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月曜モカ子の私的モチーフvol.210「雑女医」(2019.04.15 アーカイヴ)

先週の月モカの締めくくりは、
『東京に着いたとたん発熱とかするかもしれないけれど。そんな怒涛の一週間。Giftedに関すること、明日からぽちぽち上げていきます。』
であったが、Gifted関係ぽちぽちどころか、肺炎になって入院している。
そしてその間にマダムキッキ(82)は名古屋―東京を2往復したそう。

                          
(なんでもキッキさん、携帯を東京に置いたまま名古屋へ。そして名古屋に東京の鍵を置き忘れてしまい、夕方東京へ。その時間管理人さんも不在、携帯は家の中ということで万事休す、そのまま名古屋へUターンして鍵を取りに行ったのだそう。マダム曰く「なんだかそういう時って底力が湧いてくるタイプなの」底力キッキ(82)はエレベーターはおろか、駅の階段をたたたたーっと駆け上ってまた新幹線に乗り込んだらしい)

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実は今日書きたいことは「人間万事塞翁が馬」ってことであって、この内容は以前も書いたように思うのですが、要は何が幸で、何が不幸かわからないという話なのです。

                          
実は先週月曜に、新幹線で月モカを書いたりしながら東京へ帰ってきて、(あれ、あたしヒノキまでデビューした? )っていうくらい体調が悪かった。

                          
それでその次の日いつもの病院に行ったのですが火曜日で主治医不在、気絶するほどやる気のない雑な女医に当たる。
                          
(おおおおおすげえな)
ってくらい、ひどい診察で、わたしがこういう状況に陥った経緯とかもほとんど聞き流し、発熱ないからちょっと喉を診て、聴診器もあてずに扁桃腺の薬を出されて終わった。
結局その扁桃腺の薬は、当然肺炎には効かないわけで、
けれど飲んでは頭がくらくらする、というか夢の中にいるような感じがしてくる副作用に悩まされ、入院二日目、
「この薬を飲んでいるとラリってる感じがしてくる」
                          
と訴えてみた。
(今から思うとその時からカリウムが低かったんだろうな)

薬に罪はないと思ったし思い込みかと思ったが、主治医が今朝(昨日日曜だったから)
「あれ扁桃腺の薬だからもう飲まないで」と言いに来た。

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ヘボ of へぼ OF “ HEBO!!!”
つまりモロヘボ。雑女医。

火曜に主治医がいないのを知って行って、
もう一人のトップの先生を指名しなかったわたしが悪いし、まあ薬もらえたらいいかと思ったわたしが悪いんだが、それでも診察後あまりにひどい仕事の仕方に腸が煮えくり返って、診察室に戻って行って
「・・・(あんたいつか人殺すよ)😒」
と言ってやりたいくらいムカついていたのだが、
(ダメ、そんな人に呪いかけるようなこと!)
と自分で自分を戒めておとなしく帰宅した。
しかしわたしの勘はまあまあ当たっていた。雑女医は、いつか、ではなかったけど、数日後にわたしを肺炎にした。

                          
しかし!

                          
しかしですがな塞翁が馬。
人間万事塞翁が馬。

                          
わたしはその次の日、つまり先週の水曜と木曜と、
おそらく人生でも最も重要だと思える用事で遠出をしたのであります。そう、結果、無理をして入院しているのだけれど、

                          
死ぬときに走馬灯のように思い返す人生の一幕があるとするなら、きっと確実に2019年の4月10日が浮かんでくるだろう。4月10日、そして11日の、長くてとてもクラウディだった、あの旅のこと。
東名高速では事故があって、車のフロントガラスを雨がずっと叩いていた。
わたしたちはなるべく高いポテンシャルを保とうと、
車の中でブルーハーツを聴いた。

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あの怒涛の48時間、まじでジャックバウアーと競るくらい
「♩プ・プ・ピルー」だった2日間
(もはやジャックバウアーの倍やしな。48時間やから2シーズン分)、
その48時間で簡単に人の未来が決まるのかと問われたら、そうだと確実に言える気がする。「ジャァッック!」のように世界を破滅から救えたかといったらそうではないけど、おとなしく家で寝ている場合では絶対になかった。

                          
それを考えていくとだな、
あの雑女医にこそ最高のご神託が降りていたのかもしれない。

                          
もし火曜に肺炎が発覚していたら?
肺炎になってなかったとして、その兆しが発覚してたら?
もしかしたら水曜無理できなかったかもしれないし、
前倒しで入院していたかもしれない。

                          
そう考えると雑医者はわたしに「モッカジャウワー」になれる片道切符をくれたのである。あの対応は今から思い出しても腹がたつけれど。

                          
先ほど談話室で母と電話をしていると主治医(院長先生)がやってきて、
「調子どう? 経過順調だけど、寝てた方がいいからね」と。

                          
朝から夕方までひっきりなしに患者を診ながら、その合間に必ず病棟を巡回して患者の様子を細かく見ている。
火曜に入院になっていれば、先生の手厚い診察ゆえ、
勝手に抜け出すのも容易ではなかったであろう。

                          
塞翁が馬っていうのは、人生何を持って幸というのか、何を持って不幸っていうのかわからないよっていう、中国のことわざです。
http://chugokugo-script.net/koji/saiougauma.html
↑リンク。

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火曜に雑女医に当たったことこそが、わたしにとって最高の幸運だったのだ。この2019年4月9日の火曜に関しては。大吉。
つまりこの肺炎も、その大吉の副産物なのである。
                          
だからわたしの「Gifted🌱」は3/31からずっと続いている。
贈られし者。雑女医を贈られ、肺炎を贈られ、人生において最も踏み間違えてはいけない潮目を踏み間違えないために奮闘する機会を贈られた。

Gifted モカコ。誇れモカコ。モッカジャウワー。

                          
♩プ・プ・ピル〜〜〜

                           
今日の挿絵は近郷画伯が描いてくれた実家の愛猫サクラ。
この絵はなんか、モッカジャウワーの相棒感あり。笑。

                          
♩プ・プ・ピル〜〜〜

電話はようやく鳴り静まる。

(談話室でこれを書いているとまたも院長先生が覗いて「酸素チューブしたほうがいいかもね、そのほうがいいからね」と優しく忠告。
どこまで丁寧なの。雑女医と細やか院長。院長は自分のこと書かれているなんて思っていないだろうな。そしてこの素晴らしい先生が倒れてしないために、火曜は雑女医が存在しているのだ。つまり雑女医は、この病院のために「存在する」という重要な役割を果たしている。)

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<イラスト=MihoKingo>

☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。

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