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トイドローン初心者がぶつかるいくつかの壁

カルチャーセンターで「ドローン入門」、「トイドローン入門」という講座をやらせてもらって、4年くらい経ちますが、みなさん、ぶつかるところが、それぞれ違うなーと思う事がよくあります。

ドローンとラジコンカーの操縦で違うところは何かと考えると、ドローンは3Dで、ラジコンカーは2Dであると言えるでしょう。ラジコンカーと比べると「上と下」という二つの要素が加わるだけですが、これが入る事で、世界観はガラッと変わるのです。

トイドローンの場合、一部の機種を除いて、ほとんどにGPSは付いていません。そのため、何もしなくても、右に左に、もしくは前後にフラフラ動いてしまうのが特徴です。ドローンスクールでは、わざとフラフラ系のトイドローンを初心者に操縦させて、難しさを体験させるところもあります。

僕のカルチャーセンターでのドローン講座でも、手のひらサイズのトイドローンを飛ばしてもらっていましたが、落とされて壊れていくトイドローンを見るのは辛いものがありました。

そんな時に登場したのが、RyzeTech社の「Tello」であり、ビジョンポジショニングという素晴らしいセンサーのシステムにより、フラフラのない安定した飛行が実現されたのです。

トイドローンの操作の難しさで、飛行する楽しみまで辿りつけなかった人たちが、挫折せずに次のステップに進めるようになったのは、良い事だと言わざるを得ません。

安定した飛行で、ドローンを飛ばすのって意外と簡単と思っている初心者の皆さんがぶつかる一つ目の壁が、ドローンの進行方向が自分に向いた時です。飛ばしたい方向に行ってくれないで、反対方向に動いてしまうため、「あれっ?」になります。

そう、操作が逆になるんです。今まで右に移動させたければ、右にレバーを倒せば、ドローンは右に行ってくれました。ところが、ドローンの機首が自分に向いて対面状態になれば、右に移動させるには、レバーを左に倒さなければならないのです。

二つ目の壁は、遠近感の問題。ドローンの機体を見ながら飛ばしていても、障害物との距離はわかり辛いものになります。これぐらいなら、まだ壁(リアルな方の壁です)とぶつからないな...と思っていても、意外と距離は接近していて衝突という事もあるのです。

三つ目の壁は、停止距離の問題。「車は急に止まれない」と同じでドローンも急には止まれません。レバーを離しても、多少はそのまま進んでから停止します。この距離感が掴めずに壁に激突してしまう事もあるのです。ドローンでも車と同じように「ブレーキ」を効かせる方法もあります。進行方向に向かって反対側にレバーを倒す事で、停止距離を少なくする事が出来るのです。

四つ目の壁は、空撮に関わる事で機体とモニターを、ちょこちょこ両方見ながら操作する事。つい、機体の動きに目が行き過ぎてしまい、思った通りに撮影出来ないというのも、よくある話です。

飛行技術で「壁」というものがあるとすれば、「8の字飛行」、「ノーズインサークル」などが挙げられますが、人それぞれに難関となる「壁」はあり、それをクリアしたところに新しい楽しみが待っているという事になります。

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