商売と言っちゃあ商売だけど、そうとも言えないと言っちゃあそうとも言えない職業に就いているのでこれまで酉の市というのには縁がなかったのだけど、去年、親友のちほと一緒に住むに当たってこれはもうArtisticPantie（わたしが一応主宰している芸術女人集団）を繁栄していくぜよ！みたいな感じで、昨年初めて一緒に鷲神社（おおとりじんじゃ）の酉の市に行った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
結果的にはこの１年、ちほにもわたしにも思いもよらぬことがたくさん起きて（年始のインフルエンザだけがお揃い。笑）団体というかかなり“各々”という１年になったのだけど、去年買ったものを奉納しがてら新しい熊手を買うということで、昨日、３の酉に行ってきた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
去年買った、全部手描きの七福神熊手がすごく気に入っていたので同じところで買おうとしたら、なんと！ そのお店の熊手ってとても人気らしくて、３の酉ではもうほぼ完売、残念ながら手に入れることができなかった、わたしたち、熊手を選ぶ目だけはあったみたいである。笑。

なあんだ、ここで買えないなら別にもうどの熊手でもいいなあ、みたいなあれと、今年入院を経て、なんかもういろんなものを削ぎ落とされたわたしは「デッカイ熊手を買うぞ！」みたいな気概って要る？　もう最小でいい、コツコツ生きていけたらそれでいい、みたいな気分になっいて、オカメさんだけの熊手を買おうとしてちほに「値段を落とすのだけは止めたら？　縁起物だからさ、縁起悪いよ」と言われて思いとどまった。
家に帰っていろいろ調べると、もともと熊手は、わたしが買おうとした形、つまり柄の長い熊手にオカメさんをつけただけのものが発祥で、そこにどんどん小判とか七福神とか、縁起の良いものが足されて行った形らしい。
東京はオカメ主流で関西はエビスさんが主流だとか。
そしてこのオカメはそもそも「アマノウズメ」ということらしい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
アマノウズメ、は、天照大御神が岩戸隠れしたときに上半身裸で舞を舞った巫女のことで、猿田彦という神様の奥様である。アマノウズメが舞を舞ったときに隣で楽器を弾いた神様の楽器に鳥が止まったことから鷲（おおとり）が止まって縁起がいいみたいな感じで酉の市に繋がっていて、だからアマノウズメは酉の市において大きなモチーフなのである。わたしは熊手を飾っているところにアマノウズメのお札（佐瑠女神社のお札）も飾っているのであるが、それってなかなか真っ当な飾り方であったわけなのだと昨夜知る。

（⤴︎去年買った熊手）

ところでここからはちょっと知恵袋のような問いになるのだが、今年買った熊手――結局とっても気に入ったものをそのオカメだけの熊手の奥に見つけて買ったーーは小判やら稲穂やら縁起がいいものがいっぱい乗っているのだけど、なぜかそこに「新田義貞（にったよしさだ）」がいるのである。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
その熊手はTOPにすっごく可愛いダルマが乗っていて、そこに一目惚れして買ったので、奥にちょん、と新田義貞がいることはあまり目に入ってきていなかったのだけど、家に帰ってじっくり眺めてみると、やはりそこには”やる気の” 新田義貞が、いるのである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
なぜ新田義貞！？　いろいろ調べてみたんだけど、いまいちよく分からない。新田義貞は鎌倉幕府を倒した立役者とあるので「強い」とか「勝つ」みたいな意味合いで乗っているのかな？

新田義貞と熊手の関係について詳しい人、ぜひ教えて頂きたい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
よくわからないまま、わたしは新田義貞を、自宅に連れて帰ってきてしまった。神道に関しては結構調べているので、何人か神様が理解と納得の上で家にいますけど（お札という意味でね）、戦国武将は初めて。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
この１年、新田義貞とどう関わっていけばよいものか、それが知りたい。

　　　　　　　　　　　　　                                    （イラスト＝Mihokingo）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。

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