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映画「バーバラと心の巨人」

「おいおい、これってタイトルからネタバレになってない?」という不安な気持ちを抱えながらも映画館へ。

結果ですが、……ほぼ、ネタバレです。「答え、言うてもうてるやん!」と思わず大阪弁が出るレベルです。本国のタイトルは「I kill GIANTS」。うんうん、こちらはピッタリ。そして、日本の広告と本国の広告の違いたるや…。なんでもかんでもファンシーになってしまうのが日本の映画宣伝の特徴だなぁと思う。黄色が好きなのでこのチラシデザインは大変好みだけど、映画の内容や意図を表しているとは思えないです、はい。

主人公のバーバラはうさぎの耳をつけ、風変わりな格好をしている少女。そのため同級生からは嫌煙され、いじめの的にもなっている。いわゆるメンヘラ系女子。しかも、「巨人」から街を守るために、森や海岸など、巨人が出てくる場所に出かけて「結界」をめぐらしているのである。

まぁ、メンのヘラは決定ですよね。……なんですが、メンヘラという単純なくくりや言葉で済ませられないのが、多感な少女の内面や気持ちの動きなのです。今作はその点に重心を置いた物語になっています。

学校ではヤバいやつと思われているバーバラにも友人ができます。それが、転校生のソフィア。バーバラが海辺で結界を張っている時に出会い、バーバラの行動を面白く(?)不思議に(?)思ったソフィアからバーバラに声をかけてきたのです。最初はソフィアのことを敬遠していたバーバラでしたが、次第に仲良くなっていくのです。

この物語では、「普通の世界」バーバラが戦っている「巨人がいる世界」があるのです。「普通の世界」では、バーバラの両親が不在が描かれており、お姉さんが親代わりを務めています。お兄さんもいるのですが、まったく役に立っておらず、切羽詰まったギリギリの状態の家族関係が描かれています。

バーバラが持っている「2つの世界」はもちろん共鳴しあっているため、家族の亀裂や友人関係の問題は「巨人のいる世界」にも影響を与えるのです。そのあたりは観てのお楽しみ…という感じです。(とはいえ、答えはほぼタイトルに出ている)

原作を読んだことがないのでわからないけど、扱うテーマや主人公の繊細さには惹きつけられるので、もう少し突っ込んだ感じに作れたのではない?と思わずにはいられない作品でした。攻めどころが弱いというか、もっとバーバラの心の内面に入り込んだ世界観を観たかったな。なので、書ける感想もあまりないのです(言い訳)。

#映画 #コラム #感想 #バーバラと心の巨人 #1013 #040


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