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190929 世界同時行進になるはずだった

先週、久しぶりにあった香港人の知人が「毎週のようにデモに行っている、次は日曜日」と言っていたのでお願いして同行させてもらった。

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海外の人にはわかりにくいのだけど、連日のように起こるデモや集会にはそれぞれテーマがあり、内容自体が荒れそうなものもある。

この日は「世界同時に反全体主義デモをしましょう」というもので、その抽象性から平和に歩けるのかなと思って、同行をお願いした。

13時に集合と言われて銅鑼湾にきてみれば、もうすでに警察だらけ。

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予定通り知人と合流して、まずは腹ごしらえに…と近くの食堂へ。そこでお仲間さんに会い、自己紹介。知人を含めて香港人女性3人が行動を共にするチームのようだ。年齢はだいたい私と同世代。

「外国人の注目はとても重要だから関心もってくれてありがとう」と言われた。そのあとは、あの事件は知ってるか、この事件は? と聞かれながら次第に彼女たちのマシンガントークに移っていった。

合間に「いま若い子たちが警察のターゲットにされて暴力を受けたり捕まったりしているから、私たちのような中年が護ってあげなくちゃいけないの。あなたもそのつもりでね!」と言われたのが印象に残ってる。アタイ、がんばる。

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突然知人が「私は何があっても自殺はしません」というビデオを撮り始めた。「デモで何かあったときのために」というので、私も合点した。

最近、香港周辺に水死体が何体か上がっている。そのうちの1人は溺死にある浮腫がなく、また過去に捕まった男性と酷似しているとして、市民側は「逮捕の際に激しい暴行を受け死亡したのではないか。警察が遺棄したのではないか」と疑っている。彼女はこれを踏まえてビデオを撮ったのだ。

ちなみに彼女は割と心臓に毛が生えている系のようで、一緒に写真を撮った時も「これが最後かもね」などとサラッと言う。

そして14時。外に出たら更に雰囲気は悪くなっていた。

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警察に対して「黒社会(ヤクザ!)」、「黒警!」と言った怒号が飛ぶ中、覆面&武装警察を従えて少人数の警官グループがヌーっと練り歩き、若い男子を狙って職質。嫌がらせのようにIDを女性警察にメモらせる。

そうすると市民の怒声が更に強くなる。

デモの集合場所になっているメインの通りに出ると、更に雰囲気は悪かった。なにやら一部の群れが騒々しい。そこに記者が取り囲む。すると、プシュッー! と催涙スプレーが撒かれるのが見えた。

更に間も無く、ボン! という音と共に白い煙が立ちあがり、みんなが「下がって!」と呼びかけあって移動し始めた。これがきっかけになって、あちこちからポンポン、と催涙弾が投げ込まれる。

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こんなに早くドンパチが始まるのかと驚いた。

警察を避けるため、どんどん進行方向とは逆に追い込まれてしまった。

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(上にヘリコプターがずっとホバリングしていた)

ここで、知人から「あなたはもう帰ったほうがいい」と言われ、同行を断念。デモの常連のカンを信じて従うことにした。

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(メイン通りを迂回しながら駅まで送ってもらった。「自分で行ける」と言っても「ちゃんと見送らないと心配だから」と。彼女たちはその後無事、大きなデモの集団に加われたそう。さすがベテラン)

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(時代廣場)

そういうわけで、私がデモ現場にいれたのはせいぜい1時間。最近は何かが起こると地下鉄、バスはすぐ止められてしまうのだけど、運良くまだ運行していて、九龍側に戻った。

世界同時なはずなのに他国がどうなっているのかチェックする余裕もなかった。

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(こんな画像もシェアされていた。センスある)

案の定、その後のデモは更に激しくなったようで、Twitterやlive映像の情報は目を覆いたくなるものばかりだ。

明後日の10月1日の国慶節もデモが予定されているようで、激しく心配している。

時代廣場は私が帰った後折り鶴サイトになった模様。

香港のデモは、暴力だけではない。たくさんの普通のおじさんおばさんも怒って行進している。しかし、昨日に関しては本当に警察の不気味さしか伝わらなかった。

その後も行進を続けた知人を含め、多くの香港人の覚悟というか、萎縮しない強さにはさらに敬服している。

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