置いてけ堀の逸話が書いてある。味はあんこが甘くて美味しかった。そういえば人形焼を初めて食べた気がするな。

人形焼の看板が少しおどろおどろしい
置いてけ堀の逸話、イラストがかわいい


津軽の太鼓(緑町公園)

両国に移動して緑町公園付近。
津軽の太鼓ゆかりの場所、というよりは葛飾北斎生誕の地として注目されていた。それはそう。

春満開な昼下がりの緑町公園

桜満開でちょっと笑う。だるまさんが転んだできるほど生い茂っていないが、この木一つだけで存在は凄い。
葛飾北斎ゆかりの地として、公園内にはモザイクアートや説明のパネルも設置されている。

浮世絵でよく見る富士山(富嶽三十六景の一つらしい)
葛飾北斎生誕の地について

津軽の太鼓の説明もちゃんとあった。
火事になったときは板木で知らせるのが一般的で、太鼓は本来「定火消」という偉い人でなければ使えない(旗本から選ぶらしい)。けれど、津軽家の屋敷では太鼓が使えたので不思議だね、という話。

津軽の太鼓について

最初読んだときはいまいちピンと来なかったが、確かに現代でも「あそこの家は〜〜だけど〜〜よね」みたいなちょっと下世話な噂話はあるし、感覚としてはそれに近いのかもしれない。

今回は併設されている「すみだ北斎美術館」は時間の関係で断念。全面銀色でかなり目立っていたが、またの機会に行ってみよう。

すみっコぐらしに劣らずかわいいね

ちなみに両国駅内にある案内所には、まだ冊子が置いてありました。置いてけ堀ちゃんがなんともかわいい。入って左側の案内冊子が置いてある棚に並べられていた。
配布場所についてはこちらの記事を参考に。
https://www.famitsu.com/news/202303/09295421.html


落葉なき椎(旧安田庭園)

両国駅から両国国技館方面に歩き、国技館の敷地を過ぎたあたりで旧安田庭園到着。生類憐みの令でお馴染みの徳川綱吉、の叔父さんの下屋敷だったらしい。のちに安田さん所有になったみたいだ。

旧安田庭園
ゲーム内の背景と比べるとビルが目立つ

何故かわからないが急にライターを投げたくなってしまう池。※投げてはいけません
悲しいことに椎木もなければ、案内板もかつてはあったらしいがなくなってしまっている。まあ、確かに普通の木だもんね。

当時の人にとっては津軽の太鼓と同じように、ちょっとした屋敷があるとそれだけで目立っていたんだろうな。そんなことを考えつつ少し調べてみれば、当時「嬉しの森」という別名もあったそう。なんだそのテーマパークみたいな名付け方は。

というのも、どうやら吉原へ舟通いするときにこの屋敷が見えていたらしい。わくわくした気持ちで舟に乗って、生い茂っている椎の木屋敷を見てテンション上がるなんて。まるで一つのアトラクション扱いだ。

墨田川沿いにしばしば見かける葛飾北斎パネル

旧安田庭園を出て隅田川沿いに葛飾北斎の案内板があり、ここにちらっと落葉なき椎についても書いてあった。
散策していた時期はまさしく春だったので隅田川も屋台舟が行き交っていたし、当時の人たちもきっとこんな感じで渡っていたのだろうな。

隅田川にはお花見遊覧船が何度も行き来していた


片葉の葦(両国橋)

七不思議の中で、急に物騒な片葉の葦。
両国駅から浅草橋駅方面に歩いていく途中にある両国橋。この球体はゲーム中何度か登場していたこともあって印象深い。

後ろを振り向くと、女性が音もなく立っていそう

何故かこのあたりで声が聞こえなくなることが多い場所。
橋のすぐ横にはちょっとした広場もあって、やたらデカい石碑もあった。

ここでも桜満開

実はこの辺りで両国物語「片葉の葦」の看板があるらしいのだが、素通りしてしまっていた。残念。

片手片足を切られたお駒さん、相当酷いことされているのに人間相手じゃなくて植物相手に呪う程度に収まっているのはちょっと優しいかも。


送り行灯(法恩寺橋)

場所としては錦糸町駅から東京スカイツリーにかけて広がる大横川親水公園内、真ん中あたりにある法恩寺橋。川は埋め立てられて広い公園となっているが、遊具があるコーナーや釣り堀などもあり、子供から大人まで楽しめるような公園になっていた。錦糸町からスカイツリーを目指して歩くのも楽しそう。

法恩寺橋

多分撮った画角を間違えた。でも橋には変わりない。
ちなみに同公園内に本所七不思議パネルがあるということは知っていて、それも探してみた。

置いてけ堀

そうそうこれこれ!ちょうちんではなくて見つけたパネルを辿っていくと、「置いてけ堀」をはじめとし「片葉のあし」「送りちょうちん」「狸ばやし」「あかりなしそば」「足洗い屋敷」「送り拍子木」の七つが説明されていた。

片葉のあしはちょっとマイルドな表現に。
送りちょうちん
狸ばやし
あかりなしそば
足洗い屋敷
送り拍子木

子供たちが遊ぶ横にこんなパネルが並べて設置されているのも面白い。子供たちが少し羨ましい気もするが、そんなことはあんまり気にせず遊んでいそう。

吾妻橋

七不思議を基にしたロケ地は巡っていたので、他のロケ地にも行ってみよう。ということで、吾妻橋まで散策しに来た。ゲーム内では色々と印象深い場所。
浅草近くになってくると観光客もかなり多く、遊覧船や屋形船が行き交う隅田川が臨める。これまでの場所と異なり、流石に人も多かった。

人の混雑を配慮した画角

とてもあのビルが目立つ。


すみだ郷土文化資料館

せっかく浅草のほうまで来たのだから、という理由で資料館まで歩いた。場所は浅草から東京スカイツリーの真ん中あたり。

隅田川周囲には観光客が大勢居たが、施設内は打って変わって追いついた雰囲気。施設内では、墨田区の歴史全般について取り扱っていた。

すみだ郷土文化資料館

ちょうど最近に開館していたようで、外観も内観も綺麗だった。
企画展には本所七不思議についても、これまた偶然取り扱っていた。館内の写真はNGなので写真は無いが、ゲーム内にあった本所七不思議の浮世絵や本所七不思議について書かれた書物などが展示されている。
特に興味深かったのは笠亭仙果の『七不思議葛飾譚』の展示。必ずしも七不思議は七つでは無い旨が記載されていて、それはゲーム内でも言及されていたけれど、「埋蔵の溝」や「赤豆婆」などの今までの本所七不思議には無い伝承も記載されていた。そうそう、こういうの知りたかったんだよ、と資料館の一部展示コーナーで食い入るように見入ってしまった。どんな話か気になるね。


終わりに

今回はパラノマサイトのロケ地を中心にざっくりと本所七不思議に関連しそうな場所を巡っていった。

両国駅で受け取った冊子を見れば、今回は行かなかった七不思議の場所がちゃんと書かれている。冊子を見返しながら散策すると、興家彰吾のように墨田区を駆け回れる体験ができたかもしれない。

(とはいえこの一日だけでも約三万歩歩いているというのに、数時間の間に色んな場所を行き来する興家彰吾は中々に体力ゴリラであったことを痛感した一日だった)


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