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中田裕二を聴いてみたい貴方に(勝手に)贈る3曲

椿屋四重奏(以下椿屋)ファンが、一夜限りの再結成のニュースを聞きつけて、中田裕二の10周年記念ライブの配信を観た人も多いだろう。
その時「ソロは聴いてなかったけど好きかもしれない。」と思ってくれた人がいるかもしれない。
そんな時、どのアルバムから手をつければいいだろう。
とりあえず最初の1枚はベスト版の「TWILIGHT WANDERERS - BEST OF YUJI NAKADA」を勧める。
今後の方向性の確認には「DOUBLE STANDARD」を勧める。

聴いて欲しい曲はいくつもあるが、何しろアルバムはオリジナルで10枚出ている上に、音楽性がバラバラなのだ。
今回は惜しくもベスト盤からもれてしまった曲で、どうしてもおすすめしたい曲を紹介したいと思う。

sunday monday(école de romantisme M-1)

ジャジーかつブルージーで色香のある曲。
バンド表現との決別と言いつつも、「導火線」(椿屋四重奏 M-3)、「硝子玉」(深紅なる肖像 M-4)などなどジャズっぽいアプローチの曲は椿屋初期にもあったりする。
またブルースっぽいアプローチの曲は「ぬけがら」(深紅なる肖像 M-1)で当時から評価されていて、これまでの音楽表現がひと繋がりになっているのが分かる。

ただ、これまでは椿屋四重奏の音楽をドラマチックに演じていた感があり、「sunday monday」はやや背伸びしつつも、現実感があるなぁと思う。

「blue morning」(アンビヴァレンスの功罪 M-5)と合わせて聴いて、気だるい月曜日の朝に週末の逢瀬を思い出す……という妄想がはかどる。

春雷(MY LITTLE IMPERIAL M-8)

なんでこの曲がベストに入っていないのか、と思いの方もいるだろうと察する名曲。
純文学めいた悲恋の歌詞が、なんとも東海テレビ制作の昼ドラじみている。
美しいメロディーラインとドラマチックな展開に、ピアノと弦楽四重奏が魅せる曲だ。
このアルバムをリリースした時は31歳で、ファーストツアーの時点で弾き語り披露していたので、30歳前後にはこの曲を作ったことになる。
このジャンルをやり切る30歳前半って2000年代にはいない気がする。

「朱い鳥」(薔薇とダイヤモンド M-8)が好きな人には刺さると思う。


むせかえる夜(NOBODY KNOWS M-9)

ジプシー音楽とラテン音楽に、歌謡曲のメロディーラインが乗っかる疾走感のある曲。
刹那の瞬間を4分16秒の世界にぎゅっと詰めた歌詞に、思わずこちらもむせかえってしまいそうだ。
フルアコースティックギターでそこまで弾いちゃうんだね?というギタリスト中田裕二の力量を垣間見るアレンジである。

「恋わずらい」(TOKYO CITY RHAPSODY M-3)の疾走感、「熱病」(薔薇とダイヤモンド M-6)の歌詞の世界観が好きな人は刺さると思う。

話は脱線して、個人的な見解なのだけど、中田裕二はハロー!プロジェクト所属のアイドル、Juice=Juiceに楽曲提供したら面白いなぁと思っている。
歌謡テイストの曲をハイクオリティで歌いながら、バキバキに踊れる力量がある唯一無二のアイドルだ。

今宵も沼に溺れる

個人的に好きな3曲を紹介させてもらった。
これ以外にもベストアルバムからもれた以下の曲が好きで、

つかずはなれず
blue morning
LOVERS SECRET
リボルバー
とまどい
誰の所為
サンクチュアリ
夜をこえろ
何故に今は在る

割と歌謡ロックやジャズを好んで聴いていることが分かる。
たまに現行ソロで「踊り子」(薔薇とダイヤモンド M-6)みたいなグランジ愛憎劇みたいなのが聴いてみたい。(「UPDATER」(DOUBLE STANDARD M-6)はある意味そうだけど……。)

これを執筆するにあたって、昔の音源を聴き返した。
長く活動していると、当時聴いた年齢とは違った感想を持って面白い。
こうして今宵も一人イヤホンで中田裕二の沼に溺れているのである。
そしてこれを読んでいる貴方も沼の道連れにしたい。

椿屋の亡霊によるレポートです。
ご興味あったらどうぞ。


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