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月曜モカ子の私的モチーフvol.204「チケット」(2019.02.26 アーカイヴ)

すみません、火(か)モカになってしまいました。

重度の花粉症で、昨年あまりのひどさに顔が腫れ上がってしまうという事態に陥ったわたしは、花粉症(アレルギー)と腸のディープな関係に注目し、昨年の退院後から腸活につとめ、おそらく今年は急に暖かくなる先週あたりからガッツリ飛ぶだろうと予想し薬も早めに飲み始めていたのですが、
土日月と出かけて、昨日帰宅した直後からすさまじいアレルギーを発症し、頭がぼんやりし何も考えられなくなり今に至る。
(という言い訳。すみません!)

                            
先日から述べている77歳母方の大叔父「ひろし」に加えて、先週熱海で久しぶりに再会した81歳“熱海では幅利かせたんダダ” の生粋のジゴロの大叔父「きちろう」(父方)の話もしたいのだが、今日はもう火曜なので短くチケットの話。

                            
今朝ニュースで広島カープの観戦のための抽選チケットの配布に、予想を超える人たちがやってきて、てんやわんやの騒ぎになったというのを見た。
広島カープはずっと先着順にしていたが、ひと月ほども前からテントを張って一番乗りし、500万円分くらい買っていく転売目的の人たちがいることから転売対策として抽選券を配布することにしたとのこと。

                            
昔からこのチケットの転売に関する問題はずっとあって、
                            
わたしがファンクラブに入っているThe yellow monkyは「転売」に対して毅然としたシステム対策で臨んでおり、チケット購入時にも誰が行くのかをきちんと申請しなくてはいけないし、入場時も購入時に登録した携帯電話の端末を持っていかないと入れないようになっている。
このやりかたは大変スマートであり転売を防げるなあと思うと同時に、自分が実際に購入した時に「すでに誰と行くか」を決めておかなくてはいけなくって、例えばその人が行けなくなった時も、また他の行く人を登録して事前に申請して認可されなければいけないので、いつもなんとなく芝居とかコンサートとかも行きたいものを「とりあえず2枚」買っておいて、
日が近くなったら、予定が合ってそれが好きな人を探していたわたしにとっては(おお、もう決めておかないといけないのね)となり、
定価で買えるありがたさと同時に、こういった窮屈さもあるわなと実感する。

                            
小説家なので、物語(ドラマ)の中に登場する小道具(という言い方をしていいかしら)を重要視している人間である。
自分の大好きな90年代のドラマって、家電(いえでん)が主流だったから、電話をした時に不在、とか、相手の留守電を勝手に聞く、みたいなシーンがたくさんあって、そのすれ違いなんかに「ううっ」とかなったりしてそこにドラマがあった。
もちろん「携帯」を使ってもそういうシーンは表現できるんだけれど、なんか家電だからこそ“オツ”だったりする空気感というのがあったりする。

                            
そういう意味では、ドラマなどによく出てくる
「チケットが1枚余っているんだけど」とか
「行けなくなった人がいてさ」みたいな、
使い古された手なんだけど、使い古されたものとして楽しまれきたシーンが、少しづつ消えていくのかなと少し寂しく思うし、実生活でも、この使い古された手が使いにくくなるんだあと思ったりする。笑。
だって「友達が行けなくなったから行く?」なんていう誘いって「よかったら来てよ当日でも」みたいな幅のある誘い方がいいわけで、当日来なかったらそこにいるダフ屋に売ったりすればいいわけだし、
でも「あ、行ける? じゃあ一応このファンクラブに簡易登録しないといけないから電話番号教えて」って言われたら、
言われた方はなんか億劫というか
「そこまでして行きたくはないから他の人とどうぞ」
ってなっちゃいそうだなぁ、とか、球場に並ぶカープファンの長蛇の列を、テレビ越しに眺めながら、考えた。

                            
テクノロジーの進化とともに、
失われていく「のりしろ」というものがある。
我々は何かしらの「余白」を失わずに、技術革新していけるか。

(イラスト=MihoKingo)
                            
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☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。

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