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soar conference 2018 語り


「かなせさんのその笑顔の裏には、様々なつらいことがあって、きっと、いろんなことを乗り越えてきたんだろうなぁって思いました」

soar conference 2018 に参加して、一緒にグループワークをした方に、最後にこんな言葉をかけて頂きました。
本当に嬉しくて泣きそうになりました。(いや、少しだけ泣きました)

去年も参加したsoarのカンファレンス、今年も開催されると聞き、とても楽しみにしていました。

ゲストのみなさんのお話と、最後には、beの肩書きを考えるグループワーク。

語りというテーマのもと、過ごした時間は本当に良い時間で、あっという間に終わってしまいました。
去年は「少し疲れてしまったけれど、良い疲れだった」と振り返っていましたが、今年は本当にあっという間で、そのまま帰るのが名残惜しくなりました。
しっぽりとお酒が飲みたくなって、ゆっくりと考えるために、大好きなシーシャ屋さんに来て、今、これを書いています。

今回のゲスト、もちろんどの方もとても魅力的なのですが、特にわたしは、べてるの家の向谷地生良さん、しょうぶ学園の福森伸さんのお話を聞けることがとても嬉しく、本当に楽しみにしていました。

向谷地さんのお話、どのお話も本当に感銘を受けたのですが、特に今日、このタイミングでわたしの心に1番刺さったお話し。

リストカットが止まらない方がいる。その方は周りにトゲのある言葉をかけることがある。そんな言葉をかけていてメリットはあるの?と問いかけた。すると、その方は「周りにトゲのある言葉を発することで、自分自身をも傷つけている。リストカットをする理由になっているのかもしれない」と答えた。悪い下ごしらえを貯めていき、いっぱいになったところで、スパッと切る。対話をすることで、そのことに気づいた。


このお話を聞いて、わたし自身の過去と繋がり、はじめて腑に落ちました。

わたしの左手首には今も傷跡が残っています。そのことを隠しているわけではないけれど、誇れることではないととても後悔をしています。その後悔の気持ちに変わりはないのだけれど、認めてあげることは出来るような気がしました。
あの頃のわたしも、様々なつらさを自分の中に貯めていき、いっぱいになってしまっていた結果だったのかなぁと。
そう思えたら、今、リストカットをしなくても、生きていけている環境に本当に感謝しかないなぁと思うと同時に、自分自身のことも少しは褒めてあげてもいいのかなぁと。
今もつらいことはあるけれど、それを自分の中だけに貯めることなく、周りの人と対話をする環境があるということ、本当にしあわせなことだなぁと。

べてるの家の取り組みにとても感銘を受け、当事者研究の可能性を知り、嬉しくなったあと、最後にわたしが感じたことはこんなことでした。

このことをnoteに書こうか、とても迷いましたが、これも当事者研究かなぁと、自分の語りの一つとして書かせて頂きました。


そして、しょうぶ学園の福森伸さんのお話。

彼が「出来ない人」なのではなくて、「僕たちが求めていることが出来ない」というだけのことだった。物作りを通して、「彼らがしたいこと、出来ることを、支援するのではなく、手伝う」という考えに変わっていった。その考え方は日常の中にも溶け込んでいく。例えば、昼食を12時から15時まで食べている方。もしかしたら、15時にはおやつがあり、その後には夕食もある。その方は12時から夕食までずっと食べ続けていることが幸せなのかもしれない。それならば、それで良いのではないか。そんな風にスタッフの考え方を変えていく。「ギャー」と大声を出す方には、一緒に「ギャー」と言ってみる。それは支援ではなくて、手伝うということ。

支援ではなく、手伝うという考え方。
わたしの施設にも、大声を出す利用者様がいる。その方に「小さい声でお願いします」と声をかけてきた。他の利用者様にも影響が出てしまうから。
でも、それは支援かもしれないけれど、手伝うということではない。
大声が彼の表現方法なのだとしたら、どうしたら彼のその表現方法を尊重して、そのままを受け入れることが出来るのだろうか、と考えに詰まってしまった。
一緒に「ギャー」と言う環境を作ることが出来るのだろうか。
でも、きっと、わたしが、以前のnoteで書いた「理想を目指して出来ることをしていきたい」そのための具体的な行動が、そういうことの積み重ねなのかもしれないと思った。
そう思ったら、わたしがしてきた支援の様々な場面を思い出し、わたしは本当の意味で利用者様に寄り添うことが出来ていたのだろうかと悔しいような悲しいような、苦しい気持ちになった。

これまでは「社会」があって、そこに皆が入ってこれるようにする。社会の側に馴染ませるという発想になりがち。それは障害を持っている方にとって難しいこと。障害者がありのままで存在が認められるように、異なる暮らしも尊重されないといけない。僕らが、障害者の社会に行くことは出来ないのだろうか。

入所施設という環境だからこそ、もっと出来ることがあるのではないかと思った。
彼らがやりたいことをそのままやってもらえるような環境をもっと整えることが出来るのではないか。

わたしが目指している「柔らかくて優しい社会」は、そんな社会なのではないかと思い、ずっと言っているだけで、現場での実践になっていないことが、本当に悲しくて、変わりたいと思った。
好きなことを自由に出来る環境を施設だからこそ作れるはず。作りたい。本当に心からそう思った。

カンファレンスが終わった時、「この話を聞いてから、明日からまた現場に入れるかなせちゃんは良いね。羨ましい。現場がまた楽しみになるね。」というような事を言って頂き、
そうだった。わたしには現場がある。思ったことを実践できる環境にいる。
そう思えて、もっともっとがんばろうと思った。


その一方で、知的障害を持った人、いきなり叫んだり、飛び跳ねたり、時には他害がある人たちのことを怖いと思う人や避けようとする人もいる。
でも、そうじゃないんだよってことを、現場のスタッフが一番よく分かっていて、知っていることがたくさんある。
それをどんな風に発信していったら、少しでも社会の方から障害者の側に来ることが出来るのだろうか。
わたしが、どんなふうに行動していくことで、社会が優しくなれるのだろうか。

そんなことまで考えて、わたしのやりたい「障害福祉の魅力を伝える」ということの意味がより深まった。

まず、わたしが取り組むことは、現場での実践だとも思えた。
わたしたちがどんなふうに考え方を変えて、「手伝う」ことが出来るのだろうか。
今日の学びを現場に活かせるように、スタッフのみなさんと一緒に話し合ってみます!


最後に、beの肩書きを考えるグループワーク。わたしはbeの肩書きにソーシャルワーカーを選びました。
どんな時に幸せを感じるかの問いに「利用者様の変化を知ったとき」という答えが一番に浮かび、その幸せな瞬間をいくらでも語れる。そんな自分は好きだとも思える。
一緒にグループワークをした方から「かなせさんはかなせさん自身へのソーシャルワーカーでもあるんだなぁと思いました」と言われ、とても嬉しかった。

どんな仕事をしていても、わたしはソーシャルワーカーとして、生きていきたい。そして、ソーシャルワーカーとして働くことが出来ている今が最高に幸せで、大切な時間だと気づいた。

1年前、「不幸だったなって思いながら死にたくないから、わたしはまだ生きている」と言ったけれど、今は、「幸せだったな」と思いながら死ぬことが出来る。
そんな自分の変化にも幸せを感じた。

こんな風になれたのは、KAIGO LEADERSやsoarのおかげだと心から思う。本当に感謝しています。これからも学ばさせていただきます。

語りというテーマが、今のわたしにはぴったりで、この1年間を振り返る機会になりました。本当に充実した時間を過ごすことが出来ました。



グループワークをした方々から頂いたわたしのbeの肩書き。

周りの人の全ての行動を、自分の力に変えて進むソーシャルワーカー
すべてを包み込む、ひだまりのようなソーシャルワーカー

言っていただいた言葉のまま、これからも生きていきたいなぁ。

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かなせです。最後までお読み頂き本当にありがとうございます。スキやコメント、フォローもお気軽に頂けると嬉しいです。

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甘くて柔らかくて優しく包み込んでくれる“わたがし”のようになりたい。黒猫のモカと暮らしています。 障害者支援施設スタッフ/KAIGO LEADERS/KAIGO MY PROJECT運営メンバー/社会福祉士/精神保健福祉士 連絡はtwitterのDMへ。

コメント8件

かなせさん、昨年に引き続きsoar conferenceにご参加いただきありがとうございました✨noteを拝見して、当日の様子が思い起こされるようでした。感想をお聞かせいただけてとても嬉しく思います。これからもsoarをよろしくお願いいたします😊
soarさん、こちらこそいつも本当にありがとうございます☺️これからもどうぞよろしくお願いします!
soar conferenceでかなせさんとお会いできたこと、とてもうれしく思いました。初めてお会いしたのは「SHIPの生きづらさを感じている全ての人へ」というイベントで、あまり交流できなかったと思うのですが、その後すっかりかなせさんのnoteが大好きになってしまいました。かなせさんの文章にやさしさがあふれていて、文字だけなのにやさしさに包まれてる気分になります。おそらく私がsoarを知ったのもかなせさんの記事からだったと思います。conferenceはとても素敵な時間でしたね☺️
まなえもんさん、いつも本当にありがとうございます☺️
声をかけていただき、ありがとうございました。またお話しできてとても嬉しかったです!
そんな風に言っていただけて、本当に嬉しいです。わたしもまなえもんさんからの気持ちに支えられています。本当にありがとうございます。
素敵な時間を共有でき嬉しかったです。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
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