上昇相場の今だからこそ、下落時の備えを

ビットコインが最高値を更新し好調なおかげで、資産が増えている方は多いかと思います。
しかし油断は禁物です。暗号資産は、暴騰も暴落も日常茶飯事です。
一番出来高の大きいビットコインでさえも、下落する時は、70%以上下落します。
高いボラティリティに耐えられずに、底値付近で売却したまま市場から引退してしまう人も少なくありません。そうならずに、生き残るために必要なことは、下落時にどうするのか決めておくということです。
人はメンタルが壊れたときは間違った行動をするものです。相場下落時のマニュアルを作っておくことでメンタルを安定させて、正しい投資行動を採ることが可能になります。

一般的に保有している資産の上昇相場が終わったときに採れる行動は実はいくつかあります。ホールドか全部売却かの二択では無いということを知っていて欲しいです。
選択肢には次のようなものがあります。

・ガチホ
・全て売却する
・一部だけを売却する
・証拠金として活用する

1つは、「ガチホ」(保有したまま)という選択肢です。
大暴落しても平気なくらいしか保有しておらず、バランスの良い資産配分の人がとれる行動です。日々の値動きに一喜一憂してしまう人には向いてませんのでそんな人は保有数を減らすべきです。どうせ売らないなら、ステーキング(株でいう貸株みたいなサービス)で運用しても良いでしょう。

もう一つは、「全て売却する」選択肢です。
こちらは、さらなる下落の前に売ることで資産を守ることができます。
より良い投資先に資金を向けることで、ガチホよりも攻めの投資をすることも可能です。
こちらの選択で重要なのは、売った後の資金をどうするか?です。
安値でまた買い戻すかどうかは最低限決めておかないと行動が遅れますし、後で後悔します。
税金が気になる方も多いかと思いますが、累進課税なので収入が少なければ税率は大したことはありません。収入が700万円を超えなければ、株よりも税金は安いです。それよりもはるかに大きな利益を手にした幸運な方に向けた税金対策については後述します。

次の選択肢は、「一部だけを売却する」です。
中途半端と思われるかもしれませんが、無難な選択肢ではあります。
暗号資産の税金は累進課税となってますので、分割して年度をまたいで利益確定した方が税率を低くできます。
また、売却してできた資金で株や債券を買ってリバランスすることもできます。暗号資産の価値が増えすぎてバランスが悪いと感じたら、一部売却するべきです。投資した金額分だけ売って元本確保というのもいいでしょう。
たとえ一部でも高値で売ることができたという経験はメンタルの安定と自信に繋がります。

最後の選択肢は、「証拠金として活用する」です。
これは、現物は売りたくないけれど、保有したままにすることで取引機会を減らしたくないし、現在の含み益も減らしたくなんてない、というワガママを叶えてくれます。相場から離れるつもりが無いならば、知っておくべきテクニックの一つです。
上級者は現物と先物を併用することでリスクヘッジをします。現物を保有したまま、先物でショートすることで、利益と損失を相殺させて利益確保を狙えます。現物の利益を確定させていないので、強力な税金対策になります。現物の暗号資産を証拠金に充てることで、追加資金無しに行えますし、レバレッジ1倍までのショートならロスカットになりません。
先物取引所にも依りますが、ショートで利益確保したあと上昇相場が続いてしまった場合も金利差による収入が得られる場合があります。先物取引する際は、取引所によって手数料体系が大きく異なるので注意が必要です。

「暗号資産の利益は雑所得になるので税金的に不利」なんて云われますが、割となんとかなります。ただし何とかなるのは、対処法を知っていて、尚且つ余裕資金で投資している人だけです。利益を確定させるかどうか選べる人は強いです。

実は現物を全て売却した人にもできる税金対策がひとつあるので紹介します。ただしそれは特殊なケースです。

暗号資産は雑所得なので損失が出ても損益通算は出来ないから税金面で株よりも不利というのは本当です。"損失"を来年に持ち越せず、年度内の雑所得以外の利益との相殺もできません。ですが、暗号資産による"利益"は年度内の他の所得の損失と相殺させることができます。
従って、個人事業主の事業所得がマイナスになった場合はそれらを相殺できます。年度初めに暗号資産で大儲けしてて、尚且つ新規事業を立ち上げたいという方は、暗号資産の売却益を事業資金に充ててみてはいかがでしょうか?新規事業の初年度はまだ準備ばかりにお金がかかって赤字スタートというのはよくあることです。暗号資産があなたの夢を叶える資金となって、ついでに税金対策にもなるなんて素敵じゃないですか?
注意したいのが、これは将来確実に利益になる事業への投資だと税務署を納得させる必要があることです。経費として認められないと節税にならないので、しっかりと計画を練って税理士にも相談してください。

いかがでしたでしょうか?
いづれにしても、大きく含み益を抱えていても相場が急転して下落するときは、心が乱れます。そんなときに、どうするか予め自分で決めておくことをお勧めします。予定に無い、慣れない行動は間違いやミスを生みます。どの選択肢を選んだとしても、自分で選んで行動できたなら、それがあなたにとっての正解です。
巷では新nisaが始まって、月〇万円〇年間オールカントリーに突っ込めば~みたいな本やyoutubeサムネを見かけますが、軽いノリだけで投資に手を出すと火傷します。投資には余剰資金だけでなく余裕メンタルも必要です。精神が壊れたらどうせ決めた通りに投資を続けられないので心の安定は最優先事項です。

最後に、
税金が心配だという方、既に成功を手にしているようなモノなのに簡単に手放さないで下さい。
投資でメンタル削られている方、計画に問題ありです。早急に見直しましょう。
「幸運の女神は準備されたところにやってくる。」


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